特別企画

タミヤのRCカーに挑戦! 世界大会も開催される憧れの「つくばラジコンアリーナ(旧谷田部アリーナ)」で走ってみる!

“グリップ剤”を使って攻略する中上級者向け級者向けのグランプリコース

 グランプリコースも紹介しておこう。グランプリコースはスポーツコースよりかなり広く、ストレートをコーナーで繋いで構成された高速サーキットになっている。最大の違いは、タイヤへのグリップ剤の使用が可能となっているところ。グリップ剤はタイヤに塗布する事でグリップが向上するケミカル用品だが、路面への悪影響など難しい面もあるので禁止しているサーキットも多い。筆者が利用しているタムタム大宮店、タミヤグランプリやチャレンジカップでも使用禁止となっている。

ヨコモ グリップ剤用 ボトル 価格605円(税込)。市販のタイヤトラクション剤(グリップ剤)をこのケースに詰め替えることで、タイヤへの塗布を容易にする
PARAGONパラゴンFX-2持続型タイヤグリップ向上剤 3002 価格¥2,270(税込)※輸入品の為、参考価格

使用可能なサーキットでもブランドが指定されている場合も多いので必ず確認して購入、使用のこと。タミヤのレース参加を考えているのであれば、使わない方が良いだろう

 筆者はグリップ剤を使ってグリップ力を増したRCカーの走行を初めて間近で見たのだが、その異次元と言えるスピードに驚かされた。

【つくばラジコンアリーナ 施設紹介】
グランプリコースを走るRCカーのスピードは是非公式動画で確認して欲しい。オンロードグランプリは0分53秒ぐらいから
グランプリコースの電光掲示板
グランプリコースを走る車両のレギュレーション

 今回やはり筆者にとって「つくばラジコンアリーナ」でRCカーを走らせる興奮は特別なものがあった。つくばラジコンアリーナは前身である「谷田部アリーナ」は世界選手権も行なわれる国際サーキットであり、憧れであると同時に、心理的にものすごく敷居の高かったのである。「ヨコモの本格的なRCカーで、限られたドライバーが走る場所」という気持ちが強かった。

 今回、筆者がつくばラジコンアリーナで走ったという筆者の友人のベテランRCカーユーザーに話すと、「あの谷田部アリーナで! タミヤのツーリングカーを?」と、非常に驚かれたのである。もちろん現在のつくばラジコンアリーナではタミヤチャレンジカップも行なわれているのだから、コースで練習するのは当たり前なのだが、やはりRCファンには特別な想いを感じられる場所なのだ、ということだけは、強調しておきたい。

バッテリーのコネクターが微量ながら抵抗になるため、谷田部アリーナ時代はピットで充電したバラバラのセルをハンダ付けして車体に搭載するのが当たり前だったという。極めてコアな場所だったのだ
現在のつくばラジコンアリーナは初心者から上級者まで誰もが気軽に走れる場所となっている。"歴史"を調べるとここで走らせる楽しさが何倍にもなるだろう

初心者、家族連れでも安心! ラジコンアリーナ施設紹介

 この機会に、もう少ししっかりとつくばラジコンアリーナの各施設を写真で紹介していこう。なお、ラジコンアリーナは12月1日現在、オンロードグランプリコースがこれまでのオフロードコース棟(延床面積:605.88㎡)に移設されるなど全面リニューアル工事中。新コースの営業開始などは公式サイトにて要確認だ。

かつての谷田部アリーナの名残も各所に見られるのはベテランユーザーには嬉しいとこ
入館すると右手に「プロショップ」があり、真っ直ぐ進むと、複数のコースが併設された世界最大級の全天候型サーキットとなっている
プロショップではタミヤなど各社の製品、パーツを取り扱っているので、走行中に発生した不具合への対応も可能だ
当然ながらヨコモ製品の品揃えは万全
トミカなど、ラジコンはまだ早い小さなお子さん向けの品揃えも充実していて家族連れで来場するのにも最適
TV番組のロケなどでも度々使われ、訪れた有名人、タレントさんの色紙が多数飾られている。こちらは野球ファンにはラジコン通としてお馴染み、名球会の山本昌投手
こちらは、2輪の最高峰「MOTO GP」で年間王者にも輝いた「レプソルホンダ」所属時のケーシー・ストーナー選手
2階にはイートインスペースがある。この日は残念ながらお休みだった
1階でカップラーメンなどが販売されているのでイートインスペースがお休みでも安心
初心者の練習に最適だった2階のドリフトPタイルコース。12月1日現在はリニューアル作業中
広大なラジコンアリーナは大きく2区画にわかれていて入り口側はドリフトコースエリアとなっている
ドリフトコースを2階から見たところ
どう生まれ変わるか楽しみ

「初心者優先」が重要視される現在のRCサーキット

 現在のRCサーキットは、「初心者優先」が強調されている。練習を行なう場合、初心者を快く迎えてくれる。この日ご一緒させていただいたWさんとは色々お話もお伺いして楽しく走ることができた。また、タムタム大宮店屋上サーキットやタミヤ掛川サーキットでも、超初心者の筆者に皆さん優しく接してくださった。RC愛好者同志、軽く会釈したり最初と最後に挨拶する程度で、お互い楽しく走れる筈だ。速い人は思いやりをもって遅い車をパスする、初心者も速やかに譲った方がプレッシャーなしに走れると思う。

 もちろん「サーキットでは速さが正義」というのもまた真実だ。例えばレースの場合は、明らかに遅い車両には道を譲るように「ブルーフラッグ」が振られ、無視して走り続ければ失格になる。

 かつて都心にあったサーキットでは、常連の上級者が遅いマシンに対して意図的に接触し、物理的にどかして走ることが常態化、新しいユーザーが全く走らなくなった結果、閉鎖されてしまったという噂を聞いたこともあるが、筆者の経験では今のサーキットは違う。メーカーやサーキットの運営の皆さんや多くの良心的なRCユーザーの努力で、現在RCカーの環境が初心者にも優しいものになっている。

 初心者が世界選手権の行なわれるサーキットのコースで走れるというのは、RCカーならではの事でもある。つくばラジコンアリーナではRCカーをレンタルすることもできる。是非、初心者にも優しくなったつくばラジコンアリーナを楽しんでほしい。