インタビュー

コンパクトキャリーにSSA、そしてサイガ12K……2022年の前半も新製品ラッシュは続く! 「2022年の東京マルイ」、デカ広報・島村氏インタビュー

 2022年の東京マルイはどのような年になるだろうか? 2021年の東京マルイは昨年に引き続き、コロナ禍の中従来の積極的なイベントが展開できなかった一方「コンパクトキャリーガスガン」、「ガスブローバックマシンガンAKM」、「次世代電動ガンMP5A5」と意欲的な新製品を発売してきた。

 弊誌では前編にあたるインタビュー“「次世代電動ガン MP5」に「ガスブロAKM」! デカ広報・島村氏が語る、「2021年の東京マルイ」”において、東京マルイの広報、島村優氏に話を聞いた。今回は後編として「2022年の東京マルイ」を聞いていきたい。

 東京マルイはすでに「マルフェスオンライン」を通じ、様々な新製品を発表している。今年発売予定だったが、スケジュールが変更になった「ガスブローバックショットガン SAIGA-12K」。“西部劇の銃”として知られる「SAA(シングル・アクション・アーミー)」をモチーフとした「エアリボルバープロ SAA.45 5-1/2インチ アーティラリー」。固定スライドガスガンの「コンパクトキャリー LCPII」、「コンパクトキャリー CURVE」。そして発表と共に話題を集めた「ボルトアクションエアーライフル VSR-ONE」……。これらの他にもアクセサリーなどの発売も控えている。

【【マルフェスONLINE pt.7/新製品コーナー】新たにラインナップに加わる次期新製品を、詳しくご紹介!】
11月12日の最新のマルフェスONLINEでは、「コンパクトキャリー LCPII」、「コンパクトキャリー CURVE」、「ボルトアクションエアーライフル VSR-ONE」が紹介された

 2022年に発売されるこれらの製品はどのような特性を持ち、どんなユーザーへの想いで開発されているのか? インタビューでは製品への質問を中心に、製品が生まれる背景も聞いてみた。2022年の東京マルイはユーザーにどのような未来を提示してくれるだろう?

東京マルイの広報、島村優氏に「2022年の東京マルイ」を聞いた

時代が追いついた!? 島村氏のアイディアが出発点の「ボルトアクションエアーライフル VSR-ONE」

 今回、まず最初に島村氏は、「2022年の発売スケジュール」を提示してくれた。インタビューの前にまとめておきたい。

・1月~2月ごろ
「次世代電動ガン URG-I 11.5インチ」
「エアリボルバープロ SAA.45 5-1/2インチ アーティラリー」
「マルイタクティカルドットサイト MTD PRO・SIGHT」
・3月ごろ
「ボルトアクションエアーライフル VSR-ONE」
・4月ごろ
「固定スライドコンパクトキャリーガスガンLCPII」本体・ホルスター
「固定スライドコンパクトキャリーガスガンLCPシリーズ用・BODYGUARD 380用ロングマガジン」
「ガスブローバックショットガン SAIGA-12K」
「東京マルイ純正リポバッテリー」
・5月以降
「固定スライドコンパクトキャリーガスガンCURVE」
・発売日未定
「ガスブローバック P320」

※以上はあくまでも取材時点での予定の為、変更の可能性もある

 「4月まではかなりのラッシュになると思いますよ」と島村氏は語った。こうやって書き出してみると、ワクワクさせられるスケジュールだ。インタビューではこれらの新製品の中から特に注目の製品の話を聞いていった。

 このラインナップの中で、島村氏が特に強い思い入れを持って語ったのが、2022年2月~3月発売予定の「ボルトアクションエアーライフル VSR-ONE」だ。2003年に発売され、今でも人気を誇る「ボルトアクションエアーライフル VSR-10 プロスナイパーバージョン」のバリエーションとなる。

「ボルトアクションエアーライフル VSR-ONE」2022年2月~3月発売予定、価格未定

 遠くから敵を狙い一撃で仕留める「スナイパー」は映画の題材にもなるし、コミック「ゴルゴ13」のイメージもあって人気が高い。FPSでも狙撃銃を好んで使うプレーヤーは多い。サバイバルゲームではわざわざ隠密性の高い「ギリースーツ」を着込んで参加し、待ち伏せ戦法でスナイプを狙うプレーヤーもいる。スナイパーは魅力的な“スタイル”なのだ。

 しかし「VSR-10」は大きすぎる。全長は1mを超える1,075mm。スナイパーライフルというのは遠距離まで届き、弾道がぶれない強力な弾を発射するので、その反動を押さえ込む大きな銃となる。弾道をできるだけ安定させるため、銃身が長くなる。

