レビュー
「パトリオットプラス」レビュー 電動ガンプラスに待望のM4タイプ登場!
2024年2月27日 00:00
「パトリオットプラス」の操作性&実射性能チェック
外観で「M4パトリオットHC」から大きくイメージが変わった「パトリオットプラス」だが、やはり最大の変更点はメカボックスと「PLUSシステム」(=FET回路)の搭載だ。
早速、初の「MS・Li-Po バッテリー」対応M4シリーズかつ、「Ver2メカボックス」搭載電動ガンでもある「パトリオットプラス」の操作性・実射性能を見ていこう。
バッテリー交換において、バレル下部のハンドガードを外して行なう点は「パトリオットプラス」と「M4パトリオットHC」で共通だ。「パトリオットプラス」はアウターバレル上方に、新たな心臓部「PLUSシステム」を搭載している。それに伴い、アウターバレルも細身に造り替えられているので、ニッケル水素バッテリーを使う場合も収納しやすくなっている。
しかし、「PLUSシステム」の性能を完全に引き出すにはやはり「MS・Li-Po バッテリー」を合わせて使いたいところだ。
「PLUSシステム」にはインジケーターランプが付いている。バッテリーを繋ぎ、問題無ければ消灯したままだが、電圧などに異常があれば赤く点滅・点灯して知らせてくれる。その場合はすぐに使用を中止し、説明書に従い対応しよう。
インジケーターランプが消灯したままなのが確認できたら、ハンドガードをロックし、BB弾を装弾したマガジンを装填、セレクターをセミ/フルに切り替えてトリガーを引けばBB弾が発射される。筆者の場合は「パトリオットプラス」は箱出しで「ファイネストBB 0.20g弾」を使い、適正ホップをかけた状態で93.37m/s、0.87Jを叩きだした。
気温等外的要因や弾速器の誤差を考えると上限に近い、実用充分なパワーが出ている。「PLUSシステム」のバランスもあり、内部に関してはノーマルのままでの使用がベストだ。
なお、「M4A1カービン」や「M4パトリオットHC」では、レシーバー後部のピンを抜いてテイクダウン(分解)した状態でのクリーニング方法が取扱説明書で掲載されていたが、「パトリオットプラス」では分解方法も異なりオミットされている。従来のM4シリーズユーザーは、うっかりテイクダウンさせない様に注意しよう。
続いて実際にシューティングレンジで「パトリオットプラス」と「M4パトリオットHC」と撃ち比べてみた。
まず「M4パトリオットHC」は、電動ガンスタンダードタイプに比べてギヤ比などが変わり、セミオートのキレも良くなっている。しかし、物理的な接点方式のスイッチであることに変わりはないので、セミオートの多用はスイッチを痛める可能性がある。また、フルオート射撃の秒間25発の連射性能は他の製品では味わえないもので、撃っていて爽快感があった。
では、いよいよ「パトリオットプラス」と「Ver2メカボックス」、「PLUSシステム」に「MS・Li-Po バッテリー」との初の組み合わせを試してみよう。
先ずセミオートだが、「次世代電動ガンMP5」シリーズや「P90プラス」同様に、電動ガンの真価とも言える射撃のキレが堪能できる。何より、M4シリーズならではの、細くストロークの短いトリガーと相まって、最高のフィーリングでセミでの速射が味わえる。
続いてセレクターをフルオートに回してトリガーを引くと、「PLUSシステム」と「MS・Li-Po バッテリー」ならではの、フルのセミオートといえるような、等間隔の連射が行なえる。「P90プラス」の際もスタンダード電動ガンのメカボックスの真の実力を確認したが、「パトリオットプラス」でもやはり「Ver2メカボックス」の本当の姿を再確認できた。
「パトリオットプラス」は高い拡張性とコンパクトな取り回しの最強のサバゲー実用性が魅力!!
