特別企画

東京高田馬場にMTG専門BAR、その名も「飲める屋」オープン!

齋藤代表、寺本店長インタビュー「MTGをプレイしたことが知らない人や復帰勢も大歓迎」

【飲める屋】

6月19日オープン予定

 BAR(バー)は、自分のペースでゆっくりお酒を飲みながら、マスターや常連客などと会話を行なうための店であり、同好の士が集まる場所としての役割も果たしていた。最近は、ゲームバーやeスポーツバーなど、特定の趣味を持つお客に特化したBARも増えている。そうした流れの延長線上として、2018年あたりから東京や大阪といった都市部を中心に次々と誕生しているのが、TCG(トレーディングカードゲーム)を楽しむ客を主なターゲットとしたTCG BARである。世界初のTCGである「マジック・ザ:ギャザリング」(以下MTG)が誕生してから27年が経ち、TCGプレーヤーの多くが大人になり、お酒を飲めるようになったこともその背景として挙げられるだろう。

 そうした中、2020年6月19日、東京高田馬場にMTG専門BAR「飲める屋」がオープンする。高田馬場、飲める屋という名前でピンときたMTGプレーヤーも多いだろうが、全国に11の店舗を構えるMTG専門店「晴れる屋」が、TCG BARの運営に参入したのだ。晴れる屋といえば、MTG専門店の中でも最大手であり、最近では6月6日に大阪にプレイスペース300席の大型店舗「晴れる屋 トーナメントセンター大阪」をオープンするなど、攻勢を続けている。

 ここでは、オープン1週間前という忙しい時期にもかかわらず、飲める屋店内を見せていただいたので、まずは店内の様子を紹介したい。

「飲める屋」はこんなBARだ

 飲める屋は、JR高田馬場駅早稲田口を出て、徒歩1分のところにある。改札を出てガードと交差している早稲田通りを渡ると、さかえ通りと書かれたアーチがある。さかえ通りを70mほど進むと、通りの左側にとんかつ屋「いちよし」がある。飲める屋の入り口はその隣だ。営業時間は平日が午後5時~午前1時、金土祝前日が午後5時~午前5時である。チャージは1時間500円(3時間1,200円、5時間1,500円、5時間を超えると1時間300円)で、プラスワンオーダーが必要だ。なお、オープン直後の3日間(19日~21日)のみ完全予約制となる。予約は店への電話で行える。

【飲める屋への道順】
JR高田馬場駅早稲田口を出て、すぐ左の横断歩道を渡ると、さかえ通りの入り口がある
さかえ通りを70mほど進むと、左側にとんかつ屋「いちよし」がある。その隣が「飲める屋」だ
「飲める屋」は地下1Fにあるので、階段を降りて店に入る
階段の入り口には、営業時間や電話番号などが書かれたポスターが貼られている。営業時間は平日が午後5時~午前1時、金土祝前日が午後5時~午前5時である

 階段を降りて店に入ると、壁に店内ルールが貼られている。そのルールもユニークだ。TCGショップでは、店内撮影やトレードが禁じられている店が多いが、飲める屋は、他のお客の迷惑にならない範囲での店内撮影も可能だし、金銭を伴わないいわゆる“カジュアルトレード”も許可されている。ただし、MTG専門BARなので、MTG以外のTCGやボードゲームなどを遊ぶことはできない。飲食メニューも充実しており、MTGのマナシンボルにちなんだ5色のドリンクやノンアルコールカクテルのほか、パスタやホットサンドなどしっかりした食事メニューも用意されている。

 席数は、カウンター席のほか、4人掛けのテーブルやEDHに最適な円卓など、全部で28席となっているが、テーブルも大きく、テーブルとテーブルの間隔も広めなので、ゆったりとした雰囲気だ。MTGのプレイの邪魔にならないように、ドリンクホルダーをテーブルの横に取り付けられるようになっているのも嬉しい。椅子の座り心地もよく、長居したくなる。大型モニターも用意されており、MTG関連の動画コンテンツなどが流される予定とのことだ。