 スナイパーになりきりたい人にはこの大きさが良いのだが、エアソフトガンではBB弾の威力が法律で定められているため、スナイパー銃の特性が出にくい。そのため最近はサバイバルゲームで、スナイピングを楽しみながら機動性も追求したい、という人が増えてきて、そこで生まれたのが、「VSR-ONE」なのである。

【ボルトアクションエアーライフル VSR-10 プロスナイパーバージョン】
ボルトアクションエアーライフル VSR-10 プロスナイパーバージョン」。2003年発売。価格は21,780円(税込)。基本設計は発売当時と変わらないロングセラーモデルとなっている

 「VSR-ONE」は「VSR-10」の機関部はそのまま、ストックと銃身を変えることで高い携帯性、取り回しのしやすさを実現している。さらにマウントは「Mロック」を採用。様々なオプションを取り付け可能で、拡張性も高い。ストックは折りたたみ式になり、折りたたむことで戦場を素早く移動できる。「VSR-10」の実射性能を維持したまま携行性を向上させた、東京マルイからの“提案”なのである。

【ボルトアクションエアーライフル VSR-ONE】
マルフェスオンラインの発表時、Mロックと「VSR-ONE」を持つ島村広報。心なしかいつもより嬉しそうに見える
ハンドガンのフォルムのライフルは実銃でもお馴染みとなった
ショートバレルの先端はサイレンサーを付けるネジが切られている
スコープとバイポッドを付けての精密射撃も可能だ
価格未定だが、かなり手頃な値段になりそうだ
発売が待たれる

 発表直後から「こういう銃を待っていたんだ」という声がTwitterなどで上がり、ユーザーの反応はとても好意的だった。島村氏はこの反応がかなりうれしかったという。「実はこの銃は約18年前に私が考えたものなんですよ」と島村氏は得意げにその理由を明らかにした。「ショットガンのように銃身が短く、ストックが折りたためるスナイパーライフル」の試作品を社内で見せたところ、散々の評価だった。

 「私は短い銃が凄く好きなんです。だから試作品を作る時、VSR-10のストックをぶった切って、『電動ガン H&K MP5 R.A.S.』の折りたたみストックを無理矢理くっつけました。さらにチャンバーの上には『電動ガン ナイツSR-16 M4カービン』のレールを切り詰めた物を載せて、フロントもかなりショートバレルにした銃をつくったんです。3年前のホビーショーでボツになった試作品を並べて人気投票をした時にも並べられましたが、ビリが僕の『デカライフル』でした(笑)」。しかし、その以前の評価は「VSR-ONE」で大きく覆ったのだ。

 今回再びこのコンセプトが注目を浴びたのはいくつかの理由があると島村氏は解説した。まず実銃の話。近年「ARピストル」、「スナイパーピストル」というジャンルが生まれている。ライフル弾を撃てる、ピストルグリップ・ショートバレルの銃で、所持する時にハンドガン扱いで登録がし易いといった事情もあって、製品が出始めているとのこと。

 そしてエアソフトガンとしても需要があったと島村氏は語った。現代の若いサバイバルゲーマーは車に乗らず、電車でゲーム場に移動する場合も多い。このときにフルサイズのライフルは持ち運びにくい。「VSR-ONE」ぐらい小さくなれば、そのままリュックにパッと入れて、弾とゴーグルだけ入れて、サッとゲームに行ける。このコンセプトが「VSR-ONE」の発表時の好評につながったと島村氏は思っているという。

東京マルイのTwitterより、3年前のホビーショーでボツになった試作品を並べて人気投票をした写真。5番目が島村氏お手製の「デカライフル」。アンケートで最下位だったが、時代がようやく自分に追いついたと、現在の島村氏は得意顔だ

 「コンパクトに持ち運べて、スコープも載せられるし、極力軽くするためにピストルグリップで中空にして、使う時にはショートバレルにサイレンサーもねじ込めるし……という18年前のコンセプトモデルが具現化しましたね。個人的に思い入れがある製品という事になります」と島村氏は語った。

 「VSR-ONE」は元々は省コストを狙い、ストックとグリップを一体で短く造り直して今風にして、買い易い値段で発売しよう、という事で企画がスタートした。しかし実銃のスナイパーピストルのトレンドは折りたたみストックで、細かく長さやポジションを調整できる。そこで「VSR-ONE」はそこに寄せつつ、デザインで巧く処理した。このため、コストパフォーマンスが高い製品になったとのこと。価格にも期待して欲しいと島村氏は語った。

