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「エアソフトガン超入門」 基礎から楽しみ方まで全部教えます!

第1回:実銃さながらの反動が楽しい「ガスブローバックハンドガン」

 エアソフトガンとは何だろう? どういう種類があって、どんな楽しさがあるのか? 遊ぶ際、気をつけるところはどこか? 今回から始まる“「エアソフトガン超入門」 基礎から楽しみ方まで全部教えます!”は、こういったエアソフトガンの基本をしっかり取りあげる連載企画だ。

 本物さながらの銃の外見をした玩具「エアソフトガン」は手に持つだけでゲームや映画の主人公になりきれるアイテムだ。銃の玩具には弾が出る「エアソフトガン」の他、弾の出ない代わりに火薬の発火を楽しむ「モデルガン」があるが、本連載は弾の出るエアソフトガンを扱う。

 エアソフトガンは“弾”が出る。十数メートル離れても紙でできた的を勢いよく射貫く威力を有する。だからこそ取り扱いには細心の注意が必要で、さらに法律で威力の上限が定められている。「エアソフトガン超入門」はこのエアソフトガンの魅力と注意点を知り、楽しく遊ぶ事が目的なのだ。

「エアソフトガン超入門」の講師として解説してくれる東京マルイの広報、刑事=デカこと島村優氏

 エアソフトガンの基礎を学ぶけれども、教科書のように概要ばかりを学んでもつまらない。カッコイイエアソフトガンを教材にすることで、基礎的な知識も身につくだろう。そこで本連載では、東京マルイの様々なエアソフトガンを教材に、東京マルイの名物広報であるデカこと島村優氏の解説で、エアソフトガンの基本や楽しさ、そして注意点を取りあげていく。

 第1回目は「FNX-45 タクティカルブラック」を教材に、ガスでBB弾を発射し、ブローバックが楽しめる「ガスブローバックハンドガン」を学んでいく。もう1つ、ブローバックしないガスガンとして「ソーコムMk23」も取りあげたい。

 ガスガンとはなんだろう? ブローバックする銃と、しない銃の違いは? 扱う際の注意点はどこか? そして、「FNX-45 タクティカルブラック」のカッコ良さはどこか? エアソフトガン、特にガスブローバックハンドガンを学んでいこう。今回を皮切りに、様々なエアソフトガンを取りあげていく、お楽しみに!

 なお、我々が通称として使っている「エアガン」という呼称は、海外では実銃の一種である「空気銃」を意味する。国内でも携行するにはライセンスが必要な「空気銃」が存在する。東京マルイをはじめとしたトイガンメーカーの製品はもちろんライセンスのいらない。この両者の混同を避けるため、販売する商品は「エアソフトガン」と呼称している。本連載もエアソフトガンの名称を使用したい

今回の教材となる「FNX-45 タクティカルブラック」。7月9日に発売されたばかりの新製品だ。価格は17,800円(税別)

エアソフトガンって何だろう? どうやって弾が出るのか?

 東京マルイの定義する“エアソフトガン”は、主に樹脂を球形に成形した「BB弾」(Ball Bulletの略とされるが諸説在り)を発射する「弾の出る玩具」を指す。BB弾の直径は概ね6mm弱で、さらに東京マルイでは「0.12g」、「0.2g」、「0.25g」「0.28g」と重さの違う4種類がある。

 BB弾は重さの違いで弾道が変化する。気温や湿度などでも飛び方は変化するので、銃の特性やHOP調整により弾をまっすぐ飛ばせるようにするのだ。HOPの調整は的までの距離や使用の仕方、使用者の好みで異なるのでまたの機会で触れたいと思う。

商品に同梱されているBB弾。エアソフトガンは樹脂製の弾を発射するのだ

 なお、0.12gという軽いBB弾は弾を発射する初速の低い10歳以上対象商品で使用する。18歳以上対象商品では使えないので注意して欲しい。逆に10歳以上対象商品では0.12g以外は使用できない。銃が持つ本来のポテンシャルを発揮できないのだ。

