レビュー

ゾイド「AZ-01 ブレードライガー」レビュー

青い装甲とレーザーブレードを装備したブレードライガーが登場

 素体状態から装甲、武装を追加することでブレードライガーが完成する。印象的な青と白の装甲の他に、グレーや紺色の成型色もあり、より情報量が増す作りとなっている。

 まずは腰部と尻尾パーツから見ていこう。スポーツカーのリアウイングのような腰のパーツに加え、尻尾の先端にあるスタビライザーが付いた3Dデュアルセンサーを組み立てる。

【腰部・尻尾の組み立て】
腰部のパーツはスライド式で差し込む形となっている
尻尾のパーツは青と白のパーツを重ね、その後尻尾に取り付ける

 次は「ブレードライガー」を象徴するレーザーブレードパーツを組み立てていく。レーザーブレードが塗装済み、切り取り済みのパーツとなっているが、左右の見分けが非常に難しくなっており、付け根の造形と説明書の図を比較しながら組み立てる必要がある。

 そして、青い部分は伸縮機構を備えており、背中に収納した状態から前面に展開して、レーザーブレードの背に備わっているパルスレーザーガンを展開する際などに、自然な展開状態にすることができる。

【レーザーブレードの組み立て】
レーザーブレードとパルスレーザーガンは色分けされた状態のパーツとなっている
胴体中央に差し込んで収納状態にすることができる

 次は背中のロケットブースターとカバー部分。ロケットブースターは支柱パーツと本体で繋げ、収納状態では本体に密着させるようにして収納、カバーパーツで覆うためプロポーションもしっかり保たれている。

【ロケットブースターの組み立て】

 次に前脚の装甲パーツは、つま先を覆う白の装甲や各所に備わった黒の装甲などを取りつける。そして、肩には放熱機構となるコンプリッションリフジェレイターは、本体の固定に小さいCAPパーツを使用している。

【前脚の組み立て】

 後脚も前脚同様にパーツ、コンプリッションリフジェレイターを装着していく。

【後脚の組み立て】

 最後に頭部の組み立てだ。こちらも素体となる頭部の左右をパーツで挟み込む構造となっている。また、頭頂部のパーツはアニメ版のたてがみパーツの他、旧キットのオマージュとしてEシールドジェネレーターの「共和国仕様」が付属している。

【頭部の組み立て】

 ラベルシールを貼っていない状態でも「ブレードライガー」の迫力が伝わる造形となっている。この状態だとアニメに近い印象となっており、青の装甲が目にも鮮やかで見る者を引き付ける。

【ブレードライガー(ラベルシールなし)】

 そして、ラベルシーツを貼ることで「ブレードライガー」はより情報量を増した姿に変貌する。ラベルを貼る場所は特に指定はなく、説明書では参考写真が掲載され、本キットもそれに倣って貼った。

 ラベルの中にはアニメ「ゾイド -ZOIDS-」のヘリック共和国やガーディアンフォースのマークがあり、自分でアレンジが楽しめる。情報量も一気に増して、こちらは「バトルストーリー」を彷彿とさせる雰囲気になる。

 胴体や脚部が長めのデザインとなり、スリムなプロポーションでライオンらしい力強さと機動力を備えた雰囲気となっている。

「共和国仕様」のたてがみパーツを装着

 手動での可動は頭部のEシールドの展開ギミック、キャノピーの展開、前脚と後脚のコンプリッションリフジェレイター、背中のロケットブースターが可動する。

【頭部 Eシールド展開ギミック】
たてがみパーツが開くようになっている
【コンプリッションリフジェレイター展開】
前脚、後ろ脚のアーマーが開く
【ロケットブースター展開】
カバーを開いて、中のロケットブースターを起こす
ロケットブースターは角度を調整することができる
【頭部キャノピー展開】
オレンジのキャノピーパーツを開いた状態。中のコンソール部分も起こすことができる
キャノピーは二重関節で、展開の仕方が変わる。コクピットにはバンとウィーネのフィギュアを乗せることができる

 また、レーザブレードは対空武装のパルスレーザーガンや左右に広げた状態とフレキシブルに可動。劇中でレーザーブレードを展開して突進するブレードアタックも再現できる。

【レーザーブレード展開】
引き延ばして前に起こせば、対空のパルスレーザーガンを再現できる
前から見ても展開している様子がうかがえる
象徴的なレーザーブレード展開
横幅約35cm(縮小状態)で迫力あるものとなっている

