レビュー

創造することで想像を超えていく「レゴ ポルシェ 911」レビュー

「レゴ ポルシェ911」

開発・発売元:レゴ

発売日:3月1日

価格:オープン価格(レゴ認定販売店価格:19,298円)

ジャンル:レゴブロック

サイズ:全長約350mm(完成時)

 知育玩具として全世界でもポピュラーなレゴ。近年では任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」をテーマにしたアスレチック的な遊びが楽しめる「レゴ スーパーマリオ」や緻密に再現された「クリエイター」シリーズなど子どもから大人まで虜にするホビーだ。

 筆者は幼少期にバケツに入ったレゴで遊んで以来、触れる機会がなかった。しかし、3月2日に開催された「レゴ ポルシェ911」展示会を取材し、そのファッショナブルな外観と今に動き出しそうなメカニカル感を両立させた「レゴ ポルシェ911」に胸の内がぞくぞくする高揚感を覚えた。今回は、大人の情熱を呼び出さます「大人のレゴ」より「レゴ ポルシェ911」をレビューしたい。

ひとつで2度おいしい2-in-1モデル「レゴ ポルシェ911」

 本商品はレゴとドイツの高級自動車メーカー「ポルシェ」のコラボレーション商品で、全国の「レゴストア」及び「レゴ認定販売店ベネリック レゴストア 楽天市場店」で発売されている。「レゴ ポルシェ911」はポルシェを代表するスポーツカーをレゴで再現したもので、1970年代に登場した2代目「ポルシェ911」である930型がモチーフとなっている。

 また、「レゴ ポルシェ911」は2-in-1モデルという点が大きな特徴となっており、1つのキットで2種類のモデルを選んで作ることができる。ターボチャージャーを搭載した最高グレードの「ターボモデル」とオープンルーフ型の「タルガモデル」の2種類で、ターボモデルはエンジンルームにターボチャージャーやインタークーラーなど抜群のパワーとスポーティな仕様、タルガモデルはイタリアの公道自動車レース「タルガ・フローリオ」から名を取ったセミオープンカーモデルとなっている。

【レゴ ポルシェ911:パッケージ】
シックな黒の背景に映える白いボディがパッケージを飾る。また、ポルシェのエンブレムもあり一層の高級感が伝わってくる
裏面にはタルガモデル、ターボモデルの特徴が掲載
パッケージのタイヤは、モデルの実寸大となっており、そこからスケール感のイメージが膨らむ

 パッケージを開けるとレゴが詰まった小袋と組み立て説明書が出てくる。小袋は1~10まで番号がふられたものとタイヤやフロントウィンドに使うパーツが入ったものがある。また、1~7が共通組み立てピースが入っており、8と9を使ってターボモデル、8と10を使ってタルガモデルを選択して組み立てる。レゴのピース総数は1,458個。しかも、これらピースの9割以上が既存のピースとなっている。今回「レゴ ポルシェ911」のための新規ピースはリアの曲線部分の2、3個となっている。

 組み立て説明書の組み立てパートには文字はなく、ピースの組み方だけが図解で解説されている。それだけにすんなりと理解でき、その手順も小袋の1番から順序立ててするためすっと入ってくる。

 プラモデルなどの「〇ランナーの〇番と▲ランナーの〇番を合わせる」のように別々の小袋をいっぺんに開けてパーツを探すことはなく、組み立て説明書を広げ、小袋を開けてレゴを手元に置いて組み立て作業ができる。

【レゴ ポルシェ911:内容物】
組み立て説明書はカタログのような厚みと図解、そして実車ポルシェ911の写真が掲載されている
レゴブロックの山を探りながら一つ一つのパーツを組み上げていく
ピースを間違ってはめてしまっても、専用のオープンパーツでついてくるので分解も楽に

 レゴのピースは大小さまざまなあり、一般的な四角い形状からジョイントパーツなどピース一つ一つが個性的で探す楽しさ、組んだ時どの部分になるかと好奇心がくすぐられる。また、外観が白と黒の「レゴ ポルシェ911」だが、ピースには赤や青などカラフルなものもある。これらは組み立て時の見間違い防止もになっているようだ。

【レゴのピース】
ポピュラーな板状のピース
真ん中が空洞になっているピース
細い四角柱に円形の差し込み口があるピース
凹凸が一つしかないピース
側面にはめ込む部分があるピース
ヒンジが付いているピース

組み上げるほどに増していく密度と重量感がたまらない

 組み立てはレゴブロックらしく、凹凸に合わせてピースを組んでいく流れとなっている。とはいえ、組み立て説明書からどの部分を作っているのか、大まかに理解しながらも「このピースはどこで使うのか?」と予想もつかないピースも出てくる。そして、組み立てが進みそのパーツが使われ、形になった時「そうだったのか!」を膝を打つ。

 ピース同士を組んでいくほどに、その内部の密度と計算つくされた設計、そして、それらを形にできるレゴのピースに感嘆するばかりだ。一つの小袋から出来上がった車体はどの部分か察しが働くとともに、「次の番号では何ができるのか」と想像を膨らませて手を伸ばす。

【組み立て:車体中央シャーシ部分】
シャーシ分の組み立て
円柱状のパーツを差し込んでピースを繋げていく
1番の小袋で車体の座席部分くらいだと実感

 ピースは既存のレゴ商品のものが使われており、袋を開けて中身を確認すると「これは船とかで使っていたピースだ」と宝探しのような発見も味わえる。そして、レゴに触れている人こそ別商品で使われていたピースが「レゴ ポルシェ911」のどの部分になっているという驚きは大きい。

 そして、一つ一つのパーツが組み合わせって「フェンダー」や「シート」などに出来上がっていく達成感はレゴならではだ。「大人が夢中になるわけだ」と納得してしまう完成度と驚きがやみつきになる。

【組み立て:車体後部シャーシ、後部シート】
後部パーツ(エンジンルーム)となる部分
ブラウンのなだらかなプレートピースをはめ込んでいく
背もたれをあわせ、後部シートが形となる
側面パーツは内部フレームとなっている
同時にひじ掛けも完備しており内装にもこだわりが感じられる

 「レゴ ポルシェ911」は実際の自動車にあるパーツをしっかりと再現されている。「バンパー」や「エンジン」、「シート」などシャープな傾斜や絶妙な曲線が混ざったパーツほどプラモデルのような「一つのマテリアル」としてあるわけではない。

 しかし、レゴはまさに縦横無尽、変幻自在とばかりに側面にピースをはめたり、重ねたピースの角度を変えたらパーツになっていたり、ショートケーキの中にあるイチゴのように存在感を出す配色など「一つのマテリアル」として変貌させ、さらに高い再現度で形作られている。

【組み立て:後部タイヤ周り、後部バンパー、エンジン、シート】
フック状のパーツを使ってピースを繋げる
橋渡しのようにリア・タイアを覆うパーツを形作る
後部バンパーは黒と白のパーツを積み重ねて力強いパーツに
ポルシェの印字が入ったパーツやライトを再現したパーツと合わせれば一気に形が見えてくる
エンジンパーツは「ポルシェ911」に採用された空冷水平対向6気筒エンジンを再現
大きな冷却ファンや横広な形となっている
エンジンルームに収めれば雰囲気が高まる
ブラウンのパーツを重ねていく
角度を変えれば、波打つ高級感ある質感のシートが完成
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