レビュー
東京マルイ、「ガスブローバックマシンガン AKM」レビュー
2021年7月22日 00:00
サバゲパークで実戦投入! リアルサイズのグリップの快適な携行性!
ではいよいよ、実際にサバイバルゲームで使ってみる。今回は「AKM」発売後初の土曜日である7月17日、「東京サバゲパーク土曜定例会」に参戦する事にした。
……本音を言えば、このサバゲーには筆者自身の「AKM」で参加したかった。筆者は知人のショップにて「ガスブローバックマシンガン AKM」を予約していて、これで参加したかったのだが、前評判の高さから入荷数を上回る予約が殺到、筆者自身は「サンプルが触れたから、ほかのお客さんを優先して欲しい」と2次出荷での受け取りを申し出た。幸い、サバゲパークで予備マガジンは売っていたので、合計2マガジンで参戦した。
この日、「サバゲパーク」のある千葉県印西市の気温が31度ほど。夏場のサバイバルゲームにおいてマガジン内のガスが高温により高圧になり、パワーが出過ぎてしまう心配があるが、「ガスブローバックマシンガン AKM」は大丈夫だった。ボルトの後退にもガスを使うので、初速が上がりすぎない、という側面もあるようだ。
続いて、シューティングレンジで実射と、ホップアップの調整を行なう。飛距離を伸ばす「ホップアップ」は、チャンバー横のドラム状のパーツを回転させて調整する。
東京マルイでは0.2g~0.25gの重さのBB弾を使用するように指定されているので、重過ぎたり軽過ぎたりする弾は使わないようにしたい。筆者は今回予備マガジンが1本だけという事もあって、セミオートでの命中精度を求め、主に0.25g弾を使用した。0.2だと軽い分飛距離は出るが、弾道が安定しない場合があるのだ。
ホップの調整は金属のドラムを回すのだが、指先を掛けられる切り欠きがあるのでやりやすい。また、気温の変化でホップアップの調整が必要になる場合があるが、サバイバルゲーム中でもすぐにできる有り難さはサバイバルゲーマーなら共感してもらえるだろう。
この日は暑さもあって休憩を挟みながら10ゲーム近くに参加する事ができた。
「ガスブローバックマシンガン AKM」は実銃に近い3,550gという重さを実現している。この数字だけ見て「重くてサバゲーでは不利じゃないか?」と思う人もいるのではないか? 今回は比較もするため「電動ガンスタンダードタイプ AK47」も持ってきたのだが、実際には重い筈の「AKM」の方が、取り回ししやすかったのだ。
これは、前後の重さのバランスの良さもあるだろうが、やはりリアルサイズのグリップの握り易さが大きな理由だと思われる。「AK47」は電動ガンのため、実銃よりグリップが太い。今まで「電動ガンスタンダードタイプ AK47」のグリップに特に不満を持った事はなかったが、「AKM」のリアルサイズの握り易さは格別である。炎天下でも重さを感じずにサバイバルゲームを楽しめたのは、意外な発見だった。
現在のサバイバルゲームでは、セミオート限定ルールの試合が何度か挟まれる事が多い。実はセミオートの場合、電動ガンは少しだけ不利だ。引き金を引いてから弾が出るまで、本当にコンマ数秒の違いだが、ガスガンより遅い。遮蔽物から顔を出して相手と向き合い、ほぼ同時に撃ち合って、ガスガンに撃ち負ける事も多々ある。その為筆者はセミオート戦ではガスハンドガンを使う事が多い。しかし今度は命中精度や射程、装弾数などファイヤーパワーで電動ガンに負けてしまう。
その点ガスブローバックマシンガン「AKM」は、ガスガンゆえのセミオートのキレの良さとレスポンスの速さ、長射程、装弾数35発いうファイヤーパワーは強みだ。また、ハンマーダウン機構によって、相手に知られる事無く、弾切れを知るメリットも大きい。
実戦でも「AKM」はセミオートで使われる場合が多い。同様に、サバイバルゲームのセミオート戦では、電動ガンに勝るとも劣らない、非常に有効な火器だと言っていいだろう。もちろん、リアルな作動や装弾数にこだわるユーザーは、フルオート戦で電動ガンに混じってバリバリ撃ちまくるのもありだ。
なお、ガスブローバックマシンガン「AKM」でサバイバルゲームに参加した時に大事なのが、ゲーム後チャンバー内の残弾処理だ。全弾撃ち尽くして居ない場合、マガジンを抜いてもチャンバーに1発BB弾が残っている。そこでボルトレバーを引いて、BB弾を下に落としてやろう。この時、銃口を上に向けたり銃が横向きにする事は、BB弾が後ろの機関部に入り込んでしまう危険性が高いので厳禁だ。必ず銃を水平にした状態で行なおう。
また、一般のサバイバルゲームではなく、時代や戦場を設定し、装備などを史実にあわせる「ヒストリカルゲームを行なう場合は、全員がガスブローバックマシンガンを使う事で、より実戦に近い雰囲気を味わう事ができる。「ガスブローバックマシンガン AKM」は戦場の"設定"の幅も広げてくれるだろう。
溢れる本物感と実用性重視派も納得の性能。ずっといじっていたくなる楽しさ
猛暑の中だったが、1日楽しくサバイバルゲームを楽しむ事ができた。「AKM」を見て初対面の方から話しかけられたり、エアソフトガンユーザー大注目の製品だと改めて感じた。その上で断言できるのは、「AKMは買いだ!」という事である。
筆者の所有する「AKシリーズ」7丁は、メーカーは違えどほとんどが電動ガンだ。モデルガンや無可動実銃に惹かれないのは、「銃とは弾を発射する物である」という、筆者の極めて個人的な思い入れによるものである。
よって、実用性で言えばやはり電動ガンに一日の長があるので、これまでのガスブローバック「AK」に関心は無かった。しかし東京マルイの「ガスブローバックマシンガン」は、極めて実銃に近い外観と操作感でありつつ、サバイバルゲームでの実用性も非常に高いという事がわかり、購入を決めた経緯がある。
今回サンプルを使ってみて、その判断は間違っていなかったと確信した。また、筆者にとってあくまでゲームのための道具、"実用品"である電動ガンは、通常はガンラックに立てかけてあり、触るのはサバイバルゲーム当日と前後1日ぐらいだった。しかしガスブローバックマシンガン「AKM」は、手元において、ちょっとした時間にガチャガチャ弄る楽しさがあった。まるでスマホのように無意識に触ってしまう、たまらない魅力があるのだ。
結論としては「早く欲しい!」に尽きる。東京マルイでも当然再出荷へ向けて増産していると思うので、楽しみに待ちたい。今後、さらなるバリエーション展開も考えられるガスブロバック「AKM」が、フィールドを席巻するのは遠くない未来であろう。