レビュー

ガンプラ「RG 1/144 ジオング」レビュー

胸部と腹部を組み立てる。可動性能と連動機構に驚く

 発表されていたポージングからとんでもない可動ができることは伝わっていたので、その構造がどういったものになるのかとても興味深く思っていました。その可動性能は胸部・腹部と腰部を合わせて実現されています。まずは胸部・腹部を見ていきましょう。パーツ数的には少ないのですが、胸部と腹部の大きいパーツ同士で噛み合わせるのと、大きい支柱のようなパーツ(写真下・中央)でつなぐことで高い剛性を獲得しています。大型モビルスーツならではの構造ですね。

【胸部・腹部】
この支柱パーツはつなぐだけでなく、後程連動機構にも作用することになります

 腰部との接続には2軸の関節をもつこれまた大き目なパーツを組み込みます。大きい前屈ができるようになるパーツですので後方へ折りたたむことになります。そして外装を貼り付けていきますが、RGならではの細かい色分けがされたパーツ分割になっていて組み付けもカッチリ決まって気持ちいいです。

【胸部・腹部】
18m級モビルスーツのRGの細かい外装パーツは正直ポロリが多いのも事実ですが、こういった大型の機体であればその心配もありません

 胸部最大の目玉である両脇のバーニアを組み立てていきます。このセクション冒頭での支柱パーツが可動することで前屈するとボディ後部、のけぞるとボディ前部のそれぞれ2つずつのバーニアが外側に開き、ノズルが展開するように動きます。支柱パーツだけではどういう機能を持っているのかわからなかったので、この胸部バーニアを組み付けていくことでその構造が理解できました。構造がわかると楽しくなってきてしばらくカシャカシャ動かしてしまいます。背筋をまっすぐ伸ばした状態では全てのバーニアは手で自由に展開させることもできます。

【胸部バーニア】
最初の写真は4つのバーニアそれぞれで組み立て順(状況)を示していて、ボディを中心にして右下、右上、左下、左上の順で置いています。組立説明書では少々わかりにくかったので参考になれば幸いです
【胸部バーニア】
バーニアが大きく展開する様子がわかるかと思います。肩関節も引き出し式となっていてこちらも大きな可動範囲を持っています

腰部を組み立てる。装甲面の抑揚と中に収まるバーニア郡とのコントラストに魅了される

 ジオングの腰部は巨大なフレアーで構成されていてその中には2基の巨大なメイン・バーニアと5基のサブ・バーニアが収まっています。基本的に宇宙用として開発されたとされる機体ですから納得の構造で相当な推力があるように見えます。地球上、重力下での運用のために脚部も設計されていたようですが実現することはなく、そのままの姿で投入されることになりました。

 まずは基礎となる部わから組み立てていきます。重力下仕様のことも考慮された腰部は通常のモビルスーツと同様の構造となっていて基部から左右に股関節がありそこへ接続する形となります。股関節は左右独立で上下へのスイング機構を備えています。大型の機体ですので各パーツが大きく、剛性もたっぷりありますし可動も太い軸が使えるため範囲も強度も問題なさそうです。

【腰部:基部】
基部の後部のシリンダー状の部分にはケーブルが接続されて油圧か電動のようなデイテールがあります。他にもスプリングやパイプ類のモールドもあり、マシーンとしてのリアリティが増しています

 メイン・バーニアを組み立てていきます。ここで赤いリード線が登場しました。2基の大きなメイン・バーニアの内周に這わせることで異素材感をまとうことができます。組み上げるとほとんど見えなくなってしまうのが残念ですが、異素材感が素晴らしい効果をもたらします。こういったこだわりは組み立てた者にしかわからない部分でもあり、プラモデルを組み立ててよかったと思える瞬間ですね。

【腰部:メイン・バーニア部】
バーニア内周の赤いリード線がカッコイイですね!こういうこだわり大好きです
【腰部:メイン・バーニア部】
外装の組み付けもぴったりあって気持ちがいいです。スカート部には多層構造を示すモールドも付けられています

 サブ・バーニアを組み立てていきます。2基のメイン・バーニアに対して小さなサブ・バーニアではありますが、5基も集まれば大迫力です。内部の赤いパーツがあることでノズルとしての説得力が増している感じです。サブ・バーニアと本体との接続部はボールジョイントではありませんので可動する方向をしっかり確認しておく方がよいです。

【腰部:サブ・バーニア部】
外装を取り付けてみるとその曲面が微妙なRで構成されていて一瞬では読み切れないほどです。この機体下部のメカ部はメタリックカラーで塗装すればとても雰囲気がよくなるのではないでしょうか

 トラスフレームに外装を取り付けていきます。各アーマーは大きく可動してバーニアの可動域を拡大しています。腰部は前後に分割される形で設計されていますがこれはなにかの発展性を考えてのことなのでしょうか。それはパーフェクト・ジオングなのか、ケンタウロス的な4脚のユニットもありえるのか……この構造にはいろいろと妄想が膨らんでしまいますね。

【腰部:完成】
完成した腰部はそれだけでとてつもない存在感を示します。なんだか甲殻類をも思わせてくれますね。凶暴なジオングにハートマークがありました
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