 では、このBB弾をどう「発射」するのか? これは、「エアソフトガン」という名前の通り、エア=空気(気体)の圧力で飛ばしている。現在、東京マルイでは、発射の為のエアを作るエネルギーの種類から、「コッキング=手動式」、「電動式」、「ガス式」という3つのカテゴリー分けをしてエアソフトガンを販売している。

 コッキング式は手の力で空気を圧縮して1発1発撃ち出す方式。電動式はモーターの力でピストンを動かし空気を圧縮し撃ち出す。そしてガス式は気体の圧力で弾を飛ばしている。

 今回取りあげる「FNX-45タクティカルブラック」は、マガジン部分にガスを注入し弾を発射するガス式となる。マガジンとは実銃において弾丸を込める部分。ここにガスとBB弾を込めて発射するのだ。東京マルイは「ガンパワーHFC134aガス」と、「ノンフロン・ガンパワー」の2種類を販売している。このガスをマガジンに注入し、BB弾をセットする。トリガー(引き金)を引くと連動したハンマーがマガジン後部の開放弁が押し、ここからガスが噴出し、BB弾を発射すると共に、スライド上部に取り付けられた「ブローバックエンジン」を動かし、スライドを後退させる“ブローバック”を行なうのだ。

ガスガンはマガジンがガスボンベになっている
銃のスライドを外したところ。マガジンの先端がスライドの穴部分に入り、ここから弾が発射される
マガジンにガスを注入。マガジン後部の金色の弁を押すことで、瞬間的にガスが噴出され、BB弾が飛び出すのだ

 ガスブローバックガンには、「本物と同じような機構に近付ける事が出来る。テイクダウンも本物同様に出来る」という、コッキングガン、電動ガンにない大きな特徴がある。パワーソースをマガジンに集約できるのでスライドの動作などを本物に近づけることができる。また、瞬間的なガスの噴射は、本物の火薬の爆発の衝撃より遙かに小さいものの、本物を撃ったような雰囲気と衝撃をユーザーに与える。空気が噴出され弾が飛び、スライドが後退するリコイルショック(反動)がある。この楽しさが、ガスブローバックガン最大の魅力だ。

 撃つ時のアクションだけでなく、マガジンに弾を込め、銃の発射準備をする作業も実銃そのまま。実銃では、マガジンを銃本体に装填し、まずスライドと呼ばれる上部の可動部分を1度後退させる。手を放すと、スライドはバネによって元の位置に戻る時にマガジンから弾を1発だけチャンバーと呼ばれる発射位置に装填させる。

 トリガーを引くとハンマー(撃鉄)が激しく前進して火薬を爆発させ、弾頭が飛び出し、反作用でスライドが後退しながら弾丸の残った部分(空薬莢)を排出してハンマーを起こし、スライドが元に戻る際に次の弾丸をチャンバーに前進させる。弾丸が無くなれば、スライドは後退した位置で止まり(いわゆるスライドストップ)、撃っている人間に「弾がない」事を知らせてくる。

【「エアソフトガン超入門」ガスブローバックガンは、実銃さながらのアクションが楽しめる】

 そして、ガスブローバックガンも、スライドを引き、戻る時にBB弾をチャンバーに装填させるという実銃の作業をそのまま踏襲している。トリガーを引くと、ハンマーがバルブと呼ばれる圧力調整弁を叩き、解放されたガスがBB弾を発射させ、スライドを後退させる。スライドはハンマーを起こし、バネで前進する際に次のBB弾をチャンバーに装填させる。

 実銃の空薬莢が無い点を除けば、一連の動作は同様に行なわれている様に感じられる。そして常に、弾丸がチャンバーに入った状態であると思えば、不用意に銃口を覗き込んだり、人に向けたり、引き金に指を掛けていたりする事はないだろう。エアソフトガンでも、同じ気構えが要求されるのだ。

