特別企画

タミヤのRCカーに挑戦! 世界大会も開催される憧れの「つくばラジコンアリーナ(旧谷田部アリーナ)」で走ってみる!

【つくばラジコンアリーナ】

場所:茨城県つくば市谷田部4385-2

営業日:年中無休(年末年始を除く)

料金:
一般料金男性平日:3,850円
会員料金男性平日:2,640円

 前回は茨城県つくば市谷田部にある世界最大級(4500坪)のラジコンカーによるテーマパーク「つくばラジコンパーク」内にある「つくばラジコンランド」を紹介した。遊びやすいコースや、色々なRCカーを走らせることができるつくばラジコンランドは、RCカーに触れたこともない人もワクワクさせる「ラジコンを走らせる楽しさ」を実感できる。ぜひ訪れて欲しい。

 そして今回紹介するのが、「つくばラジコンパーク」にあるもう1つの施設「つくばラジコンアリーナ」だ。こちらは本格的なRCコース。この場所は、かつて「谷田部アリーナ」と呼ばれた世界中のRCファンの聖地なのである。RCに詳しい人は興奮必至の場所であることに加え、今は初心者から上級者までその技術を高めるRCカーコースとなっている。筆者にとって憧れであったコースで、「TT-02シャーシ NSX」で走ってみた。この感触をレポートしたい。

世界最大級の全天候型RCサーキット「つくばラジコンアリーナ」

ラジコンアリーナ、オンロードスポーツコースを実走!

 では「つくばラジコンアリーナ」について詳しく解説したい。そもそも「つくばラジコンパーク」は、旧谷田部アリーナだった「つくばラジコンアリーナ」と、新設の「つくばラジコンランド」からなる。「つくばラジコンアリーナ」の建物は2階建てで、述べ床面積は2,945㎡。日光東照宮の延床面積2,953.63㎡とほぼ同じだ。そこへドリフトコース3面、オンロードコース2面が設置され、さらに別棟でオフロードコースもある、世界最大級の全天候型RCサーキットである。

案内MAPなどには谷田部アリーナの名前が残っている

 今回は、ツーリングカーの「NSX」なのでオンロードコースを走ってみたい。2つあるオンロードコースはそれぞれ「グランプリコース」、「スポーツコース」と名付けられており、中上級者向けのグランプリコースでは世界選手権なども行なわれる。スポーツコースは初心者向けでだがタミヤの公式レース「タミヤチャレンジカップ」も開催されるコースだ。

 スポーツコースは公式サイトでも「ほどよい速さのマシンにぴったりな小コースです。ラジコンカー入門者の練習にも最適です」と紹介されている。今回はタミヤチャレンジカップ挑戦を目指す意味でもスポーツコースで練習をしてみた。

 スポーツコースは、1本の長い直線と、細かなカーブの組み合わせでレイアウトされている。グランプリコースに比べて小さいサーキットだ。前回お話を聞いた「つくばラジコンパーク」の所長であり、このコースの設計も行なった鈴木浩所長にこのコース構成を語ってもらったが「初心者ドライバーが1番マシンを壊しやすいのが、オーバースピードでコーナーに侵入してしまうこと。そこであえてカーブの連続するテクニカルなレイアウトにして、マシンを壊れにくくしています」とのこと。

オンロードコース。手前がスポーツコース、奥がグランプリコース
オンロードスポーツコース

 比べてみると、スポーツコースは細かいカーブを多く配置し、あまりスピードが出すぎない低速コーナーとなっており、初心者でも走りやすいコースになっている。一方、中上級者向けのグランプリコースは直線でスピードが出やすが、その分コーズに高速で突っ込む設計になっておりスピードコントロールとコーナリング技術が求められる。

 筆者はタムタム大宮店の緩い高速カーブでスピードを出し過ぎてクラッシュしてしまい、フロントサスペンションを数回壊している。スピードが出やすいコースは難しいのである。スポーツコースの速度が出すぎないコース設計は、RCカーを知り尽くしたヨコモと鈴木浩所長だからこその初心者向けレイアウトだと感じた。その上で、グランプリコースに高速コーナーを入れて違ったアプローチをしている。こういった幅を見せているのも、複数のコースを併設できるラジコンアリーナだからこそだろう。

