特別企画
「タミヤ 1/35 タイガーI 極初期生産型(アフリカ仕様)」をガイアカラーで全塗装
初心者にオススメ 「ガイアノーツ イージーペインター」を使用した塗装方法を紹介
2024年5月8日 00:00
- 【EP-01 イージーペインター】
- 発売元:ガイアノーツ
- 価格:1,650円
戦車や飛行機といったスケールモデルは色分けが行われていないキットがほとんどであり、エアブラシを所有していない方には敷居が高く感じるかもしれません。ガイアノーツより発売されている「EP-01 イージーペインター」を使用することで簡単にスプレー塗装ができます。
今回は、タミヤから発売中の戦車プラモデル「1/35 タイガーI 極初期生産型(アフリカ仕様)」(1998年5月発売、価格:4,400円)を使用して「EP-01 イージーペインター」の実力を紹介します。「イージーペインター」と筆塗りをメインに、エアブラシ不使用で設定どおりの配色で全塗装し、ウェザリングまで行ないます。
ガイアノーツの簡単スプレー塗装ツール「EP-01 イージーペインター」
今回主役となる「EP-01 イージーペインター」を発売しているガイアノーツは、ラッカー系塗料を中心とした塗料を始め、エナメル塗料や塗装にまつわる様々なツールを発売しています。ラッカー系塗料やエナメル塗料となるガイアカラーシリーズには様々なアニメに登場するキャラクターの設定色を再現したシリーズがあり、簡単に設定色を表現できる塗料となっています。
今回の作例にて使用する「EP-01 イージーペインター」は、ガイアノーツより発売されている塗装ツールです。希釈した塗料を専用ボトルに充填することで簡単にスプレー塗装を行なうことが出来ます。専用ボトルにはキャップが付属しているので塗装完了後にそのまま塗料を保管することも可能です。
「イージーペインター」を使用して「タミヤ 1/35 タイガーI 極初期生産型(アフリカ仕様)」を全塗装
それでは「イージーペインター」を使用してキットを塗装していきましょう。今回はエアブラシを使用せず、基本塗装は「イージーペインター」を使用し、部分塗装やウェザリングを筆塗によって行ないます。
「タミヤ 1/35 タイガーI 極初期生産型(アフリカ仕様)」には特に改造等は行なわず、キットの素の状態で組み立てました。ここから、塗装によって様々な表現を行ないます。
金属パーツの塗装下地として「P-01a ガイアマルチプライマーアドバンス」を塗布
塗装作業に入る際の第1歩として、金属パーツへの下地処理をします。金属パーツは塗料の食いつきが悪く、下地処理を行なわないと塗膜が剥離してしまうリスクが発生します。そのための塗装下地として「P-01a ガイアマルチプライマーアドバンス」を塗布しました。「P-01a ガイアマルチプライマーアドバンス」により、金属パーツへの塗料の食いつきを向上させ、塗膜の剥離を防止する効果が期待できます。また、今回の作例では金属パーツへの塗装下地として使用しましたが、レジンキットの塗装下地としても「P-01a ガイアマルチプライマーアドバンス」の塗布は有効な手段となります。
「P-01a ガイアマルチプライマーアドバンス」の塗布も「EP-01 イージーペインター」を使用して行ないます。「P-01a ガイアマルチプライマーアドバンス」は希釈不要でそのまま噴霧することが可能なため、ボトルから直接イージーペインターのボトルに充填して噴霧できます。
細かいヤスリ傷を埋め、塗料の食いつきを向上させるサーフェイサー
金属パーツの下地処理が完了したらパーツ成型の際に発生した細かい傷の処理と、パーティングラインの処理忘れを見つけるためにサーフェイサーを塗布していきます。今回は「GS-01 サーフェイサーエヴォ」を使用しました。「GS-01 サーフェイサーエヴォ」はグレータイプのサーフェイサーとなっており、塗布後の傷の視認性も良く、筆者も普段のプラモデル制作において最も使用頻度の高いサーフェイサーです。また、ガイアノーツの販売するサーフェイサーエヴォシリーズはカラーバリエーションも豊富で混色することでそのまま仕上げ色としても利用可能なポテンシャルがあると思います。
専用塗料を使用することで調色の手間が必要ないミリタリーカラーシリーズ
仕上げ色の塗装はマスキングの手間を考慮し、履帯や転輪のゴム部分の配色となるブラック部分の塗装から行なっていきます。ブラック部分の塗装には「075 ニュートラルグレーV」を使用して塗装を行ないます。
「075 ニュートラルグレーV」の塗装が完了したら、本体色となるダークイエローを塗装していきます。塗料はミリタリーカラーシリーズから「201 ダークイエロー1(ドゥンケルゲルプ1)」を選択しました。この塗料はドイツの標準カラーチャートにて当時存在した戦車色で、ガイアノーツが当時のカラーチップを基に忠実に再現したカラーとなっています。
筆塗で細かい部分の塗分け
仕上げ色の塗装が完了したらOVM等の部分塗装に入ります。今回の作例では機銃部分を「020 ガンメタル」、OVMの金属部分を「1002 ダークステンレスシルバー」、OVMの木材部分を「CB-20 マホガニー」、ペリスコープのレンズ部分を「4ARTIST MARKER シルバー 2mm」を使用して塗装します。
また、「4ARTIST MARKER シルバー 2mm」を使用した部分塗装はそのままのマーカーでは細かい塗装が困難なため、一度塗料皿に出した塗料を爪楊枝にて塗布していきました。
デカール貼り付け前に一度クリアーを塗布し、シルバリング防止
