特別企画
超絶技巧のレゴ作品が秋葉原に大集結した「AKIBA BRICK CREATIONS」をレポート
オリジナルロボや宇宙船はもちろん、各ジャンルのトップレベルビルダーが大集結!
2022年12月16日 00:00
- 【AKIBA BRICK CREATIONS(ABC)】
- 11月20日開催
- 会場:アーツ千代田 3331
「AKIBA BRICK CREATIONS(ABC)」とは、11月20日に秋葉原エリアにある「アーツ千代田 3331」で開催されたレゴブロックの作品展示会。実は、この展示会は筆者ことHOBBY Watchの"レゴブロック担当"である「さいとうよしかず」が所属する、レゴユーザーグループ「JP-LUG SAKURA(以降サクラグ)」が仕掛けたイベントだ。
そこで今回は来場できなかった方のために展示作品の一部をご紹介したいと思う。レゴファンコミュニティの最高峰レベルのアマチュアビルダーが揃った祭典を、ご覧あれ!
来場者にレゴブロックの可能性を感じてもらうイベント
今回のイベントは、サクラグの仲間たちの協力を得て実現したものだが、イベントコンセプトは僕のほうで一括して考案した。コンセプトの第一目標としては、「来場者にレゴブロックの可能性を感じてもらう」ことだ。
基本的に、日本国内で開催されるレゴブロックのイベントは、主催者が会場を押さえ、そこに参加したい人を「自由募集」するスタイルである。だから、参加者は「自分の作品を来場者に見せたい」人がメインとなる。だが、自分でイベントをやるなら、「見せる」イベントではなく「魅せる」イベントにしたかった。そのため、参加者を募集するのではなく、基本的にはこちらからすべてお声がけさせていただいた。
もちろん、通常のイベントスタイルが悪いわけではない。オリジナルモデルと作り始めた人の発表場や交流の場になる。ただ、このスタイルは「来場者ファースト」でないため、オリジナルロボットや再現ロボットが大半を占めてしまう可能性もある。レゴロボ好きとしては、これはこれで満足なのだが、来場者の全てがロボ好きでない以上、自分が仕切るイベントは少しコントロールして、同じようなジャンルの作品が並ばないようにしたいなと考えた。
特に今回は、秋葉原エリアということもあり、会場のレンタル費が高い=入場料をいただく必要があるイベントだ。だから、わざわざお金を払って見に来てくれるお客さんに、何かひとつでも感じてもらいたいと考えた。それが、冒頭に書いた、「レゴブロックの可能性を感じてもらう」ことだ。
だから、基本的に「同じジャンルの作家」は呼ばないようにした。そもそもサクラグのメインカテゴリが「メカ」ということもあったので少々難しいところはあったが、呼んだとしても切り口を変えている。例えば「オリジナルロボ」と「オリジナル可変ロボ」との違いなどだ。不幸中の幸いとして、会場自体の狭さもあり、結果的にはちょうどいい展示量に収まった。
なお、メカ専門という展示だったが、今回は以前「PIECE OF PEACE 『レゴブロック』で作った世界遺産展 PART-4」で制作した、ノートルダム大聖堂のファサード部分を再現して展示した。入場手続きや、入場制限によって入り口で待つときの「退屈しのぎ」に置いたのだが、かなり評判がよかったようだ。ジャンル違いを心配していたが、ほかのイベントを見に来たお客さんもの興味をひけた見たいだし、まあよかったかなと思う。
テーマ展示は「SF」カラー
会場内のメインステージには、レグブロックの人気シリーズ「クラシックスペース」をテーマにした合同展示と、レゴブロックでSF映画やアニメの世界を再現したモデルの合同展示が行われた。
「クラシックスペース」は、今年「銀河探検隊」という商品が発売されたこともあり、これまでなじみの薄かったレゴファンにも好評だった。特に、展示テーブルを周回する「モノレール」は子どもだけでなく、大人の目も釘付けだ。
とにかく、テレビ番組が「食べ物、子ども、動物」がウケるのと同様に、レゴのイベントは「動くもの」がウケる。なので、鉄道系のイベントなどは、大人気だ。ほかも、小型ポッドから大型戦艦、宇宙基地、ロボットなど、「クラシックスペース」をテーマモデルにした作品が30以上展示された。なお、「クラシックスペース」について知りたい方には、紹介動画へのリンクを用意したので、そちらを見てほしい。
次に、映画やアニメなどに登場するSF系モデルの再現卓を紹介しよう。こちらは、映画では映画「ブレードランナー」のポリススピナー(KABA)や「ゴジラ」シリーズに出てくるメーサー車(H2O)など。また、アニメからは、「機動戦士ガンダム」シリーズのような定番はもちろん、「太陽の牙ダグラム」からダグラム(ケルアック)なども展示した。
再現モデルというのは、オリジナルモデルに比べて「わかりやすい」特徴があり、展示会では大人気だ。いつもなら、どこまで再現できているか……という部分が注目されがちだが、今回のアマチュアビルダーにはそんなスキはない。ひと目みて「※※ですよね?」とわかる作品だったであろう。
個人卓には各ジャンルのトップビルダーが大集結!
個人卓では、各ジャンルのテーマに沿った作品が展示され、来場者の注目を集めていた。ジャンルと展示者の名前を挙げると、「スチームパンク(さいとう)」、「クラシックカー(zattchi)」、「ロボダッチ(ayucow)」、「飛行機(SIGEZO)」、「オリジナルロボ(zizy)」、「ゾイド風レゴ(キシイーヌ)」、「1/1レゴの武具(ドクターペイさん)」「軍艦(隼)」、「スーパーマリオネーションの世界(藤田)」、「トレイン(松原)」「ミリタリー(Col.Fumi )」、「変形ロボ(DSK3)」、「機械生命体(にかいどう)」といった面々である。
特に今回は関東在住のアマチュアビルダーだけではなく、北は北海道や南は神戸からの遠征組も多く、通常のレゴ展示イベントでは見ることのできない作品を展示し、制作者との交流も持てるように配慮した。コロナ禍という状況があり、入場制限なども問題はあったが、来場者には楽しんでいただけたと思う。
ABCはぜひ来年も実施したい
今回は、サクラグで開催する始めてのレゴイベントだったにもかかわらず、集客面でも、まさかの150人オーバーで、いつもなら仮に失敗しても「成功だったね」などと言うところだが、本当に「大成功だった」と思う。
なお、この成功の影には、一緒にフライヤーを作ってくれたり、フライヤーの置き場を探してくれたり、SNSで発信してくれたり、メンバーができることを最大限、力添えしてくれたことだと感謝している。みなさんも、もし自分の趣味のイベントをやるなら、自分だけでなく「仲間」の力を借りて実現すると良いだろう。
「このご時世」という言葉を頻繁に耳にするようになったが、こういうリアルなイベントはやはり続けていきたい。残念なことに今回利用したアーツ千代田さんは、来年改装予定なので同じ場所での展示は難しいが、何か別の場所を探して実現したいと思う。最後に、来場者や参加者に「ありがとう!」そして「ありがとう!」。