 2つのコースはカーペット路面であることが大きな特徴だ。カーペット路面はタムタム大宮店屋上サーキットの舗装された路面に比べて、タイヤが滑りにくい特性がある。その為、舗装路面用のグリップの良いタイヤを使うと、コーナーで曲がる時に想定以上に鋭く曲がってしまう、いわゆる「巻く」状態になりやすい。

 初めてのカーペット路面だったが、これまで同様の「NSX」に標準装備の「レーシングラジアルタイヤ」のままで走行する事にした。タムタムの屋上サーキットの路面にあっていると感じているレーシングラジアルタイヤは、カーペット路面との相性も良いと言われる。実際走ってみても、巻く様な走り難さは感じなかった。レースやカスタマイズで言われる「セッティングに迷ったら中間」、「ヘタにイジるならノーマル」というセオリーを改めて実感させられた。

カーペットで構成されたサーキット路面
標準装備のレーシングラジアルタイヤの適応力は流石タミヤと言える
ストレートエンドからカーブが連続する

 実際、スポーツコースを走るとかなり走りやすく感じた。コーナでスピードを抑えるという発想はラジコンアリーナに限らず、初心者が他のサーキットを走る場合にオーバースピードを抑えて走るように応用できる考え方だと思う。

 もう1つ初心者向けに嬉しい工夫が、ガードレールが低い木製で、かつ、路面に固定されていない点だ。これにより、多少コースアウトしてぶつかっても、そのまま走り続けられる。ちょっとぶつかっただけではマシンがひっくり返ってしまう事がない。さらにコースのポイントに実車のサーキットの様なランオフエリアが何カ所か設けられている。コースアウトした場合の緩衝地点としつつ、意図的にショートカットしない様に、凸凹になっているのは見逃せないポイントだ。

【タミヤのRCカーに挑戦! 憧れの「つくばラジコンアリーナ」で走る!】
コンパクトな初心者向けコース。コーナーの連続する部分を低速で切り返し、直線はしっかり加速する。メリハリのあるスピードコントロールを求められるコースだ

 直線はスロットルを開けられるが、コーナーの連続する部分は低速で切り返していく必要がある。しっかり減速して部分的に加速する、メリハリのあるスピード調整が難しいが、コースアウトしても動けなくなってしまう事は少ない。ガードレールに乗り上げながらも片輪で走れるてコースに復帰する事も可能で、どんどん走れる楽しさがあった。

 筆者が何度か利用したタムタム大宮店屋上サーキットは、このコースに比べて道幅が広くなっていて、長い直線と、短めの直線、様々な角度のコーナーで構成されている。今回、スポーツコースを走ってみて、コーナーを高速で廻るタムタムのコースが初心者にはやや難しいレイアウトである事に気付かされた。

 また、スポーツコースはコース自体がコンパクトな上、操縦台が低いので車体との距離が近い。マシンの挙動をより細かく見て操縦が可能なのも、初心者には優しい。初心者が走りやすい、愉しく練習できるコースだと感じた。

 ちなみに周回タイムだが、コンパクトなコースだがカーブを低速で廻るので、広いタムタム大宮店屋上サーキットとほぼ同じ25秒ほどで周回している。

 そして途中で、Wさんのツーリングカーと一緒に走らせて頂いた。お話をお伺いすると、オフロード経験者で、今回は完成したばかりのタミヤ製ツーリングカーでオンロードデビューとのこと。

【タミヤのRCカーに挑戦! 「つくばラジコンアリーナ」で他の人と練習してみる】

 「コミカルアバンテ」でツーリングカーに混じって練習していた時は、ツーリングカーとマシンの性能差がかなりあり、一緒に走るという感覚は無かった。今回は、同じツーリングカーという事で、基本性能的には互するスピードがあり、一緒に走っているという感覚が味わえた。とは言え、操縦スキルはWさんが高いためスピードには格段の違いがあり、進路を譲る必要があり、マシン自体の速さゆえ、気を遣って抜かれる大変さもあった。それでもやはり黙々と走るよりは、Wさんを追いかけるという目標がある方がより楽しめたのも事実である。

【一緒に走ったWさんのマシン】
Wさんのマシン、丁寧に仕上げられたライキリボディ
バッテリーなどは社外品が搭載されている
基本はシャーシキットのまま、シェイクダウンしたてで未だ慣れていないとのことだった
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