弾をシリンダーに込める、リアルなアクションが楽しめる「エアリボルバープロ SAA.45 5-1/2インチ アーティラリー」

 「今、西部劇・ウエスタン・カウボーイが静かなブームという流れもあると思います。マルフェスONLINEで『西部劇の銃』として知られる『SAA』を東京マルイが発表した時、かなり反響がありました」と島村氏が語るのが、「エアリボルバープロ SAA.45 5-1/2インチ アーティラリー」。18歳以上向けではなく、初速が低い10歳以上向けのエアコッキングガンとしての発売となる。発売は2020年2月~3月を予定している。

 実銃の「SAA」もその名の通り、1発1発発射をするためにハンマーを起こす必要がある「シングルアクション」なため、モチーフにぴったりの商品企画と言えるだろう。引き金を引いたままハンマーの操作だけで弾を発射する早撃ちテクニック「ファイニング」もきちんと再現できるとのこと。

【エアリボルバープロ SAA.45 5-1/2インチ アーティラリー】
マルフェスオンラインでの発表。PVを撮影するなら閉鎖している「日光ウエスタン村」を借りて撮影する事も考えたという。

 本商品の大きな特徴は「リアルカート」。実銃の弾丸は薬莢に入っており、薬莢内の火薬の爆発で弾丸が発射される。しかしガスガンなどエアソフトガンは銃自体に発射機構が搭載されており、規制などもあって薬莢は省略されることが多い。「エアリボルバープロ SAA.45 5-1/2インチ」はダミーであるカートを再現、先端にBB弾を詰め、1発1発シリンダーを回転させ弾を入れる実銃と同じアクションが楽しめる。排莢時も銃を傾け、エジェクターロッドを操作することが可能だ。

 元々、エアソフトガンのSAAはヘビーユーザーが多かったが、最近はゲームや映画で知名度が上がり、「ライトユーザーが気軽に楽しめるSAAが求められているんじゃないか?」と企画がスタートしたという。最初は既存のメカを応用して、リーズナブルに……。という目標だったが、結局新規設計となった。外観の図面を3Dプロッターで出力してみたら社内でも「カッコイイ!」という声が多く上がり、本格的に企画が動いた。

【BBエアリボルバーシリーズ パイソンPPCカスタム】
「BBエアリボルバーシリーズ パイソンPPCカスタム 6インチ ステンレスモデル」2018年発売で、価格は5,478円(税込)。カスタムガンである「PPC」は島村氏の猛プッシュで製品化されたとのこと

 新規のメカを使うということで、新しい「エアリボルバープロ」というブランドの第1弾商品となる。セールスポイントはリアルカート採用による実銃さながらのアクションの数々が楽しめるところだ。「やはりSAAと言えば、この一連のアクションが最大の魅力を感じる部分だと思いますし、そこにこだわらなければ出す意味が無い! という考えで開発しています」と島村氏は語る。そして実射性能。10歳以上の初速を抑えた仕様ながら、狙ったところにきちんと当たる。これは特許出願中のカートの設計がもたらしているとのことだ。

 一方、“重さ”というところでは樹脂製なので製品はかなり軽くなってしまう。リボルバーの場合、グリップに重りを入れて実銃のような重さを目指す製品もあるが、「エアリボルバープロ SAA.45 5-1/2インチ アーティラリー」はグリップ部分に空気を圧縮させる機構があるので重くすることやグリップ交換はできないとのこと。

 また、SAAは西部劇のショーで有名な、手の中でくるくる回すガンスピンや投げ上げてのキャッチなど“ガンプレイ”をするユーザーも多いが、この商品ではそういった扱いは東京マルイとして禁止しているので注意して欲しいとのことだ。

【エアリボルバープロ SAA.45 5-1/2インチ アーティラリー】
ホップ付きで実射性能が向上している
シリンダーゲートを開けたところ
SAAの魅力を熱く語る島村氏
まずはこの2種類で楽しみたい
「エアリボルバープロ SAA.45 5-1/2インチ アーティラリー」に関しては、発売前により詳しいインタビューをお届けする予定

 SAAは通常の黒鉄色を再現した「ブラック」と、腐食を防止するためのニッケルメッキを施したバージョンを再現した「シルバー」が同時発売となる。SAAは銃身の長さによるバリエーションなどがあるが、まずはこの2種のユーザーの反応を見たいとのこと。「エアーリボルバーそのものが盛り上がれば、エアリボルバープロという新しい規格で色々なリボルバーを発売したいですね。もしかしたら西部開拓時代の様々な古式銃も可能性があるかも?」とのことだ。期待が高まる。