レビュー

「Figure-rise Standard あばたーふみな」レビュー

「すーぱーふみな」後継の最新ガンプラコスヒロインズはかわいらしさを追究

【Figure-rise Standard あばたーふみな】

発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2024年3月23日

価格:4,180円

ジャンル:プラモデル

 ガンプラアニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』より発売されたガンプラ「HGBF 1/144 すーぱーふみな」は2015年発売当初モデラー達に大きな衝撃を与えました。ガンプラとして新しいジャンルを開拓した「すーぱーふみな」は後に様々なバリエーションキットが発売され、今日まで人気を博しています。今回は、ふみなシリーズの最新作として2024年3月23日に発売されるプラモデル「Figure-rise Standard あばたーふみな」を紹介します。

人体構造プラモデルの核心に挑戦し続けるプラモデルシリーズ

 Figure-rise Standardシリーズは、BANDAI SPIRTISが2016年より展開している人型のプラモデルに特化したブランド。同シリーズではプラモデル肉体表現の最前線としてドラゴンボールや仮面ライダーなどアニメ、実写を問わずハイクオリティなキットが発売されており、その最新アイテムが「Figure-rise Standard あばたーふみな」となります。

「Figure-rise Standard あばたーふみな」(写真右)と『ガンダムビルドファイターズトライ』の「HGBF 1/144 すーぱーふみな」(写真左)。サイズが一回り小柄になりました。

「ガンダムビルドシリーズ」10周年記念作品に登場するガンプラコスヒロインズの最新キット

 今回紹介する「Figure-rise Standard あばたーふみな」は、『ガンダムビルドメタバース』からは初めてのFigure-rise Standardキットです。「Figure-rise Standard あばたーふみな」は「ガンダムメタバースプロジェクト」の広告大使を務めるホシノ・フミナのアバターとして関西人ビルダー、サカイ・ミナトがデザインしています。これまでのガンプラコスヒロインズのデザインを踏襲しつつ、「RX-81 スタンダードアーマー」をモチーフとしたアーマーを装備、着脱できるデザインとなっています。

 それではキットを組み立てていきましょう。まずはキットを構成するランナーから見ていきます。「Figure-rise Standard あばたーふみな」は多色成形のランナーが2枚、肌色のランナーが5枚、ホワイトのランナーが1枚、ダークパープルのランナーが3枚、ブラウンのランナーが1枚、イエローのランナーが1枚、クリアグリーンのランナーが1枚、シールが1枚で構成されています。関節部分以外はPS樹脂にて成型されており、関節部分はPOM樹脂で成型さています。POM樹脂は耐久性が高く摩耗しにくくなっています。

「あばたーふみな」を構成するランナー。フェイスパーツはタンポ印刷が行なわれたパーツが付属します。

「Figure-rise Standard あばたーふみな」の組み立て

 Figure-rise Standardのキットは細かいパーツ分割にて構成されており、組み立てるだけで設定に近い色分けが可能となっています。

 「Figure-rise Standard あばたーふみな」頭部はパーツ交換によって表情を3種類から選択することが可能です。また、前髪の形状も『ガンダムビルドメタバース』時の形状と『ガンダムビルドファイターズトライ』時の形状が選択できます。

【頭部】
頭部は交換用部品を含め、21パーツにて構成されています。
表情、前髪の種類、ネコミミカチューシャの有無は組み換えで変更することが可能です。

 胸部は中央部がクリアグリーンの成型色にて再現されており、『ガンダムビルドファイターズトライ』時にホシノ・フミナのウェアにマーキングされていた猫マークの意匠が盛り込まれています。

【胸部】
胸部は肌色のインナーフレームに外装を組み立てていく構造となっています。
ワンポイントとなる小さい猫マークまでパーツ分割により色分けがされています。

 腹部は上下にボールジョイントの受けを持った形状となっており、側腹部のパーツもピンクにて色分けされています。

【腹部】
腹部はモールドに合わせた分割で、全8パーツにて構成されています。
背面にはアーマーを取り付けるためのジョイントがあり、カスタマイズやスタンドのジョイントとして機能します。

 腰部は脚部との接続軸に上下のスイング可動があり、脚部の接続位置を調整することで細かいポージングが設定可能です。

【腰部】
腰部はダークパープル一色、全7パーツにて構成されています。
腰部は側面のパーツが別パーツになっていることで、合わせ目や接続ダボ軸が目立たない構造となっています。

 腕部は、女性の造形ということもあり、細身の形状となっています。また、ハンドパーツは握り手、開き手、武器持ち手の3種類から選択可能です。

【腕部】
腕部は交換用部品を含め、16パーツにて構成されています。
右腕と左腕は対称形状となっており、交換用ハンドパーツには左手用武器持ち手も付属しています。

 脚部は大腿部と脛部がワンパーツにて成型されており、完成時に合わせ目が発生しない構造となっています。

【脚部】
脚部の肌色パーツはワンパーツにて成型されているため、パーティングラインの処理のみできれいに仕上がります。
アンクルアーマーは足部ではなく、脛部に直接取り付ける構造となっています。

 これにて「あばたーふみな」を構成するパーツは完成です。早速各部を合体させて素体状態を完成させます。

素組状態にて設定画通りの色分けに仕上がりました。股関節の接続は軸接続、その他の接続はボールジョイントによる接続となります。

 ここからは武装パーツの制作に入っていきます。武装パーツは腰部アーマー、バックパック兼肩アーマー、ガトリングスマッシャー、ショートビームライフルが付属します。腰部アーマーはあばたーふみな素体の背面に接続する方式となっており、各部がボールジョイントおよび軸接続にて自由に可動します。

