レビュー

ガンプラ「MG 1/100 ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka」レビュー

装備を組み立てる。シールドにもギア構造が!

 装備となるツインバスターライフルとシールドを組み立てます。ツインバスターライフルはウイングに懸架するための折りたたみ機構を持っています。OVA公開時にこのツインバスターライフルはどこに装備していたかが疑問でしたが、こういうことだったんですね。

 組立説明書のカトキ氏へのインタビューではこの折りたたみ以外での携行方法があってもいいとのことでしたので今後別のパターンもありそうですね。今回の折りたたみ時にはセンサーも同期して折れ曲がるようになっていますし、折りたたみ状態から通常状態へ戻したときに銃身のロック機構があってこれほど長尺な装備であってもグラつくことはありませんでした。すばらしいです。

【装備:ツインバスターライフル】
腕への接続を補助するピンの収納も目立たないようにこだわった設計がされています

 シールドは「ウイングガンダム プロトゼロ」ベースのデザインとなっています。伸縮機構はありませんが黄色のカナード状のパーツの可動にはここもギア構造が組み込まれていて連動可動させられます。

【装備:シールド】
裏側は変形時のロック機構や腕への装着するためのディテールがうまく施されています

完成! 「MG 1/100 ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka」

 説明するまでもなく、アニメで活躍するウイングゼロEW版はそのデザインはカッコよく、アクションも外連味たっぷりで見ているこちらは一瞬で虜になってしまいますが、こうやって立体物になって可動させると話は違ってきて腕や脚を動かすためにはまずウイングを移動させて……などと意外とポージングの時には慣れるまでちょっと大変でした。慣れてくればその手順がわかってくるので心配はありません。なお、ここではキットに付属のスタンドではなく手持ちの同型のクリアー版のスタンドを使用しています。

【完成:デザイン・ディテール】
カトキ氏のデザインがそのままキットになった印象ですね。みんなが待ってたウイングゼロEW版がここに!

 少々面倒なのがハンドの組み替えでしょうか。親指以外を組み替えるのですがこれが意外とポロリしてしまいます。専用ハンドを付けてくれればよかったところですが、あまり見たことのない仕組みでしたのでこれからブラッシュアップされていくと思います。

【完成:ポージング】
降臨ポーズやツインバスターライフルを両手持ちするなど劇中ポーズの再現が可能です。ウイングを動かすと重心が大きく変わります

 ネオバード形態を見てみましょう。この形態への変形は大きいウイングをどう動かすかによるところが大きいのですが、ウイングを支えるアームごと回したりする必要があって最初はパズルのような感覚です。この形態では固定するところが少ないのでこれでいいのかな? などと組立説明書とにらめっこすることになりますがわかってしまえば簡単です。あえて不満点を挙げるとするならウイングの固定用のパーツが別途必要、ということでしょうか。このパーツはスタンドの軸受けにもなっているのでしょうがないのですが……。

【完成:大気圏突入モード】
組立説明書には大気圏突入モードが書かれています
【完成:ネオバード形態:大気圏外】
大気圏外では大きいウイングでMS本体を守るように脇下から全面へと回り込ませます
【完成:ネオバード形態:大気圏内】
大気圏内では大きいウイングを広げて空力を稼ぐようです

「MG 1/100 ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka」のレビューを終えて

 気になっていた重心問題はやはりその通りでした。スラっと伸びたウイングの小羽根を押し上げるだけで倒れてしまうので破損のことを考えるとちょっと怖いですね。なのでこのウイングゼロEWはスタンドに乗せておく方がいいと思われます。可能であれば付属のスタンドではなく、クリアー素材のものだとウイングゼロEWのイメージに合うと思います。

【クリアー素材のスタンドを使用した例】
空を自由に飛ぶウイングガンダムはクリアー素材のスタンドが似合う!

 16年ぶりに新規開発された新しい「MG 1/100 ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka」は現在の技術や考え方によってよりカトキ氏が描くウイングゼロEW版に近づいたと思います。新設されたネオバード形態への変形機構を盛り込んでも、もともとかっこよかった8頭身プロポーションを崩すことなく現代に舞い降りたように思いました。

【アップデートされていくウイングゼロEW版】
正直、前のマスターグレード版が16年前だったとは思いませんでした。それだけ色褪せていないということでしょう

 今回、ガンダムエースでの漫画があったことでネオバード形態を盛り込んでVer.2.0とも言える完全新規キットとしてよみがえったウイングゼロEW版ですが、アップデートするところがあったかなぁ? というのが率直な気持ちではありました。

 ですがこうやって組んでみて動かしてみるとなるほどこういう作りや考え方になるのか! と感動しっぱなしでした。マスターグレードというだけでフレーム盛り盛りでどうやるんだろう? と思っていたのですがここ最近のガンプラの方法論がちょっとずつ変わってきていることも実感できて収穫の多いレビューだったと思います。