部分塗装が完了したらデカールの貼り付けです。そのまま、水転写デカールを貼り付けても良いのですが、仕上げ色に使用したダークイエローは半光沢塗料のため、直接貼り付けるとシルバリング(デカールと塗膜の間に空気が入り白化する現象)を起こす可能性があります。シルバリング防止の保険として、デカール貼り付け部に一度クリアーを塗布して表面をなだらかにしておきます。塗料は「Ex-03 Ex-クリアー」を使用しました。
デカールが乾燥したらつや消しコートを行ない基本塗装は完了です。ここからはウェザリングを行ない、キットに深みを与えていきましょう。
色数を増やしてキットに深みを与えるウェザリング
まずはウェザリング前のタイガーⅠを見てみましょう。ウェザリング前のタイガーⅠは設定どおりの配色にはなっているもののどこか物足りなさを感じてしまいます。
ウェザリングの一色目として全体の色味の変更とスミ入れを兼用し、「NE-002 シャドウブラウン」を使用してウォッシングを行ないます。希釈した「NE-002 シャドウブラウン」を全体に薄く塗布し、キムワイプなどにエナメル溶剤を含ませ、拭き取ることでなじませます。
「NE-002 シャドウブラウン」によるウォッシングが完了したら、次は「GE-55 埃(ほこり)」を使用して更に汚していきます。方法は先ほどの「NE-002 シャドウブラウン」と同様ですが、埃が溜まる場所を意識してスポット的に色を乗せます。
「GE-55 埃(ほこり)」によるウォッシングが完了した後は、サビの描き込みです。塗料は「GE-51 赤サビ」と「GE-52 黄サビ」を使用しました。最初に「GE-51 赤サビ」を使用してサビを入れる箇所を面相筆で塗ります。描き込む際は均一にならないようにランダムパターンを意識しています。
サビ色は一色では単調なので2色目のサビ色として「GE-52 黄サビ」を使用して色数を足します。「GE-52 黄サビ」は先ほど描き込んだ赤サビに添えるように描き込みます。
サビの描き込みが完了したら、最後の仕上げとして地金の露出を表現していきます。先ほど描き込んだサビの一部に「4ARTIST MARKER シルバー 2mm」を面相筆に少量乗せていきます。
サビの表現が完了したら、次のウェザリングは「GE-54 オイル」を使用してオイルだまりを表現していきます。希釈した「GE-54 オイル」をワイヤーやヒンジ部などオイルが溜まる個所に流し込みます。
次でウェザリングは最後となります。戦車の履帯は地面と接する部分は削られ、独特の金属光沢が発生します。この金属光沢の再現には鉛筆を使用します。鉛筆の芯をサンドペーパー上で削り、黒鉛の粉を作成します。この粉を指で履帯の外周にこすりつけ、金属光沢を表現します。
これにてウェザリング作業も全て完了です。各パーツを組み上げて完成したタイガーⅠを見てみましょう。
エアブラシ不使用、「ガイアノーツ EP-01 イージーペインター」と筆塗にて仕上げたタイガーⅠ
「イージーペインター」と筆塗りをメインに、エアブラシ不使用で「1/35 タイガーI 極初期生産型(アフリカ仕様)」を仕上げました。まずはキットの塗装前後を前後側面から見てみましょう。
塗装前ではどうしてもプラスチックの質感が前面に出てしまっていましたが塗装により重量感や戦車としての威圧感が増しました。ここからはポージングをつけた状態と各部のアップを見ていきます。
いかがでしょうか。今回は「EP-01 イージーペインター」を使用してスケールモデルの塗装を行ないました。イージーペインターでの塗装は手軽に好きな塗料をスプレー塗装できるので、エアブラシ塗装の入門編としては十分な性能を有していると思います。しかし、一度に長時間作業を行なうとガス缶が冷えてしまい、十分な噴射圧力を得られないため、注意が必要です。また、今回の作例では3本のガス缶を消費したため、イージーペインターを使用して塗装を行なう際は「EP-02 スペアカートリッジ」を用意しておいた方がよいかと思います。
筆者は塗装ブースといった設備を保有しているので、今回はそちらを使用して塗装を行ないました。塗装ブースがない方でも段ボール箱にクシャクシャにした新聞紙を詰めるなどして簡易塗装ブースを制作してやれば風通しの良い室内でも塗装可能です。これまで、エアブラシの導入が難しいと思っていた方でも簡単にスプレー塗装に挑戦できると思います。この記事をきっかけにスプレー塗装に挑戦してみてはいかがでしょうか。
工程 | 使用塗料 |
金属用下地 | P-01a ガイアマルチプライマーアドバンス |
下地 | GS-01 サーフェイサーエヴォ |
上塗り(履帯等) | 075 ニュートラルグレーV |
上塗り(車体) | 201 ダークイエロー1(ドゥンケルゲルプ1) |
部分塗装 | 020 ガンメタル |
部分塗装 | 1002 ダークステンレスシルバー |
部分塗装 | CB-20 マホガニー |
部分塗装 | 4ARTIST MARKER シルバー 2mm |
デカール下地 | Ex-03 Ex-クリアー |
トップコート | Ex-04 Ex-フラットクリアー |
ウェザリング | NE-002 シャドウブラウン |
ウェザリング | GE-55 埃(ほこり) |
ウェザリング | GE-51 赤サビ |
ウェザリング | GE-52 黄サビ |
ウェザリング | 4ARTIST MARKER シルバー 2mm |
ウェザリング | GE-54 オイル |
ウェザリング | 鉛筆 |
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