【腰部アーマー】
腰部アーマーは3色、全11パーツにて構成されています。
腰部アーマーの各部接続軸による可動により、素体の可動に制限を与えません。

 バックパック兼肩アーマーは設定どおり、素体の肩部に接続ジョイントを持たせずバックパックと連結させる形状となっています。

【バックパック兼肩アーマー】
バックパック兼肩アーマーも3色、全22パーツにて構成されています。
背面および肩部のセンサーはシールによる色分けとなっています。

 ガトリングスマッシャーは砲身が前後分割になっており合わせ目が発生しない工夫がされています。また、Cジョイントにより角度を変更することが可能です。

【ガトリングスマッシャー】
両肩装備となるガトリングスマッシャーは左右合計10パーツにて構成されています。
ガトリングスマッシャーは左右で対称形状となっています。

 「あばたーふみな」の手持ち武器としてショートビームライフルが付属しますが、これはRX-81のビームライフルをシンプルに再構成したデザインとなっているあばたーふみな用オリジナル武装となっています。

【ショートビームライフル】
手持ち武装となるショートビームライフルは全3パーツにて構成されています。
本体は左右分割となっており、センサー部分のメタリックグリーンはシールによる再現となっています。

 これにて武装パーツの組み立ては全て完了です。「あばたーふみな」の素体に装着させてキットを完成させます。

武装の接続軸は全て背面となっており、正面からは接続部が見えない構造となっています。
ガトリングスマッシャーの接続部はバックパックではなく、肩アーマーとなっています。

 これにて「あばたーふみな」の組み立ては完了となりますが、余剰パーツとしてあばたーふみなの各部に接続可能となるジョイント用差し替えパーツが付属します。

差し換え用ジョイントパーツは上腕、手首、大腿部のパーツを差し替えることでジョイントとして使用できます。

 それでは完成した「あばたーふみな」を見ていきましょう。

いろいろなポージングで飾りたくなるガールキット

 まずは完成した「あばたーふみな」を前後側面から見てみます。

細身のボディーラインに各種武装のボリュームがマッチしています。

 「あばたーふみな」は人体の関節に倣った可動でポーズを取ることができ、それに合わせたフェイスパーツを選択可能です。

少しポーズをつけてみました。フェイスパーツが豊富にあるため、ポーズに合わせた表情が選択可能です。

 「あばたーふみな」へのスタンドの接続は背面にある3mmジョイントを使用して行ないます。スタンドを使用することで大きなポージングも可能です。

別売りのスタンドを使用して大きくポーズを取らせてみました。腰アーマーにジョイント孔があるため、スタンドを使用しての展示も可能です。

 脚部の可動は足首および膝、大腿部のロール、付け根部分が可動可能です。なお、膝関節は1軸可動となっており、約95°程曲げることが可能です。

脚部のアップ。膝関節は約95°程曲げることが可能です。

 腕部の可動は手首および肘、上腕のロール、付け根部分が可動可能です。なお、肘関節は膝関節と同様に1軸可動となっており、約100°程曲げることが可能です。

腕部のアップ。上腕部は肘を曲げた際に前腕がフィットする形状となっています。

 胴体部は胸部と腰部にボールジョイントがあるため、上半身をひねった際に自然なポーズになります。

胴体部のアップ。2か所の可動軸にて自然に腰をひねることが可能です。

 バックパックはデザインの元となっているRX-81のバックパックを縮小しただけでなく猫マークの意匠を盛り込んだ形状となっています。

背面のアップ。バックパックにも猫マークの意匠が加えられています。

 バックパックとガトリングスマッシャーは肩アーマーを介して接続されています。多数の可動軸を有しているため、自由に可動させることが可能です。

バックパック接続部のアップ。肩アーマー、ガトリングスマッシャーともに複数軸にて接続されています。

 フロントアーマーの可動はサイドアーマーを介して行なわれるため、脚の可動を一切邪魔することなくポーズを決めることができます。

腰アーマーのアップ。フレキシブルに可動できます。

 ショートビームライフルにはジョイント孔があるため、このジョイントを利用してカスタマイズすることも可能です。

ショートビームライフルのアップ。側面にジョイント孔があります。

 アーマーパーツは取り外し可能となっており、素体状態でも飾ることが可能です。

アーマーを外してみました。すっきりしたスタイルもいいですね。

 アーマーパーツを外した状態でもスタンドを使用した展示が可能となっています。接続はバックパックと、腰アーマーの接続ジョイントが使用可能です。

アーマーを外した状態でポーズをつけてみました。腰アーマーの接続ジョイントがスタンドの接続ジョイントと共通サイズのため、使用可能です。

 本キットの髪型は、設定画の形状の他『ガンダムビルドファイターズトライ』時の形状が選択可能となっており、表情も3種類から選択可能です。

前髪形状を変更したヘッドのアップ。表情パーツは3種類から選択可能です。

 いかがでしょうか。「Figure-rise Standard あばたーふみな」はこれまでに発売されたガンプラコスヒロインズのデザインコンセプトを踏襲しつつ最新技術を盛り込むことで、かわいい仕上がりとなったキットでした。表情はタンポ印刷を使用しており、デカール等の貼り付けが必要なく、成型色による色分けも十分にされていることから、素組みでも十分に楽しむことが可能です。また、各部のジョイントに3mm軸が採用されていることでカスタマイズ性も十分にあるため、自分のオリジナルふみなも制作することができます。この記事をきっかけに『ガンダムビルドメタバース』の世界観やガンプラを味わってみてはいかがでしょうか。