 そして、レーザーブレード展開などをより臨場感あるものに昇華していくれるのが、モーターによる動き。40年培われた技術と“ゾイドだからこそ”といえる表現力は、非常に満足度が高い。

 つま先から地面に下ろす足の動きは足音を消して得物に近づくライオンのような動きが読み取れ、それだけでなく胴体部分のパーツも連動して動くことで全身の筋肉や骨の生体的な動きの艶めかしさに、動かした瞬間思わずうなってしまった。

 なお、動かす際は障害物がない平坦な場所で動かすことを推奨する。コンクリートなど摩擦がある場所で動かしたところ、うまく動かず止まってしまうので注意が必要だ。

【タカラトミー「ゾイド AZ-01 ブレードライガー」】

 造形に関しても、40周年の集大成といえる出来の良さとなっている。駆動ギミックがオミットされた商品としてコトブキヤのプラモデル「HMM」シリーズやグッドスマイルカンパニーの完成品フィギュアブランド「HAGANE WORKS」でブレードライガーは立体化されているが、それと遜色ない色分けとディテールが本キットでも施されている。

 ここでは2020年に発売された完成品フィギュア「HAGANE WORKS ブレードライガー」と比較してみた。

 「AZ-01 ブレードライガー」と「HAGANE WORKS ブレードライガー」を比較すると、プロポーションが大きく違っているのがわかる。

 「HAGANE WORKS ブレードライガー」はどっしりとした手足やコンパクトな胴体など旧キットに近いプロポーション。また、肩のアーマーも大きめに造形され、アニメの3Dモデルに近い印象となっている。こちらはアニメから飛び出してきたような印象で、可動フィギュアということもあり、アニメ準拠のモデルといえる。

 一方で、「AZ-01 ブレードライガー」は上述の通り胴体や足の長さが調整され、スマートな印象となっている。取扱説明書の解説でも「ライオンのサイドビューと比較しながら、バランスを見て全体のプロポーションを決めています。」と記載され、より動物的な動きと合わせたデザインのアプローチとなっているのが伺える。「ゾイド」シリーズの中でも多大な人気を誇る「ブレードライガー」の最新立体物として新たなエッセンスを取り入れつつ、アニメやジオラマなどこれまでの歴史を包括する意図が大きく含まれている。

【「HAGANE WORKS ブレードライガー」と比較】
写真左が「AZ-01 ブレードライガー」、右が「HAGANE WORKS ブレードライガー」
奥の「AZ-01 ブレードライガー」と比較すると「HAGANE WORKS ブレードライガー」のレーザーブレードが肉厚な造形となっている
「HAGANE WORKS ブレードライガー」(左)は完成品フィギュアらしくパイプ造形や背中の色分けが伺え、肩も大きく張り出している。一方で「AZ-01 ブレードライガー」はスマートな印象となっている
どちらの顔つきもカッコいいが、手前の「AZ-01 ブレードライガー」はモールドなどより情報量が多くなっている

 最後に屋外で撮影した「AZ-01 ブレードライガー」を見てもらいたい。

 「ブレードライガー」といえば、青空を背にして走る姿が筆者の目に焼き付いている。また、緑の中を走っている印象が薄かったので、今回はあえて緑の中を駆けるイメージで撮影してみた。

【屋外撮影】

 「AZ-01 ブレードライガー」に触ってみて、期待値を大きく上回る造形と表現の数々に驚かされる商品だった。

 筆者はアニメ放送当時に手に入れることができず、「いつか手に入れたい憧れの商品」だった。今回40周年を記念したモデルでは、懐かしさを思い出しながらもゾイドファンに向けて、より臨場感と動きの美しさに磨きがかかっていた。

 組み立て方も当時のキットと同様だが、素体状態の再現や脚部のシリンダー表現など「ゾイド」の進化を感じさせるパーツや機構が伺えた。

 今回の「AZ-01 ブレードライガー」のみならず、9月発売予定の「AZ-02 ライガーゼロ」への期待感、そして、告知されている「ムラサメライガー」からも目が離せない。