 MTG関連製品も扱っており、スタンダードのパックやスリーブをはじめ、何が入ってるかわからないドキドキ商品や、貴重な絶版パックなども販売されている。自由に使える土地カードも置かれているので、仕事帰りなどに手ぶらで行っても、パック1つで遊べるパックウォーズやブースターブリッツなどを楽しめる。懐かしい絶版パックを酒の肴に、友人と会話を楽しむのもいいだろう。今後は、初心者体験会やドラフトなど、カジュアルに遊べるイベントが行われる可能性もあるそうだ。また、店をまるごと借り切って、個人主催のイベントをおこなうことも大歓迎とのことだ。分煙も万全であり、奥にドアで隔離された喫煙室が用意されているので、喫煙者も非喫煙者も快適に過ごすことができる。

 飲める屋は、MTG専門BARであるが、もちろんMTGをプレイしたことがないという人でも大歓迎だという。ただし、未成年者だけでの入店はできず、必ず保護者の付き添いが必要となる。飲める屋は、TCG BARとしては後発の部類となるが、その分、TCG BARとして重要な要素をしっかり備えた魅力的な店になっている。

 そこでなぜ今、晴れる屋がMTG専門BAR「飲める屋」をオープンすることになったのか、その狙いや、店のコンセプト、他のTCG BARと比べたときのセールスポイント、今後の展開などについて、晴れる屋代表取締役社長の齋藤友晴氏と飲める屋店長の寺本昌司氏に、いろいろお訊きしてみた。

【飲める屋の店内】
晴れる屋スタッフを客として迎えたプレオープンの様子
店内ルール。店内撮影やカジュアルトレードが認められているのが珍しい
店内の様子。カウンターやEDH用の円卓が見える
反対側には4人がけテーブルがいくつか用意されている
奥には喫煙室がある
カウンターの奥にはさまざまなお酒が並んでいる
カトラリーやドリンクホルダー、メニューの収納棚
大型モニターも用意されている
飲める屋メインスタッフ4名のネームバッジ

TCG BARで過ごした幸福な時間が、飲める屋を作るきっかけに

――まず、MTG専門BARを作ろうと思ったきっかけは何でしょうか?

齋藤氏: 最初はですね、東京に2019年の春ぐらいにTCG BARが相次いで3軒オープンしたんですよね。そのうちの一つが僕の知り合いが強くかかわっているお店で、是非来てみてよと言われたので行ってみたら、笑顔があふれていていいなあと。自分もカードゲーム好きのお酒好きのコミュニケーション好きの人間なので、シンプルにそういうお店っていいなと思ったのがきっかけですね。それで僕らがやるならやっぱりMTG専門かなと、同じTCG BARでも喜ばれるとは思いますが、晴れる屋はMTGと二人三脚的な会社なので、MTG専門のほうがいいだろうなと。

寺本氏: 一番最初の段階では、「他のTCGも扱う?」とか「ボードゲームを入れない?」みたいな話もありました。

齋藤氏: MTG BARという名前だけれど、ラーメン専門店といってもつけ麺を置くか置かないかという感じですね。最初はそういう案もあったけど、結局ピュアにMTGと飲食みたいなお店になりましたね。

――計画としては1年近く前くらいからですか?

齋藤氏: そうですね。2019年の秋にはやりたいと思っていました。MTG BARをやるという気持ちで日本の東京と大阪にあるTCG BARさんに一通りお邪魔して、寺本店長にも声をかけてというのを秋ぐらいにはやっていたので、1年は経ってないですが、1年近くはかかってのオープンになりますね。

――しばらく前にトモハッピー(齋藤友晴氏がやっているYouTubeチャンネル)でもTCG BARに行った話とかTCG BARの店長も一緒に出演した動画などが公開されてましたよね?

