レビュー

「FULL MECHANICS 1/48 メイレスケンブ」レビュー

1/48スケール・全高220mmの迫力、そして自在な可動は、作ってみないとわからない!

 本体の全てが完成したら、あとは組み立てるだけだ。この段階で各パーツのサイズにはかなり驚かされているわけだが、完成すると全高約220mm、全幅約120mmの大きさの迫力に圧倒される。パーツの精度が高いので、素組みでも高級なアクションフィギュアにも見えるほどだ。特筆すべきは、前述の色分けに加えて、合わせ目がまったく目立たないということ。本体に限ってのことだが、ほぼ全ての合わせ目がモールドに沿った設計なので、組み立ててしまうと設定にない合わせ目の線が見えることがなく、これが完成後の印象をよくしている。

完成した各部位を組んでいく
完成したFMケンブ。センサー以外にはシールを使わず、完璧な色分けができている
背面。合わせ目もまったく目立たない。なお作例では付属のマーキングシールは使用していない
HGケンブとの比較。サイズやディテールの他、メインカラーのホワイトの色味も若干違っている
手に持ってみるとこのような感じに。ボリュームたっぷりだ

 付属する武装は「60mm携行機関砲」、「超熱振式戦闘直刀」、「腕部超熱振式戦闘爪」、「ウェポンラック」、そして未完成状態のときに装備した「盾付短剣」だ。武装類も非常に凝っていて、例えば60mm携行機関砲は、銃身とハンドガード上部が別パーツになっていて、穴の開いた部分から内部の銃身が見えるようになっている。またグリップやストックなどは樹脂素材をイメージさせるシボ加工が施されているなど、実に凝っている。超熱振式戦闘直刀の柄頭にあるパワーパックパーツの再現や、腕部超熱振式戦闘爪の可動など、それぞれ実によくできている。

60mm携行機関砲。ハンドガード内部ディテールやマガジンの着脱などを再現
超熱振式戦闘直刀。柄頭にある白い部分がパワーパックだ
ウエポンラックの構造はHGケンブと同じだ
背中に取り付けると、60mm携行機関砲と超熱振式戦闘直刀を携帯可能
腕部超熱振式戦闘爪。爪は180度可動し格納できる。装備時は前腕のパーツをまるごと交換する
盾付短剣。未完成状態のときに装備したもの。前腕のハードポイントに接続する

 HGケンブでも感じたことだが、工業デザインを意識した無骨な姿でありながら、豊かな可動範囲によるポージングで一気に印象が変わるということ。劇中で見せたヒロイックなポーズも可能で、動かしているのが楽しくなる。ガンプラのMGシリーズなどは、精密さゆえ、パーツが外れたり、ポーズに制限があったりするのだが、このFMケンブはそういった制限が少なく、HGケンブと同じように動かせるのだ。1/48というスケールのおかげで、全身のディテールにも違和感がなく、アモウのフィギュアも生きてくる。スミ入れやウェザリングを施すだけでも、さらに完成度を高められるのではないだろうか。

頭部や各部の装甲など、エッジが立っている
肩は回さなくてもここまでまで上げられる
肩の前後の動きに合わせ、胸部側面のシリンダーが可動
ケンブと派生機体ならではの、片持ち式の関節。分解も容易だ
足首の左右と前側の装甲はボールジョイントで可動する
コクピットハッチの開閉。内部が見える
昇降機の可動。乗り込むポーズのアモウフィギュアも付属している
降着状態も再現できる
右肩の装甲を外して手すりパーツを取り付け、左肩の装甲とフレームを取り外し、盾付短剣を装備すれば、未完成状態となる

 最後にクリア外装について触れておこう。この初回限定生産分のキットには、クリア成形のFパーツのランナーが特典のボーナスパーツとして付属している。これらパーツを換装するための分解は比較的簡単で、特別な工具などを使わなくても行える。腕や脚などの大型のパーツには内部にもディテールがあり、このクリア外装を取り付けることによりそれが見えるという仕組みだ。

特典のクリア外装。Fパーツのランナーとなる
装甲の一部をクリアパーツに換装した状態。頭部パーツもあるがフレームがないので見た目はあまりよくなく、説明書では未使用パーツの扱いとなっている
クリアパーツに換装することでフレームのディテールが確認できる

 2月23日現在、実勢価格は税込3,800円前後で、この価格でこのクオリティの造形が手に入る機会はあまりないと思われる。その見た目があまり好みでなくても、作ったり動かしたりしているうちに意識は間違いなく変わるかと思う。特典が付属する初回生産分もまだ店頭にあるようなので、この機会にぜひ手に取って楽しんでみてほしい。

このサイズにしてこれほどのポーズが取れるのは素晴らしい。台座は別売りのアクションベースの5mmジョイントに対応。劇中のポーズも思いのままだ