 他にも、実銃で、スライドを引いてチャンバーに弾が無い事を確認するのが「チャンバークリア」として大事な工程だが、これを同様に行なえるのがガスブローバックガンである。ゲームやドラマでは主人公や悪役が銃を抜き、スライドを引いて発射状態にしてから銃を構える。また弾を撃ち尽くした時はスライドが開放状態で固定される。マガジンを交換し、スライドストップレバーを押してスライドを戻すことで初弾が発射位置にセットされる。ガスブローバックガンはこの一連のアクションを実際に楽しめるのである。

「FNX-45タクティカルブラック」、実銃の機能と歴史が楽しめるエアソフトガンの魅力

 では、ガスブローバックガンの特徴が解ったところで、「FNX-45タクティカルブラック」の特徴を見ていこう。エアソフトガンの大きな魅力は実銃を再現することで、実銃の機能、そして歴史が楽しめることだ。

 実銃は他の道具同様それが作られる“理由”がある。戦争時の大量生産のための銃、砂漠戦を考えた迷彩や、様々な機能を付与するためのレイルなど、使用者の要望に応えるために機能が盛り込まれる。メーカーの特徴や、作る国の特徴もある。エアソフトガンの魅力は手にしてから、もしくは購入前にその背景を調べることで、銃が一層魅力を増すところにある。

 この「FNX-45タクティカル」は、元は米軍が特殊部隊向けのハンドガン(拳銃)としての採用を目指して開発されていた。その採用に向けたトライアルには、砂漠で秘匿効果のあるタンカラーのモデルが条件だった。東京マルイではそのカラーを再現したモデルを2019年6月に発売した。今回は、その「FNX-45」を「タクティカルブラック」としてカラーバリエーションを発売したという事になる。なお、内部機構に関しての改良は特には加えられていないとのことで、完成度の高さが伺える。

【「エアソフトガン超入門」ガスブローバックハンドガン「FNX-45 タクティカルブラック」】
迫力のブローバックが楽しめる
2019年6月に発売された「FNX-45タクティカル」。価格は17,800円(税別)。砂漠仕様のタンカラーが特徴だ

 実銃の「FNX-45タクティカル」は45口径(0.45インチ=11.43mm)という、ベレッタ92Fに代表される現代のスタンダード「9mm口径」より大口径で威力の強い弾丸を使う。また、発射音を小さくするサイレンサー(消音器)を取り付ける為に銃口にネジが切ってあり、通常はネジ山を保護するためのプロテクターを付けているが、東京マルイでもこれを忠実に再現している。

 サイレンサーを装着した「FNX-45タクティカルブラック」は、スライドの作動音以外はかなり小さくなるので、サバイバルゲームではどこから撃たれたかが分かり難くなる。さらに、実銃では、フレームはポリマー樹脂、スライドが金属製となっており、東京マルイは国内の規制に対応してスライドも樹脂製だが、塗装で表面の質感の違いを表現している。国内メーカー東京マルイならではの苦労ではあるとのことだ。

銃先端のカバーを外すとサイレンサーが装備できるネジ山が現われる
リアサイト。白い部分に蓄光塗料が使われている

 スライドの上部には、フロントとリヤに目標を狙う為のサイト(照準器)が付いているが、実銃の発光塗料を使った“トリチウム発光”の雰囲気を、蓄光塗料を使って再現している。サバイバルゲームにおいても、室内戦や暗い森の中で威力を発揮するだろう。さらに実銃同様に、光点と目標を重ねて狙いを付けるドットサイトが搭載できる様にスライドが加工されている。

 実銃同様、プロサイトのレンズ越しにスライドの前後に付いているサイトで狙う場合に備え、高い位置を再現。実銃に比べて近距離で狙いを付けるエアソフトガンにも関わらず、デザインを崩していない。そして、このドットサイト搭載の為、内部メカの空間が若干狭くなっている。東京マルイのガスブローバックエンジンは、スライドを快調に作動させる為に、最新の機種では直径15mmのピストンを使って来たが、今回それに近づけるため、真円ではなく、オーバル(楕円)ピストンを初めて採用している(「デトニクス」でD型を採用した事があった)とのこと。