齋藤氏: その時はもうやりたいなというより、やろうに近づいていてTCG BARさんにお邪魔して撮るとかTCG BARの店長さんと一緒にコラボして撮る動画を公開してから、その流れで自分の飲める屋もオープンしようと思ったんだけど、思ったより色々時間がかかっちゃいました。新事業をやる大変さと新型コロナウイルスのせいで予定通り進まなくて。

――TC大阪(注:前述したトーナメントセンター大阪のこと)は動画でしか見てませんが、すごいですよね。去年あたりから晴れる屋は攻めの経営をされていると思いますが、その理由は何でしょうか?

齋藤氏: 攻めているように見えますよね。高松店(注:5月14日オープン)、TC大阪、飲める屋って、トントントンってオープンする流れになったので、すごく攻めてるように見えると思いますが、実は今めちゃめちゃ攻めを意識したフェーズというよりは、比較的ニュートラルな時期に計画していたものが、たまたまこのタイミングで重なったんですよ。TC大阪は、ショッピングビルのテナントとしてやらせてもらっていますが、その段取りが普通のテナントよりも時間がかかるので。飲める屋もコロナで伸びて、重なってしまったという要素もありますね。

 後は秋葉店と横浜店だったり、この飲める屋の計画もそうですけど、2019年度上半期に、MTGをやらない人も覚えているんじゃないかなと思うくらいの、灯争大戦というとてもいいセットが出たんですよ。天野喜孝先生が描いたリリアナの絵のCMが山手線の車内などに出たりしてた、あのセットはめちゃめちゃ人気でめちゃめちゃ売れて、当然専門店の弊社もその恩恵に預かり、前期はかなり好調で序盤スタートしたので、ニュートラルといってもその時の良いスコアに引っ張られている感じとか、これを維持したいと言う気持ちで広げていってるというのはありますね。

 ニュートラル状態でも晴れる屋は新しいことをやり続けてMTGを広げ、さらに盛り上げていくという使命を持った会社なので。ニュートラルでも新規事業だったり新店オープンとかはやっていきます。大阪TCも元々は2年前からの予定なんですよね。

――前に大阪店と名古屋店でTC昇格をかけてバトルしていましたよね?

齋藤氏: はい、大阪店と名古屋店でバトルして勝ったほうが、TC化しますというのをやったのはもう2年前だったので、結果、オープン時期がたまたま近寄ってしまった。あとは、年々やっぱりMTGという商材のコミュニティに対して、事業者としては完全にリーダーポジションをやらせてもらっているという気持ちですので、他社と競うのではなくて、MTG市場自体を伸ばして、さらに商売を広げていかなくてはいけないと思っています。そうしないとスタッフの給料も上がらないし、より大きな会社、大きなビジネスになっていかなくなるので、そういう意識はもともとありましたが、それがさらに強くなっています。ポジションがどんどん取れていくに連れて、業界のこと全体を考えて動いていく、そんな時に新しいアクションが出やすいという感じですね。

――最近「令和の虎」にも出られてますよね? それもそういうつながりですか?

齋藤氏: あれもそうですね。自分が外に出て行くことで、MTGも外に出て行ったり、逆に外からいろんな人が入ってくることに繋がればというのが狙いですね。やはり、MTGって世の中とそんなに血が繋がってないんですよね、独立国家みたいなところがあって。その親善大使になりたいなと。まだまだなんですけどちょっと一歩踏み出した感じですね。トモハッピーとしてYouTubeチャンネルを始めたのもそれが理由ですね。

【晴れる屋代表取締役社長の齋藤友晴氏】
晴れる屋代表取締役社長の齋藤友晴氏。YouTuberトモハッピーとしても積極的に活動している

「飲める屋」という店名はすぐに決まった

――「飲める屋」という店名ですが、とてもいいネーミングだと思います。決まるまでには紆余曲折があったのでしょうか?

