レビュー

「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」レビュー【前編】

腰部はリフトアップやアーマーの前後可動など新機構が目白押し!

 腰部は1/60スケールという大きさを活かして新しい機構を取り入れています。前後を開くことによって中央部がリフトアップする機構や、MSFを用いた腰部アーマー基部の前後可動を実現するなど意欲的な構造になっています。全てが組み上がったらどういうポージングができるか楽しみですね。

 アーマー基部のMSFパーツの取り扱いには要注意です。ランナーから切り出して所定の位置にまで折り曲げる必要がありますがその際は回転部を指でしっかり押さえてゆっくり曲げていきましょう。他の構成パーツは単体で見ると何がどう作用するかわかりにくいですよね。組んでみて前後を開くと中央部が持ち上がります。いったんパーツを分解してその構造をよく観察してみると力点と作用点が見つかって”そうか!”と思わずうなってしまいます。

【腰部:本体】
リフトアップと腰部アーマーの可動性能がわかるでしょうか

ボディ部を組み立てる!ここは複雑な構造を持っていて作りごたえ満点

 ボディ部はその部位内にコアブロックを内蔵する構造であり、腕部・頭部・腰部と脚部、ランドセルが接続されるまさにコアとなる部位になります。そのため構造としてはこのキットの中でも複雑になっていますが、トリッキーな組付けはなく難易度はそれほど高くはありません。

【ボディ部:本体】
クリアーパーツは電飾ユニットからの導光パーツです。完成したらどのように光るのか楽しみですね。肩部は前後へのスイング機構、上方への跳ね上げ機構をもっています。HGやMGクラスとは違う構造は見所満載ですね
【ボディ部:首部】
首の根元にシールを”裏貼り”します。これは導光された光を漏らさないのと、反射させるためだと思われます
【ボディ部:コアブロック】
これまでのコアファイターより、少々小さくアレンジされているようです。対比によって中のアムロ・レイが大きくも見えます。スコープが立体化されているのとコントロール・スティックが縦持ちのようです
【ボディ部:完成】
ボディ部はコアブロックを内蔵できるにもかかわらず前後左右に可動させられます。これも数多くのパーツが連動して動きます。そして段々と積み上がっていく様子を見ていると開発者のテム・レイになったような気持ちです

腕部を組み立てます。MSFは細かい部分の可動に注意!

 MSFは伸びている状態なのを細い関節で接続されている部分で折りたたむ必要があります。ここは本当に細いので細心の注意を払って作業しましう。この作業を超えてフレーム外装で固定できれば安心して肘関節を曲げられます。腕部本体にもシリンダー状のパーツが再現されていて”機械”としてのモビルスーツを演出していてかっこいいですね。

 そして特筆すべきはやはりシールドを接続するための金属パーツになるでしょう。マグネット本体はシールド側になりますから、両腕にはそれを受けるお皿のような形状の金属パーツを埋め込んでいきますが、フレームの形状・構造的には単純にマグネットのみで支えることになりそうです。

【腕部部:本体】
脚部同様、MSFにパーツを組み付けていけばすぐに組み上がってしまいます。お皿に見えるパーツがシールド接続用の金属パーツです。ガンプラにこの機構が標準搭載されるのはうれしいですね

 今回の「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」の詳細が発表されたときに話題に上ったのが”可動指ではなさそう”ということでした。今回のPGの目指すところは「簡単組み立て」で「プロポーションが素晴らしく」、「ポージングが取りやすく」、「遊びやすい」ことだと聞いていました。

 可動する指だとポロリやグニャリ、ライフルやサーベルは落ちやすくなるなど実はイライラポイントでもあったところでもありますので、そこからの解放にもつながるのですね。筆者個人的には可動指はガンプラの技術革新の最たるものの象徴でもあり、横浜の”動く実物大ガンダム”でのその表現力の高さは感動ものでもあるので今後オプションパーツとして別売というのも期待したいと思います。

【腕部部:ハンド】
大胆な構造に驚きました。メッキでハンド全体を構成し、カバーのように上下から挟み込みます。隙間から見えるメッキのアクセントがかっこいいんですが、カバーパーツの割り方がモナカチックで合わせ目が目立つのが残念な部分でしょうか
【腕部部:完成】
ここまでくると1/60スケールという大きさもあって一気に迫力がでてきますね。手足が末端肥大していて”カッコイイ巨大ロボット”感が楽しいです。しかしながら親指の合わせ目がやっぱり残念……割り方を変えたカバーパーツでもよいかもしれません