レビュー

「HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II」レビュー【後編】

Zガンダム40周年!巨大な恐怖のモビルアーマーがついにHGキットで戦場に投入!

【HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II】
開発・発売元:BANDAI SPIRITS
発売日:2025年3月22日
価格:11,000円
ジャンル:プラモデル
サイズ:全高約270mm

 今回レビューするのは「HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II」です。TVアニメ『機動戦士Zガンダム』に登場する恐怖のモビルアーマーを1/144スケールで表現、現代のHGフォーマットでより緻密になったディテールやメカフレームの表現をベースに、モビル・フォートレス形態への変形も可能にしたファン待望のキットになっています。

 今キットは大ボリュームのため、記事は前編/後編の2本でお届けしております。前編では「HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II」の頭部・胴体部・腕部で構成される上半身を完成させました。そちらもあわせてご覧いただけるとさらに楽しめると思います。

【「HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II」レビュー後編】
後編では全身を組み上げ、変形までお見せします!

 前編では「HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II」の頭部・胴体部・腕部で構成される上半身を完成させました。さすがの巨大モビルアーマーはパーツも大きく、さらに現在のガンプラHGシリーズフォーマットで設計されたメカフレームと装甲の組み合わせによる緻密なディテールでパーツ数も多くなっていると感じられました。

【徐々に組みあがっていく上半身(前編記事から)】
頭部
胴体部
腕部
組みあがった上半身

 確かに大きくパーツ数も多いので、組み立てが難しいか?と問われればまったくそんなこともなく、ランナーからパーツを切り出してパーツ同士を組み合わせればすいっと吸いつくように組まれていくのはさすがガンプラ!大きいパーツはじんわりと力を込める部分はありますがそれも剛性の高さにもつながりますので問題ありません。

 そして、各部のカラーディテールがパーツ分割によってほぼ再現されているのがうれしいところでした。シールでの再現とはシャープさもパーツ同士の馴染み方もやはり違いますね。この仕様のためとても細かいパーツがありますがそこは注意して組み立てましょう。

 それでは気になる下半身の組み立てを進めていきたいと思います。複雑で変形幅の大きい脚部はそれだけで上半身ほどのサイズとなるようですし、巨体を支える腰部は大きく頑丈であり変形もします。リフレクター・ビットなどの装備もたくさんあって楽しみはまだまだ続きます!

複雑な変形機構を持つ脚部・腰部と装備類を組み立てる!

 この機体の中でも一番大きく形状の変わる変形システムのある脚部を組んでいきましょう。そのため、内部のメカフレームもふんだんに用いられている印象ですが、細かな組み立てはあまりありません。メカフレームはそれぞれが個別のユニットとなっていて、それを装甲に組み込んでいくというHGキットのフォーマットに倣った設計となっています。

【組立:脚部】
まずはソールから組みます。左右同一ですでに片側を組んでありますが大きい!できるかぎり大きなパーツで設計され、カラー再現もばっちりです
ソール裏にはノズルが組み込まれます
カラー再現は大胆なパーツ割りで実現されています
甲のカラー再現は黄色のラインができあがり……
左右も同様に大きくかぶせる形のカラーディテールが組まれます。細かくパーツを分けるより手順が少なくてすみます
足首のメカフレームを組み込んで装甲で挟み込んでいきます
巨体を支えるための巨大なソールが組みあがりました!
続いて脚部本体のメカフレームを組んでいきます。右脚分を組んでいます。中央上が股関節部、中央下が膝関節部、右上が足首部です。
膝関節には写真にある膝下側と後ほど大腿部側に別途メカフレームパーツと組み合わせることで二重関節を構成し、変形時に使われるツメうけなどの仕組みを持っています
足首関節は変形のためにアキレス腱にあたる部分に可動するメカフレームを組みます
股関節部は巨体を支えるべく太い軸と軸受けを採用しており、シンプルな形状と設計で剛性も大丈夫です
メカフレーム組みあがりました
では、脚部本体を組んでいきます。右脚を先に組んでいます。脚部だけで筆者の作業机を占拠してしまいました!
股関節と膝関節を大腿部のメカフレームで挟み込んでいきます。大腿部には脚部の伸縮機構が構成されます
完成した大腿部に装甲を組み付けていきます
大腿部前面には変形時に上方へスライドするパーツが組まれます
脛下部も同様に組み付けていきます。カラーディテールと回転して出現するノズル、足首メカフレームも組み込みます
ノズルはモビルスーツ形態時にはこのように収納されます
脚部外側にあるノズルには内部に黒のディテールカラーのシールを貼ります
ノズルとカバーを組み込んでいきます
ふくらはぎ部にあるスラスターとカバーを組み付けます
膝と脛の装甲は一体成型になっています。膝裏には別途パーツで裏打ちされています
膝部のノズルにもシールでのディテーリングを行います
脚部完成!大きい!
複雑な変形が行われるのに一般的な可動性能は必要十分確保されています。
ソールの接地性能も高いです

 腰部も結構複雑な変形ギミックを持っています。フロントアーマーは上方に移動し、サイドアーマーは下方に移動します。脚部が接続される股関節は巨体を支えるために太く、変形のために左右に広がる構造になっています。詳しくは変形時の説明になりますが、ディテールをなるべく壊さないように変形システムやロック機構が搭載されているので動作を確認しながら組んでいきたいところです。