別売の「マイクロプロサイト」を装備可能。価格は6,800円(税別)

 そしてフレームの先端下部にはライト等を付けられる20mmのアンダーマウントレールが再現されているし、左右どちらからでも操作可能な「アンビタイプ」のセフティ、マガジンキャッチ、スライドストップも実銃通り。

 そして商品には、グリップのフィーリングを変えるバックストラップも計4種類が入っている。握ったときの感覚が変わり、自分の手に合った大きさ、形状にすることで、銃を撃つ時に大切な「握り方」を合わせることができる。余談ではあるが、この握り方1つで銃の命中精度にも影響が出るのだ。

左右どちらにもマガジンキャッチやセイフティがある。左利きの人にも使いやすい工夫は、昨今のハンドガンの特徴だ
銃身下部の溝(レイル)にはライトなどがつけられる。拡張性の高さは軍用拳銃として要求された性能の1つ
パッケージには全4種類のバックストラップが付属。握り具合を調整できる

 BB弾とガスを装填するマガジンは、強固で重い亜鉛ダイカスト製。ガス圧に充分耐えると同時に、重量を稼いで、手にした時のずっしり感を醸しだしている。実銃の実弾を装填した時の重さがきちんと感じられる仕掛けだ。「FNX-45タクティカルブラック」各部の特徴を挙げてきたが、全体的に実銃を採寸して設計されており、外観、作動含め、本物そっくりなエアソフトガンだと言えるだろう。また、開発段階で実銃用のホルスターに入るかを確認しているのでもちろん実銃のホルスターが使用可能だ。

実銃そのままの質感、メカアクションが所有者に高い満足感を与える。構えるだけで物語のヒーロー気分が味わえる

 島村氏は「FNX-45タクティカルブラック」に思い入れがあるという。『ザ・アウトロー』という映画で、主人公のジェラルドバトラーが黒のFNX-45を使っていました。クライマックスで敵のミニミ軽機関銃とFNX-45で激しい撃ち合いになるのですが、そのシーンがカッコ良かったので、ミニミと似ている「Mk46 Mod.0」の新製品PVは、そのイメージで撮りたいと思いました。色々と制約がある中でなんとなく近づけたかなと思っています。よかったらPVを見て下さい。私がそもそも銃に興味を持ったのは、刑事ドラマからでしたが、今はアニメやTVゲームから興味を持たれた方も多いと思います。銃に興味があれば、最近はなかなか気軽に手にできる場所がありませんが、シューティングレンジ、シューティングバー、サバイバルゲーム場などで、一度でも撃ってもらえれば、魅力が必ず伝わると思います」と語った。

【東京マルイ【次世代電動ガン】Mk46 Mod.0】

 さらに「本物と同じ機構に近付けて開発してあり、テイクダウンも実銃同様に出来るので、よりリアルに銃の玩具を体感できる製品です。BB弾を発射した時の反動、衝撃は、電動ガンでは再現できない迫力を感じられます。室内で、空撃ちしても楽しめるし、コスプレの道具やコレクション性も高いです」と言葉を重ねた。

「弾を発射する玩具」、エアソフトガンで気をつけたい取り扱い方

 ガスガンの基礎、そして今回の教材である「FNX-45タクティカルブラック」を紹介した上で、最も大事と言える「エアソフトガンの取り扱い方」を紹介していきたい。エアソフトガンは「弾の出る玩具」であり、扱いに注意しなくては危険な場合がある。楽しく遊ぶために、注意が必要だ。年齢制限も設けられており、弾の初速で10歳以上、18歳以上の2つの区分がある。「FNX-45タクティカルブラック」は18歳以上のユーザーが使用できる。