寺本氏: ちょっとは(笑)。

齋藤氏: 30分×4セットとか。

寺本氏: まあでも、丁寧に行きましたよ。第1号店ですし。

齋藤氏: そんなに選択肢はなかったんですけど やっぱり名前は大事だから。

寺本氏: そうねめちゃめちゃ大事です。

齋藤氏: やはり、何か分かりやすいのがいいと思ったので、晴れる屋がやってるMTG BARだから「飲める屋」って分かりやすいかなと。後は、Webの口コミとか、Twitterとかで書いてもらうときに、MTG BAR「サンクチュアリ」とかだったら、カタカナでもアルファベットでも書くのが面倒だけど、飲める屋だったら漢字で、飲める屋ってみんな気軽に書いてくれるじゃないかなと。

寺本氏: キャッチーなものがやっぱりいいなあと。

齋藤氏: あと、愛称で「める屋」とかね。

寺本氏: そう。お客さんの中で呼びやすいですし。

――そうですね。晴れる屋も「晴れ」とか「れる屋」とか呼ばれたりしてますよね。

寺本氏: それは非常に意識はしましたね。飲める屋という案は結構初期から出ていて、対抗馬もあったんですけど、やっぱり飲める屋が残っていった感じです。

齋藤氏: 最初店名を明かさずに、MTG BARをやりますとだけ発表した時に、もう名前は決まっていたんですよ。でも、そのコメント欄とかを見ると、店名は飲める屋じゃないかという予想が一番多くて、これで間違いはないなと。

寺本氏: 名前が出てない状態で晴れる屋がやるBAR、飲める屋かなって言われちゃうのは何か面白いですよね。

齋藤氏: TwitterとYouTubeのコメントで5件ぐらい見ましたね。

寺本氏はあの「居酒屋ガツン!」の仕掛け人

――寺本さんはもともと、お裾分けなど独自のシステムで話題になった「居酒屋ガツン!」の店長をはじめ、飲食店での経験が豊富ですが、高田馬場にガツン!を移転したあと、ガツン!を閉店して、晴れる屋に入社されました。そのあたりの経緯を教えてください。

寺本氏: はい。高田馬場にガツン!を移転してからは結構短い期間でしたね。

――晴れる屋に入社されたのはいつぐらいですか?

寺本氏: 去年の11月とかですね。

――寺本さんは齋藤さんとは古くからの友人関係だそうですが、齋藤さんから誘われたわけですか?

寺本:はい、高田馬場に移った直後ぐらいじゃないですか。

――寺本さんが以前ガツン!を閉めるときにTwitterで「だいたい見えたから」みたいなこと書かれてましたよね。

寺本:そうですね。ガツン!に関してはもうだいたい見えました。それで、やっぱり僕は新しいことをやりたくなってしまうので、タイミングよく齋藤さんからお声がけいただいたというのがありましたね。

――晴れる屋に入社当初、寺本さんの肩書きとしては広報とか新規事業の責任者みたいに言われてましたよね。

寺本氏: まあ、新規事業までいかないですよね。

齋藤氏: 飲める屋をやるのに入ってほしいという声かけをしました。

――では、最初から寺本さんが店長をやることが決まっていたんですね。

齋藤氏: ただ、ガツン!が高田馬場に移転したときは、まだ寺本さんとやろうという発想はなくて、僕の中ではまだいい店長が見つかったら店をやろうというくらいで。その、寺本さんはが、ガツン!をもっと伸ばしていく、馬場に引っ越してさらに多くの人に喜ばれていくという道もあったので、声をかけたのは移転してから1、2ヶ月後だよね。

寺本氏: そうねえ。

齋藤氏: 寺本さんは、馬場でちょっとやってみて、ガツン!の発展型がどうなるかというのが見えてきた、僕も色んなTCG BARさんに行って、自分でもやりたいだけど1号店だからちゃんとした店長がいないと、 なんか2、3ヶ月とか半年、喜ばれて終わっちゃうかもとか。とりあえず一応聞いてみるかと思ったら、結構すぐ乗り気になってくれて。

――では、ちょうどお二人のタイミングがあったというか。

寺本氏: タイミングですねえ。

齋藤氏: これまでこれ以外で晴れる屋に来ないかって誘ったことはないよね。

寺本氏: ないね。

齋藤氏: 寺本さんは自分で何かやっていくのかなと思ったので。ただMTG BARだったらお互いのやりたいことが噛み合うかなと思って、聞いてみたらとんとんとんみたいな感じで、入社は早かったんだけど店はなかなか進まずみたいな感じで。