【組立:腰部】
複雑な変形システムを実現するためとカラーディテールを再現するためにたくさんのパーツ割りになっています
股間のコアフレームを組んでいきます。股関節は左右に広がるための構造になっています
ロック機構を持つパーツを組み込みます
股関節をケースに組み込みます。重要な部分なので太く、剛性も高くなっています
股関節をロック・リリースするための部分にはノズルが組まれます。このノズルを引いてリリース、押し込んでロックとなります
腰部前面のカラーディテールを組んでいきます
この部分は変形時に可動します
前・左右の装甲を組んでいきます。これらは変形時に大きく場所を移動する機構を持っています
サイドアーマーは変形時の可動のため3軸の関節が組み込まれます
その関節を左右から挟み込みますが……
サイドアーマー側の軸は奥まではまらない構造なのでぐいぐい押し込まないように注意!
フロントアーマーには内側にカラーディテールと変形用のアームを組み込みます。このアームで上方へ移動するようになります
フロントアーマー前面にノズルを組み込んで腰部にドッキングさせました
サイドアーマーは胴体部との接続部にドッキングさせます
それを腰部本体にドッキング、フンドシ部上部にロックピンを付けて完成となります
ぱっと見、一般的なモビルスーツの腰部の可動性能ですが複雑な変形機構を持っています!

 この機体のバックパックは形状はシンプルなものの、内部にリフレクター・ビットの収納部を持っています。バックパック本体はスライド可動するようになっています。大きいパーツはランナーのゲートも大きくなりがちですがなるべく隠れて目立たなくなるように設計されているのがうれしいところです。

【組立:バックパック】
シンプルな構造のバックパックです
赤のパーツにはリフレクター・ビットの接続部を組み込みます
その部分にはノズルも収納され、装甲でカバーされます
バックパック本体はスライドする構造になっています

 それでは全身をくみ上げていきましょう。肩や股間部、上半身と下半身など大規模な関節は抜けにくくなるようにツメなどの工夫がしてあります。

【組立:アッセンブル】
脚部は腰部に対して90度後ろにしてドッキングさせ、前方へ回転させます
腰部にリアアーマーを取り付けます
これで下半身が完成です
密度感が楽しいですね!
上半身は下半身に対して90度横を向けて接続し……
回転させて正面を向けます。写真はリア側、バックパックなどの配置です

 各種スタンドは一般販売されているものと同じものです。本体用とリフレクター・ビット他に使うスタンドを組み立てます。

【組立:スタンド】
本体用スタンド
モビル・フォートレス形態が飾れます
ウェポン用スタンド

 装備は大きなシールドを上下2枚組みます。モビルアーマー時には変形してウイング、もしくは安定翼として機能する小さな板状のパーツが回転して展開されます。

【組立:装備(シールド)】
シールドは同じものを2枚とジョイントを組みます。左はシールドを組んだものです
構造は難しくなく、回転軸のメカフレームと板状のパーツを組んでいきます
腕部へのジョイントは多軸構成でシールド同士を連結する機能を持っています
腕部の接続部を開くことでシールドをドッキングできます

 これはうれしい!『機動戦士ガンダムZZ』登場時にZZガンダムに攻撃された際に損壊した頭部を再現できるパーツが一式揃っています。だらりと垂れ下がる動力パイプや片側を失い折れ曲がったアンテナなど劇中再現に貢献します!なお、正常な状態も含めアンテナはもう1セット余るので万一破損してもひとまず安心です。

【組立:頭部(損壊)】
基本的な構成は正常な頭部とほぼ同じです。アンテナは1本になっています
後頭部のノズルは3基残っています
ちょっとわかりにくいのですがマスクは半分ほど失われています。ツインアイも1つになり、パーツとしての形状がつかみにくいですがうまく合えばすいっと吸い込まれるように組まれるガンプラクオリティを実感できます。でも最大限の注意を払って組んでください!
メカフレームにマスクや後頭部などを組んでいきます
頭部右側の損傷はほぼありませんが、動力パイプが見えます
左側は損傷がひどく、内部メカが露出します
ゆがんだアンテナ他を組み込んでいきます
損壊した頭部が完成しました
割れた装甲
組立説明書では「使いません」となっていますが、アンテナ一式が1セットのこります。これはうれしい!

 装備はさらにリフレクター・ビットが用意されます。この装備はサイコミュによって制御されパイロットの感応波によって動作する兵器です。その名が示す通り、敵のビーム攻撃を受け反射させて対象を攻撃することができます。

 この機体の前腕は有線端末となっており上腕とケーブルでつながっています。こちらもサイコミュでコントロールされ、先端のハンドのビーム砲やビーム・ソードでオールレンジ攻撃を可能とし、そのハンドで敵機を掴むこともできます。

【組立:装備(リフレクター・ビット/有線ワイヤー)】
閉じた状態:10基
開いた状態:10基
組み合わせることで途中状態の再現も可能
腕部有線ワイヤーは2本組みます
リード線の先端をカギ爪状にして抜けにくくします
有線ワイヤーが完成