 発射されたBB弾の威力は法律で上限が定められてはいるが、それでも眼に当たれば失明の可能性があり、歯に当たれば折れたり欠けたりする。皮膚に当たれば皮膚が傷つき血が出る場合もある。物に当たっても、ガラス、液晶などは割れたりヒビが入ったりする。サバイバルゲームなど安全性に配慮した場合を除き、人に向けて撃つことは厳禁だし、もちろんルールを無視した標的に銃口を向けないよう、常に注意しなくてはならない。

 無論、「セフティ」と呼ばれる安全装置や、BB弾の飛び出す銃口部に付ける赤い安全キャップ、撃つ際のゴーグル着用など、メーカーとしても誤射・暴発に対する気配りはされているが、人間が扱う以上は「絶対安全」という事は、あり得ない。メーカーの広報である島村氏もエアソフトガンに対して“弾が発射されるので危ない玩具”と断言している。そういう注意が必要な商品であることは、エアソフトガンの大前提として知っておくべき情報であろう。

製品に付属している説明書やチラシ。使い方だけでなく注意喚起も行なっている

 だからこそ「危ない玩具」であるエアソフトガンで最大限安全に遊ぶ為に必要な気構えは、実弾を発射する銃と同じ、「常に弾が発射されるものと思って扱う」ことである。つまり、銃口は覗かない、絶対に人や生物、ターゲット以外に向けない。

 さらにエアソフトガン本体の取り扱いで言えば、発射するまではトリガー(引き金)に指をかけない、セフティを掛けておく、マガジン(BB弾が入っているいないに関わらず)は必要な時以外は本体から抜いておく、という事になる。そして銃を撃つときはゴーグルをかけることが必要だ。

 これは銃の玩具に限ったことではない。「包丁」、「ハサミ」、「ナイフ」、「ライター」など様々なものは誤った使い方をすればケガ・事故の元になる。だからこそルールを守ることが必要なのだ。

 ガスガンとしての注意点は「ガスの入れ方」。マガジンの注入口に対して缶をまっすぐ押しつけ力を込めていく。満タンになるとガスが吹き出し教えてくれるが、馴れないと注入口がずれ、満タンになっていないのにガスが吹き出したのを見て入ったと勘違いしてしまう。初心者はまずガスのしっかりした入れ方を学びたいところだ。

 島村氏は特に、「エアソフトガン購入後は必ず取扱注意・説明書を一読してください」と何度か言葉を重ねた。これは何故かと言えば、「BB弾を入れないで空撃ちすると、1発撃つ毎にスライドが戻らない」などなど、故障ではない事で電話を掛けてくるユーザーが少なく無いのだそうだ。

 取扱注意・説明書にはやってはいけないこと、その製品で重要なことも書かれている。事前に読めば様々な問題が解決できるようになっているということもぜひ伝えたいと島村氏は語った。

 注意点、メンテナンスの仕方、スライドの分解法、弾詰まりの解除の仕方まで、疑問に思う事の多くは取り扱い説明書にほとんど書いてある。また、たまに読み返すと、忘れていたメンテナンス部分が思い起こされる事もあり、必ずエアソフトガンと一緒に保管しておこう。

手軽さが魅力、ブローバックしないガスガン「ソーコムMk23」

 そして同じくガスを使いながら、ブローバックしない「固定スライドガスガン」の「ソーコムMk23」も比較のために紹介しよう。本商品の発売は2002年と18年前だが、未だ売れ続けている驚異のロングセラー製品である。

 この固定スライド「ソーコムMk23」は、その名の通り、ブローバックはせず、引き金を引くとBB弾が次々発射される。モチーフ元はドイツの銃器メーカーH&K社が開発した軍用ピストルで「メタルギアソリッド」シリーズで大きく知名度を増した。

【「エアソフトガン超入門」ガスガン「ソーコムMk23」】
こちらはブローバック機能がない。付属のサイレンサーをつけるとちゃんと音がこもり発射音が小さくなる。今回は空撃ちだが、弾を込めるとさらに発射音は小さくなるという
2002年発売の「ソーコムMk23」。価格は15,800円(税別)。18年前のモデルだが今でも人気の高い商品で、サイレンサーとLAM、ガンケースが同梱されている

