レビュー

ガンプラ「RG 1/144 ジオング」レビュー

これまでのジオング像を書き換える圧倒的なディテールと可動

【RG 1/144 ジオング】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:1月23日

価格:6,050円(税込)

ジャンル:ガンプラ

 今回レビューするのは「RG 1/144 ジオング」です。2020年8月にガンプラ化決定の第一報があり、同年11月の「GUNPLA EXPO TOKYO 2020 feat.G-conference」で先行販売されたこのキットですが、本発売の2021年1月23日でも各販売店で完売となるなどその注目度がとても高いキットとなっています。

 この「RG 1/144 ジオング」にはもうひとつ、「RG 1/144 機動戦士ガンダム ラストシューティング ジオングエフェクトセット」(9,900円 税10%込)という商品も同時に発売されています。こちらはビームやバーニアなどのエフェクトパーツとガンダムのラストシューティングの舞台となったア・バオア・クー内を模したシーンベースがセットされているもので、劇中の様子を再現できるものとなっています。

【RG 1/144 機動戦士ガンダム ラストシューティング ジオングエフェクトセット】
ア・バオア・クーでのラストシューティングを再現できるモデル

MSN-02 ジオングとは

 ここでジオングについて解説しておきましょう。地球から最も離れたスペースコロニー郡のサイド3に勃興したジオン公国が地球連邦に宣戦布告し、最初期の実戦配備型モビルスーツMS-06ザクから短期間で驚異の発展を遂げてきたモビルスーツとモビルアーマーの開発において、現実に現われ始めたニュータイプと呼ばれる新人類を兵器登用し、ニュータイプ部隊の早期実現をも画策していたジオン軍がモビルスーツのひとつの到達点として開発してきたニュータイプ専用の機体がジオンの名を冠した「MSN-02 ジオング」です。

【MSN-02 ジオング】
アニメ設定のジオング。当時脚がない斬新なデザインに度肝を抜かれました

 この「MSN-02 ジオング」に到達するまでにも、ニュータイプ専用機は「MAN-03 ブラウ・ブロ」や「MAN-08 エルメス」といったモビルアーマーと言われる巨大な非人型の機動兵器にサイコミュ=サイコ・コミュニケーター(※感応波を感知してパイロットや機体にフィードバックするシステム)を搭載する形で開発されましたが、これを小型化させ人型のモビルスーツに落とし込もうとしたのが「MSN-02 ジオング」ということになります。

 キシリア・ザビ少将が推し進めていたにもかかわらず、ギレン・ザビ総帥は未完成品扱いするなどあまり期待した様子ではなかった「MSN-02 ジオング」のパイロットは結果的にシャア・アズナブルが務めることになります。劇中ではシャア自身がジオングの存在を知らなかったことからどういった開発経緯を持ち、パイロットが誰になるはずだったのかがとても気になる機体です。「MAN-08 エルメス」のララァ・スンはシャアと共にいたため候補ではなかったでしょうし、「MAN-03 ブラウ・ブロ」のシャリア・ブルなのかはたまた……?

RG=リアルグレードになったジオング

 話をガンプラに戻しましょう。RG=リアルグレードと銘打たれたこのシリーズは「本物であること」を追求し、緻密なパーツ構成や質感表現を1/144スケールに凝縮してモビルスーツを作る楽しみと興奮を提供するブランドとしています。2010年に「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム」が発売されて以来、ファーストガンダムのモビルスーツを始め多彩なガンダムシリーズからリリースされています。

【RG 1/144 ジオング】
RG化されたジオング

 RGシリーズの特徴であるアドヴァンスドMSジョイントと呼ばれるランナー上で完成しているフレーム(最近ではフレーム以外でも使われています)に内部機構やさらに多色になった装甲を組み付けていけばそれまでには考えられなかったリアルなガンプラが手のひらに収まります。

 内部フレームを組み込み済みの可動骨格にして装甲を取り付けるという手法は、ガンダム以外に「RG エヴァンゲリオン」シリーズでも活用されています。今後さらにこの手法を活かすモチーフも増えるかも知れません。

 ジオングにおいては、アドヴァンスドMSジョイントを両手の五指のビーム砲に採用しています。そしてジオングの大きな特徴である脚部無しの状態で全高約18mとなるため、理論上他の18m級の一般的なモビルスーツより全高が倍の36m程度ある大型の機体ということもできます。そのため各部がそれぞれ一回り大きい作りにもなっています。それでは、この特殊な機体がどのようにRG化されたのかをレビューしていきましょう。

【RG エヴァンゲリオン Mark.06】
RGシリーズはエヴァンゲリオンも!

パッケージを確認。RGならではの細かなパーツが並ぶ

 大型の機体であるジオングですから、1/144スケールサイズであってもパッケージも大きなものとなっています。ランナーは機体用にA~Lの全18枚、スタンド用に2枚とベース、リード線黒2本赤1本、シール、組立説明書で構成されています。

 RGシリーズといえば外装のパネルも細かく分割されてパーツが小さくて組むの大変……というイメージがありますが、ジオングは大型の機体のためその分割比率も大きくなっていてとても組みやすそうな印象です。

【パーツ】
赤いリード線が気になりますね、どこに使われるのでしょうか?

頭部を組み立てる。いきなりRGの洗礼が!

 ジオングの頭部はモノアイが左右だけでなく上部にも動かすことができます。モノアイはクリアーパーツで成形されていますが、1/144スケールだととても小さいパーツとなりますが、おまけにアンダーゲート方式で成形されています。組み立てるぞ!と意気揚々と始めてみるとここでRGの洗礼を受ける方もいるかもしれません。

【頭部】
ギミックも多いので、結構なパーツ数で構成されています

 ランナー上でモノアイのシールを貼り付けておいてから切り出してゲート処理を行なっていきます。いくのですが極小パーツがゆえに処理が難しい!ニッパーの刃と比べてみてください。飛んで行かないように固定してゲートをカットしていきます。

【頭部:モノアイ】
小さい!飛んで行なったらまず捜索不能になりそうです

 頭部を組み上げていきます。モノアイは歯車構造を持っていて頭部を左右に振ることで左右のみ連動可動させることができます。設定上ジオングのモノアイは上にも動きますが、ここの組み立て時点では上部にカバーを付けることになっていますのでそのままにしておきます。

【頭部】
口のビーム砲、耳のバーニア・スラスターも色分けバッチシです
【頭部:モノアイ可動】
頭部カバーとクリアーパーツを外して、さらに内部のモールドパーツを外して動かします
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