今回もいつもの様に、千葉県印西市にある東京サバゲパークの定例会に参加した。普段はセミオート戦用にハンドガンやショットガンを併用し、サイドアームも携帯する。しかし、今回はセミオート戦もフルオート戦も「MS・Li-Po バッテリー」と「パトリオットプラス」だけで挑んだ。
まず実戦投入にあたり、コンパクトさを損なわない程度にパーツを取り付けてカスタマイズしてみた。マガジンは勿論、M16/M4シリーズ用のパーツがほとんど流用可能なので、選択肢が広いのが「パトリオットプラス」の魅力でもある。
新製品のレポートでは予備マガジンが悩みの種だが、手持ちのM16/M4用マガジンがあったので、弾切れを気にせず撃ちまくれた。従来品のスタンダードタイプ電動ガン&ハイサイクルM16/M4ユーザーは導入のハードルが非常に低く、嬉しいポイントだ。
その中でマストアイテムだと感じたのが、フォアグリップだ。M4A1カービンの様にハンドガードに手を添える姿勢も良いが、取り回しの良さを活かして進行するには、フォアグリップを使って構えるのが動きやすい。
実銃では、規制によってグリップを別に付けるとピストルと見なされなくなる場合がある様だが、電動ガンでは大いに使いたいところだ。また、今回は前述した映画「今そこにある危機」のイメージで、ハーネスにワンポイントで吊ってみたが、レイルスリングアダプターを付けて通常のスリングで吊るのも持ち運びに便利だ。
さらに、前後のサイトを起こすと、ダットサイト越しに狙いを付けられる様になる。アイアン(物理)サイト派のユーザーも、この機会にダットサイトデビューを飾ってみるのも良いだろう。
使い易く仕上げた「パトリオットプラス」は、「PLUSシステム」と「MS・Li-Po バッテリー」との相乗効果で、非常に実戦力の高いメインウェポンとなった。
何と言っても、フルオート戦もセミオート戦もセレクターを変えるだけで対応できるストレスフリーさ、電力を気にせず1日遊べる安心感は他には変えられない快適さだ。
予備マガジンがふんだんにあったので、フルオート戦では30連型マガジンに0.2g弾、セミオート戦は20連型マガジンに0.25g弾と使い分けた。それぞれの適正ホップの位置を覚えておけば、すぐに対応できる。アクセサリーが豊富なM4シリーズ製品ならではの使い方を色々考えてみるのも楽しい。
初心者からベテランまで、万人にお勧めできる汎用性・実用性・拡張性を兼ね備えた最強ウェポン!
ARやSMGと比べてもとにかくコンパクトで、取り回しが良いのが「パトリオットプラス」だ。そして高い拡張性と実射性能を合わせ持っている。セミフル両用のメインウェポンとしては勿論、スナイパーやショットガンナーが持てばフルオート戦で火力負けしない最強のサイドアームにもなる実用性も折り紙付きだ。
「パトリオットプラス」の最大の魅力は、「PLUSシステム」と「MS・Li-Po バッテリー」に対応したM4シリーズである点だ。それでいて、新造パーツを多用したことで「M4パトリオットHC」と外観を大きく変えながらも価格を5000円UPに留めた東京マルイの企業努力にも驚かされた。
値上げラッシュでインフレが進む今のご時世に、破格とも言える価格で送り出された「パトリオットプラス」からは、「MS・Li-Po バッテリー」と「PLUSシステム」の利便性と高性能をより多くのユーザーに届けたいという東京マルイの強い信念が感じられる。
セミオート戦用のエアソフトガンを別途購入する必要が高い現在のサバイバルゲームシーンにおいて、これ一挺で全てがまかなえるお値打ちの「パトリオットプラス」は、初心者の最初のエアソフトガンに最適だと断言できる。
そして、従来品のユーザーやベテランゲーマーにとっても、“「MS・Li-Po バッテリー」と「PLUSシステム」による電動ガンスタンダードタイプの真価を知る感動を味わえる”お薦めの逸品だと言えるだろう。