レビュー
創造することで想像を超えていく「レゴ ポルシェ 911」レビュー
2021年3月12日 11:34
知育玩具として全世界でもポピュラーなレゴ。近年では任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」をテーマにしたアスレチック的な遊びが楽しめる「レゴ スーパーマリオ」や緻密に再現された「クリエイター」シリーズなど子どもから大人まで虜にするホビーだ。
筆者は幼少期にバケツに入ったレゴで遊んで以来、触れる機会がなかった。しかし、3月2日に開催された「レゴ ポルシェ911」展示会を取材し、そのファッショナブルな外観と今に動き出しそうなメカニカル感を両立させた「レゴ ポルシェ911」に胸の内がぞくぞくする高揚感を覚えた。今回は、大人の情熱を呼び出さます「大人のレゴ」より「レゴ ポルシェ911」をレビューしたい。
ひとつで2度おいしい2-in-1モデル「レゴ ポルシェ911」
本商品はレゴとドイツの高級自動車メーカー「ポルシェ」のコラボレーション商品で、全国の「レゴストア」及び「レゴ認定販売店ベネリック レゴストア 楽天市場店」で発売されている。「レゴ ポルシェ911」はポルシェを代表するスポーツカーをレゴで再現したもので、1970年代に登場した2代目「ポルシェ911」である930型がモチーフとなっている。
また、「レゴ ポルシェ911」は2-in-1モデルという点が大きな特徴となっており、1つのキットで2種類のモデルを選んで作ることができる。ターボチャージャーを搭載した最高グレードの「ターボモデル」とオープンルーフ型の「タルガモデル」の2種類で、ターボモデルはエンジンルームにターボチャージャーやインタークーラーなど抜群のパワーとスポーティな仕様、タルガモデルはイタリアの公道自動車レース「タルガ・フローリオ」から名を取ったセミオープンカーモデルとなっている。
パッケージを開けるとレゴが詰まった小袋と組み立て説明書が出てくる。小袋は1~10まで番号がふられたものとタイヤやフロントウィンドに使うパーツが入ったものがある。また、1~7が共通組み立てピースが入っており、8と9を使ってターボモデル、8と10を使ってタルガモデルを選択して組み立てる。レゴのピース総数は1,458個。しかも、これらピースの9割以上が既存のピースとなっている。今回「レゴ ポルシェ911」のための新規ピースはリアの曲線部分の2、3個となっている。
組み立て説明書の組み立てパートには文字はなく、ピースの組み方だけが図解で解説されている。それだけにすんなりと理解でき、その手順も小袋の1番から順序立ててするためすっと入ってくる。
プラモデルなどの「〇ランナーの〇番と▲ランナーの〇番を合わせる」のように別々の小袋をいっぺんに開けてパーツを探すことはなく、組み立て説明書を広げ、小袋を開けてレゴを手元に置いて組み立て作業ができる。
レゴのピースは大小さまざまなあり、一般的な四角い形状からジョイントパーツなどピース一つ一つが個性的で探す楽しさ、組んだ時どの部分になるかと好奇心がくすぐられる。また、外観が白と黒の「レゴ ポルシェ911」だが、ピースには赤や青などカラフルなものもある。これらは組み立て時の見間違い防止もになっているようだ。
組み上げるほどに増していく密度と重量感がたまらない
組み立てはレゴブロックらしく、凹凸に合わせてピースを組んでいく流れとなっている。とはいえ、組み立て説明書からどの部分を作っているのか、大まかに理解しながらも「このピースはどこで使うのか?」と予想もつかないピースも出てくる。そして、組み立てが進みそのパーツが使われ、形になった時「そうだったのか!」を膝を打つ。
ピース同士を組んでいくほどに、その内部の密度と計算つくされた設計、そして、それらを形にできるレゴのピースに感嘆するばかりだ。一つの小袋から出来上がった車体はどの部分か察しが働くとともに、「次の番号では何ができるのか」と想像を膨らませて手を伸ばす。
ピースは既存のレゴ商品のものが使われており、袋を開けて中身を確認すると「これは船とかで使っていたピースだ」と宝探しのような発見も味わえる。そして、レゴに触れている人こそ別商品で使われていたピースが「レゴ ポルシェ911」のどの部分になっているという驚きは大きい。
そして、一つ一つのパーツが組み合わせって「フェンダー」や「シート」などに出来上がっていく達成感はレゴならではだ。「大人が夢中になるわけだ」と納得してしまう完成度と驚きがやみつきになる。
「レゴ ポルシェ911」は実際の自動車にあるパーツをしっかりと再現されている。「バンパー」や「エンジン」、「シート」などシャープな傾斜や絶妙な曲線が混ざったパーツほどプラモデルのような「一つのマテリアル」としてあるわけではない。
しかし、レゴはまさに縦横無尽、変幻自在とばかりに側面にピースをはめたり、重ねたピースの角度を変えたらパーツになっていたり、ショートケーキの中にあるイチゴのように存在感を出す配色など「一つのマテリアル」として変貌させ、さらに高い再現度で形作られている。