 本商品はハードなガンケースに入っており、サイレンサーとLAM(ライト・アタッチメント・モジュール)が取り付けられる豪華仕様になっている。実は本商品は当事発売された“あるゲーム”のコラボモデルとして、開発が進んでいたとのこと。コラボは諸事情でなくなってしまったが付属品が同梱された特別仕様は、今でも大人気である。

商品にはハードケースも付属、サイレンサー、LAMなど取り付けは自由だ

 また、ブローバックしない事で、BB弾の発射だけにガスを使うので燃費が良く、作動音もしないという利点もある。特に付属のサイレンサーを付けると、まさにスネークばりのステルス性を備える事が可能になる。また、反動がない為に、連射した場合の2発目からの集弾性も落ちないという、実用性に特化した利点がある。

 さらに「ソーコムMk23」は固定スライドながらスライドを主導で動かして初弾を装填できるし、スライドを外して可変HOPの調整もできる。ブローバックはないものの本物の雰囲気を感じられる操作ができるのだ。

 元は米軍の特殊部隊がサブマシンガンよりも携帯性が良く、強力な弾丸で強襲する為に開発された銃だけに、サバイバルゲームで予備銃として使うのにも適しているし、これ一丁でスネークよろしくステルスな攻撃を仕掛けるのも良いだろう。ちなみに、エアコッキングガンの「ソーコムMk23」3,500円(税別)と同じ金型を使用しているので、両方買えば、サイレンサーやLAMが共用出来るとい裏技も教えてもらった。

 ブローバックしないガスガンは、現在この1機種になってしまったが、今後発売が予定されているコンパクトキャリーシリーズの「LCP」と「ボディガード」の2機種が新製品として発表済みなので、こちらの発売も待ち遠しい。部品数が少ないためより構造が堅牢で故障しにくく扱いやすい。それでいながら外見は実銃さながらということもあり、エアソフトガン初心者にお勧めだ。

ブローバック機能はないがスライドを引いて初弾が装填できる
LAMは取り付けた後、ダイヤルを回して固定する

 今回は特に「ガスブローバックガン」を中心にエアソフトガンの基礎、魅力、注意点を語ってみた。エアソフトガンには様々な種類カテゴリーがある。今回は敢えてガスハンドガンにターゲットを絞ったが、ガスを使う中にもアサルトライフルやサブマシンガンも存在する。冒頭で触れたように動力源の異なる電動式やエアコッキング式もある。安全性に関する取り扱いは一緒だが、ガス、電動の特性はそれぞれ違う。「エアソフトガン超入門」ではこういった様々なエアソフトガンの機能や魅力、注意点を紹介していく。

 エアソフトガンは撃って楽しいだけでなく、構えて、手の中で眺めて、そして飾っても楽しい玩具である。ただし弾が出る以上、扱いや保管には注意が必要で、機構を知っていれば安全性は高まる。今後の「エアソフトガン超入門」を読んで知識を深めていただきたい。

 島村氏は最後に「今回はガスハンドガンを取りあげました。他にもコッキング式や電動式、銃の種類で言えばライフルにショットガン、ボルトアクションなど色々なものがあります。何かのきっかけでどれか1つでも触ってもらってエアソフトガンの魅力を感じていただければ、「沼」にはまると確信しています。また、ブローバックガスガンは沢山の種類がラインナップされているので、コレクションする楽しさもありますし、銃によってブローバックを早くしたり、重くしたり、味付けを変えてありますので、撃ち比べる楽しさも味わって頂けると思います」と語った。

 ガスブローバックハンドガン、ガスハンドガンはエアソフトガンの入門用にぴったりの商品である。ゲームや映画のヒーロー達が使っている銃も商品ラインアップにはあるかもしれない。ぜひ注意点を意識して手に取ってみて欲しい。