――ガツン!ではコミュニケーションを行う場づくりを重視されていたと思いますが、その辺りの経験は飲める屋でも、活かされていくのでしょうか。

寺本氏: 間違いなく活きると思います。結局、晴れる屋が未開拓な領域で、こう事業として形にしていくというところじゃないですかね。そういう僕の能力を生かして。新しい人に来てほしいという気持ちは強いですね。

齋藤氏: 新しい人をカードショップに連れて行きづらいという問題を、飲める屋でクリアしたいと思っています。飲んだり食べたりって、みんな共通で行うことだし、そこにオプションでMTGもというぐらいだったら、初めて来る人も、MTG知らない人も入りやすいかなと思いますので、自然に連れてきて自然にMTGを布教してほしいという気はしますね。

寺本氏: こういうところがあるんだよっていう。

【飲める屋店長の寺本昌司氏】
飲める屋店長の寺本昌司氏。齋藤氏とは古くからの友人であり、MTGプロツアーに出たこともある

山手線の駅から徒歩1分という超好立地がアピールポイント

――TCG BARは、都内にも数軒ありますが、大体はTCGなら何でもOKで、ポケカとかデュエマとかもちろんMTGもやってる店もありますけど、飲める屋は、まずMTG専門というのが差別化ポイントだと思いますが、そういう他のTCG BARと比べた時のアピールポイントは何でしょうか?

寺本氏: 僕はやはり、もともと皆さんが晴れる屋トーナメントセンターというのを知っている中で、そこからさらに新しい人たちが入りやすいというところが、大きなアピールポイントじゃないかなと思ってます。先ほども説明した通り、MTGのゲームをやろうというよりも、こういう場所があってみんなでご飯を食べながらちょっと遊ぼうよっていう、敷居の低さをアピールしたいなと。男性でも女性でも入りやすい雰囲気にしたというのもありますね。

齋藤氏: 他店と比べてそこら辺は意識していると言うか、使命感のあるところだと思います。秀でているところを列挙していく感じでいうと、まず、山手線の高田馬場駅から徒歩1分という好立地ですね。山手線の駅から徒歩1分でいけるTCG BARは他にはないと思います。駅からの近さは一番ですね。他は徒歩5分とか10分とか、駅もまちまちで。TCG BARは、長時間使っていただくことになるので、家賃が高めのところだと成り立ちづらいんですが、飲める屋は家賃は高めですけれど、晴れる屋トーナメントセンターの近くにあるので、より集客しやすいんじゃないかということで、にぎわい前提でやる感じです。

 また、歴代のMTGのデッキを自由に使っていただけるように置いてあります。TCG BARに置いてあるMTGのデッキの種類としてはかなり豊富なんじゃないかなと、デッキは今後も増やしていきます。

――やはり、MTG専門BARは珍しいと思います。だからMTGに関しては他のTCG BARには絶対負けないという感じですよね。

寺本氏: はい、そうですね。

コースターやドリンクホルダーにもこだわりが

――店の中の内装とかテーブルとかそういうこだわりについて教えてください。

寺本氏: まずはこのコースターですよね。これ、Twitterとかでも評判が良かったです。

齋藤氏: コースター用にロゴを組んだんだよね。コースターにした時にしっくりくるようにロゴを組んだらイーピンとかスターバックスとか言われちゃって、まあ確かに似てますね(笑)

 テーブルは、東京のカードショップのテーブルって狭いので、それより広くしました。カウンターとテーブル、EDH用の円卓、本当は4種類や5種類のテーブルを置きたかったんですけど、最初はちょっとスタイリッシュに行くかという感じで、そこは一長一短ですよね。種類を増やすと、色々なテーブルがあっていいなってなる代わりにまとまりがなくなります。

 また、プレイの邪魔にならないように、テーブルの横に取り外し式のドリンクホルダーを取り付けられるようになっています。それから、モックスシリーズやブラックロータスのイラストも飾っています。

