レビュー
ガンプラ「MG 1/100 ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka」レビュー
2021年3月23日 00:00
腕部を組み立てる。特徴的な肩と前腕のギミックに注目!
パーツ数は多く見えるのですが、このキットはギミック優先のためもあってかマスターグレードの”とにかくフレームに装甲を貼り付けていく”という設計ではありませんでした。どちらかというとハイグレードが1/100スケールに拡大されたかのような設計ではありますが、これはこれで組みやすいのではないでしょうか。
特徴的な肩は3つのピースに見えますが、構造としてはそれぞれのピースが多重の構造になっていることと、色も同系色で濃淡の2色だったりして情報量も桁違いです。変形するために引き出し式の肩になっていますが、そのため下のピースと肩口のパーツの組み込みが少々トリッキーでした。組み込み時はあまりカッチリ固定されませんのでゆっくり押さえながら組み合わせていけば大丈夫です。
肘は180度可動させられます。二の腕と前腕の2カ所でロールさせることができるのでポージングでもさらに微妙な表情付けができます。ハンドパーツは親指のみ可動し、他指は固定で装備によって組み替える形となっています。これは可動指を採用しない最近のマスターグレードの特徴ですね。取り回しはポージングの際に検証してみたいと思います。
脚部を組み立てる。可動性能を向上させるふくらはぎに注目!
脚部はまずソール部から組み立てます。ソールは前後に3ピースで構成され、つま先も可動するようになっています。足首はアンクルガードもあり2カ所でスイングさせられるので脚部全体が完成すればなめらかなラインでつながる(これ重要ですよね)ことが期待できます。
脚部本体を組み上げます。膝アーマーは2分割されることで折り重なるような美しい角度で表情をつけられます。さらに変形を考慮して前方へへ引き出される構造を持っています。脚部本体はフレーム構造を持ち、フレームへ装甲パーツを貼り付けていくスタイルです。パーツを切り出してみると数は多く見えますが最小限で構成されているようで組みやすさもあります。ここ最近のガンプラの傾向としてフレームにたくさんのモールドがされていることと、そのモールドが接続のガイドの役目を果たすようになっているのでパーツ数削減にもつながっているのではないでしょうか。
腰部を組み立てる。”カトキ立ち”を実現する股関節に注目!
腰部は変形を考慮してサイドアーマーはアームによる接続となっています。こうしてアーマーが避けられると立膝もきれいに決まってくれるのではないかと、とてもいい設計ではないかと思いました。ぜひとも今後のガンプラのスタンダードになってほしい機構です。そして注目は股関節の構造です。脚部接続用の左右へ伸びる軸が前後へのスライドと上下へのロール機構を持っています。かっこいい、いわゆる”カトキ立ち”って片足を若干伸ばして前に出すのですが、この股関節の構造があればそのポーズが取れるのです。※本来、この構造は”降臨”ポーズのためのものです。
ウイングを組み立てる。まさにウイングガンダムのメイン装備……だけどちょっと不安も!?
ガンダム本体を超えるサイズとなるウイングを組み立てていきます。サイズが大きく、曲面だらけなので向きなどが把握しにくいのですがそこはガンプラ。カッチリはまってくれるので心配しなくても大丈夫です。細かい羽根も説明書通りに切り出して並べてみれば間違うこともありません。
プラモデルの楽しみとして”ギミックを組み立てる”というものがありますが、羽根の中に3つの作用点を持つ小羽根の構造だったり、ギア構造を持つことで”同時可動・展開”を実現しているところ、それがガンプラで取り入れられているのも含めてとても楽しい組み立てでした。
ウイングを組み立てながら若干不安になる部分が出てきました。ウイングにたくさんのギミックやディテールを盛り込んでいくとそれだけ重量がかさむことになり、実際に重いです。これらのウイングはアームによってガンダム本体背中のバックパックに接続されるわけですが、重量物を機体の上部で接続するとそれだけで重心が上がることになります。ということはちょっと触ったり揺れるだけで倒れそうですね。ポージングの撮影のときに検証してみたいと思います。
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