【コースターにもこだわった】
飲める屋のコースター。厚みがあるしっかりしたコースターで、飲める屋ロゴがぴったりマッチしている
コースターにドリンクを置いたところ
【ドリンクホルダーを取り付けられる】
着脱できるドリンクホルダーが用意されているのも、嬉しい配慮だ
ドリンクホルダーにドリンクを置けば、プレイの邪魔にならない
【モックスシリーズやブラックロータスのイラスト】
「Mox Pearl」のイラスト
「Mox Sapphire」のイラスト
「Mox Jet」のイラスト
「Mox Emerald」のイラスト
「Mox Ruby」のイラスト
非常に高価なことで知られている「ブラックロータス」のイラスト

――カウンターやテーブル、床などは木の素材を生かしたナチュラルな感じですよね。

寺本氏: リラックスして、落ち着けるような雰囲気にしています。

――全部で何席なのですか?

齋藤氏: 28席です。ただ、オープンから3日間は18席程度で運用します。今の時勢を考えて、あとスタッフもまだ初めてなので皆様に快適な体験をしてもらいたいから、ぎゅうぎゅうづめにはしないで。

――最初は3交代でしたっけ。

寺本氏: はい。それも混み具合とかによって2時間制をお願いするという場合があると言うことなので。

――最初は混みそうですし、また1度入ったお客さんがリピーターとなって友達を連れて来たりとかしますよね。

寺本氏: そうですね。やはりその体験からの口コミとかで、長く愛してもらえるお店環境が良いと思うので、一回来たお客さんがまた新しい方を連れてご来店いただきたいと思っています。

――店内ルールで写真撮影OKって書いてるのもいいですよね。SNSとかでの拡散も狙えますし。料金体系についてはWebサイトで発表されている通りですよね。

寺本氏: そうですね。チャージがあって、それプラスワンオーダーというBARとしては一般的なスタイルですね。

【テーブルや床は木の素材の温かさを活かした仕上げ】
テーブルや床は木の素材の温かさを活かしたナチュラルな仕上げになっている

TCG BARとしては食事メニューも豊富

――飲食メニューの特徴とか一押しメニューなどがありましたら教えてください。

寺本氏: やはりBARなのでドリンクには力を入れたいと思っておりまして、MTGがコンセプトなので、マナシンボルにちなんだ5色のドリンクを用意したり、あとお酒が苦手な方がいらっしゃる可能性もあるのでノンアルコールカクテルも充実させていこうと思っています。

――食事メニューはがっつり食べるというよりはお酒のつまみ的な感じですか?

寺本氏: 一般的なBARでよく出るおつまみに近いものとか、手軽に食べれるものですね。ゲームをされる方が多いと思うので手が汚れにくかったり、食べやすいものにしています。

齋藤氏: でもがっつり食べられるメニューもあるよね。

寺本氏: もちろんあります。

齋藤氏: がっつりといっても、学生が食べる大盛りどんぶりとか定食屋みたいなのではないですが、普通に大人がお腹いっぱいになるようなメニューもあります。具体的には、パスタやホットサンドなどを考えています。今までのTCG BARというイメージからしたら食事メニューは多い方だと思います。ここにずっといてもらって飲み食いもできて、お腹もいっぱいになるという感じです。

――未成年だけでの入店はできないんですよね?

寺本氏: はい、未成年は保護者同伴でという形にお願いしてます。もちろん、こちらの判断で分からないなっていう方は年齢確認をします。

――想定しているお客さんの年齢層はどれくらいですか?

齋藤氏: 幅広い年齢層のお客様にいらっしゃって欲しいですが、 一番多いのは25歳から35歳ぐらいかなと思っています。MTGのボリュームゾーンと近くなるのかなと。

貸し切りでの個人主催イベントも大歓迎

――ここでMTGのイベントをやる予定はありますか?

寺本氏: 一応、店のイベントができるのは午後12時までですが、楽しんでもらうことは可能かなと考えております。

――でもちゃんとした大会に参加したいのならトーナメントセンターに行けばいいですよね?

齋藤氏: がっつり腕を競い合う大会をやる予定はあまりなくて、例えば初心者体験会とかちょっとしたリーグ戦とか、ドラフトイベントとかそういうのはやるかもしれないですね。

イベントを最初からガンガンやるという予定ではないですが、皆さんが集まって遊ばれる際に、「じゃこれ大会にします?」みたいなことはできますね。

寺本氏: ですから、こちら側が主催するというよりも、お客さんが仲間内で例えばドラフトして遊ぼうよっていう場所に飲める家を選んでもらうというのは大歓迎ですね。

――MTGの関連製品はどれくらい扱う予定ですか?

齋藤氏: ここにあるくらいです。これとスタンのパックぐらいです。

寺本氏: スリーブなどのサプライとかもですね。

齋藤氏: カードショップではないので物販はちょっとあるよくらいの感じですね。皆さんがちょっと酒の肴にパックを剥きたいなとか、ドラフトしたいなとか、ドキドキ商品とか、ちょっと開封とかお酒の肴に楽しみたいなとかですね。懐かしの絶版パックなんかも少し置いてますね。昔話に花を咲かせたりとか。

――土地カードも貸してもらえるんですか?

寺本氏: はい、自由に使っていただける土地をご用意しています。

【店内で販売されているMTG関連製品】
店内で販売されているMTG関連製品。ドキドキ商品や絶版パックなども販売されている

齋藤氏: スタッフとの対戦はできませんが、ルールなどでわからないことがあれば教えることはできますので、気軽にご相談ください。

――予約の時に人数が揃えばまるごと貸し切ることもできるんですか?

寺本氏: はい、できます。

齋藤氏: YouTubeの開封大好きよしひろさんが貸し切りでやってくれると言ってました(笑)

――そういう人気YouTuberが誕生会とかやるのもよさそうですね。

寺本氏: イベントに関しては本当にもういつでも大歓迎ですので。

齋藤氏: MTGのイベントをやるんだったらここはうってつけなので、是非ご相談頂きたいですね。

飲める屋のほうが店舗数を増やしやすい

――まだ飲める屋はオープンしたばかりですが、晴れる屋は今全国に11店舗ありますよね。飲める屋もいずれ増やしていく予定はありますでしょうか。

齋藤氏: はい。晴れる屋って結構どんどん増やしてますけど、実は増やしづらいんですよね。カード在庫としてそこそこ大きな金額を置かなきゃいけない、そして直営じゃなきゃいけない。在庫として数千万円必要なので、ビジネスが分散しやすくて、それはそれで無理のないペースで増やして47都道府県出店を目指していますが、飲める屋の方が出店に必要なイニシャルコストが低いので、より商圏が小さい場所にも出店しやすいですし、直営じゃなくて場合によってはパートナーさんと一緒に出店するということも考えられます。日本のMTGを盛り上げるためにこれからも遊ぶ場所を増やしやすいモデルの実験という感じですね。

――最後にHobby Watchの読者にメッセージをお願いします。

寺本氏: Hobby Watchをご覧の皆さんは、MTGをご存じでない方もいらっしゃると思うので、この機会に知ってもらって一回でも遊びに来てもらえたら嬉しいです。

齋藤氏: MTGとかカードゲームに興味がある方がこの記事を見られているのかと思いますので、 やったこと無い方でも手ぶらで来てもらって楽しく飲み食いしたり、MTGの体験をできる店なので、居心地のよい空間を目指していますので。

寺本氏: 15年前とか20年前とか昔MTGをやっていたという方にも来ていただきたいですね。そういう方の話も聞きたいと思います。僕もその時代にマジックをやってましたので。
齋藤氏: もちろん身内だけできて楽しまれる方もいるとは思いますが、店としては一体感があるような場を目指して、カードショップよりももっと暖かいコミュニティにしたいですので、是非お待ちしております。

【齋藤友晴氏と寺本昌司氏】
齋藤友晴氏と寺本昌司氏は十数年来の友人同士であり、息はぴったりだ