レビュー
東京マルイ「MS・Li-Po バッテリー」レビュー
2023年8月23日 00:00
安全、安心な「MS・Li-Poバッテリー」で初めてのリポバッテリー
実際に「MS・Li-Poバッテリー」を使う前に、まずは取扱説明書を熟読しよう。取扱説明書を読み込むことは「MS・Li-Poバッテリー」に限らず大事なことだが、最悪の場合は発火や破裂、爆発によって大怪我や火災など重大な危険を伴うパワーソースだけに万全を期したい。初めてリポバッテリーに触れる場合は当然ながら、これまで他メーカーの製品を使ってきたユーザーは新しいパワーソースに触れる気持ちで向き合おう。
今回東京マルイから発売されたのは、「MS・Li-Po バッテリー[スタンダードタイプ]」、「MS・Li-Po セーフティチャージャー」、「MS・Li-Po セーフティバッグ」、「MS・Li-Po バッテリーチェッカー」の4点だ。
4種類の製品ではあるが、同時発売ということからも解る様に、一括購入しての運用が望ましい。東京マルイ公式ページでも、それぞれの製品ページに他3点も合わせて表示されている。
買い足す、ということも考慮されて別売りという形を取ってはいるが、「MS・Li-Poバッテリー」の性能を発揮させつつ、安全、安心に使用するにはこの4点を揃えて運用する必要があるのだ。
ではそれぞれの製品を見ていき、実際に使ってみる。
「MS・Li-Po バッテリー[スタンダードタイプ]」
「MS・Li-Po バッテリー[スタンダードタイプ]」は、いわゆるリポバッテリーそのもの。1,500mhという大容量で、内部に保護機能と温度センサーを搭載しているため、従来の他社製「リポバッテリー」に比べるとやや大きい印象だ。
絶縁フィルムに包まれただけの物に比べ、外側は硬い樹脂のカバーに被われているので見るからに安心感は高い。コネクターは「次世代電動ガンMP5」シリーズでお馴染み、専用の3端子の物が付いている。2種類のコネクターが出ていた従来品と違って挿し間違いがなく、ショートの危険性も低くなっている。
また、東京マルイからも改めて周知されたが、裏面には「Li-ion 00」のリサイクル表記がある。「ポリマーじゃなくイオン?」と考えたユーザーがいたためだと思われるが、前項で記述したように一般的にはリポバッテリーはリチウムイオンに区分されているためだ。
リサイクルマーク下に記載の2桁の数字のうち、最初の番号は正極活物質中の最大含有金属を表している。「0:コバルト」、「1:マンガン」、「2:ニッケル」、「3:鉄」だ。2番目の数字は主金属のリサイクルを阻害する金属で、「0:無し」、「1:単電池重量に対して単電池含有分のスズ(Sn)が、1.0wt%を超えて含有」、「2:単電池重量に対して単電池含有分のリン(P)が、0.5wt%を超えて含有」となっている。
「MS・Li-Poバッテリー」での標記は00なので、コバルトを最大含有し、リサイクルを阻害する成分は含有していないリチウムイオン二次電池だということが解る。
「MS・Li-Po セーフティバッグ」
セーフティバッグは、これまでもリポバッテリーの運用に必須のアイテムとして、破損しないように保管・運搬するために使われてきた。
今回東京マルイから発売されたセーフティバッグ「MS・Li-Po セーフティバッグ」は、難燃性の素材で造られた大小2つのバッグと充電用の延長ケーブルがセットになっている。従来品に比べとにかく分厚く、驚くほど大きいのが特徴。縫製もしっかりしていて頑丈だ。
また、大小2重にすることで、万が一発火してしまっても、炎を内側に留め、外部まで延焼させることを防ぐようになっているのはこれまでに無かった発想だ。さらに、延長ケーブルを使って、充電時にも必ずカバーに入れる様になっているのも安全性を高めるポイントだろう。
自宅でもサバイバルゲーム場でも、エアガンに付けている時以外、保管、充電問わず、すぐにこのセーフティバッグに入れることを習慣付けたい。このセーフティーバッグだけは従来のリポバッテリーユーザーでもすぐに採り入れたいアイテムと言える。なお、延長ケーブルは専用コネクタで「MS・Li-Po」以外に使えないので注意が必要。
「MS・Li-Po セーフティチャージャー」
「MS・Li-Po セーフティチャージャー」は、「MS・Li-Po バッテリー」の充電と安定化を行なう専用の製品。いわゆる二次電池用の充電器だが、リポバッテリーの保管に必要な電圧の「安定化」も行なう。本体と、ACアダプターのシンプルな造りとなっている。コネクターの形状が違うだけでなく、安全性も考慮された製品なので、改造して他のリポバッテリーと混用することは絶対にすべきではない。
「MS・Li-Po バッテリーチェッカー」
「MS・Li-Po バッテリーチェッカー」は、「MS・Li-Po バッテリー」内部の状態を確認するためのセンサーを備えた製品。これまでの東京マルイ製ニカドバッテリー、ニッケル水素バッテリーでは、バッテリーチェッカーが無くとも運用は可能だったが、MS・Li-Poバッテリーは一定の電圧を保たないと品質が著しく低下したり、破損など危険が伴うので必須アイテムと言っていい。
「MS・Li-Po バッテリー」を繋ぐと10秒間内部の電圧を表示し、充電・安定化の時にはモニタリングを行なう。他社の従来品は様々な二次電池を対象にしていて複雑だったが、本製品は「MS・Li-Po バッテリー」専用で非常に解りやすくなっている。
いざ実践! 手順毎に見る使い方
1:「MS・Li-Po バッテリーチェッカー」で電圧、状態の確認
「MS・Li-Po バッテリー」を充電する前に、「MS・Li-Po バッテリーチェッカー」で内部の電圧を確認したい。東京マルイ「MS・Li-Po バッテリー」は保管時には7.4~7.8V程度が適正電圧だ。それより低い場合は、何らかのトラブルが発生している可能性も考えられる。また、外見状膨らみがないか、ケーブルの確認も大切だ。
2:「MS・Li-Po バッテリーチャージャー」を準備し「MS・Li-Po セーフティバッグ」に入れて繋ぐ
「MS・Li-Po バッテリー」の電圧が確認できたら、「MS・Li-Po バッテリーチャージャー」のACアダプターをコンセントに差し込む。青いランプが点灯すれば、準備状態になる。
「MS・Li-Po バッテリー」を延長ケーブルに繋ぎ、「MS・Li-Po バッテリーセーフティーバッグ」小に入れたら逆さにして大に入れ、「MS・Li-Po バッテリーチャージャー」と繋いでいく。「MS・Li-Po バッテリーチェッカー」は繋がなくとも充電は可能だが、モニタリングした方が安心感がある。
また、万が一失火した場合に備えそばに水を用意しておくのも良いが、こぼせば大変危険なので蓋付きが望ましい。
真ん中の充電ボタンを押すと、ランプが赤く点灯し充電が始まる。
充電が始まり、容量の90%を超えると、緑ランプが点灯する。「MS・Li-Po バッテリー」は満充電で長時間(1日以上)置いておくことは推奨されていないので、すぐに使うのではければここで一端充電を終えておこう。サバイバルゲーム前日など、すぐに使う状況であれば、さらに緑ランプが点滅するまで充電しよう。
充電が完了したら、対応する電動ガン(現在は次世代MP5シリーズと「電動ガンプラス」の「P-90プラス」)に繋いで使用可能だ。
初めてでも安心、安全な東京マルイ「MS・Li-Po バッテリー」で電動ガン新時代へ
30年超の長いサバイバルゲーム人生で初めてのリポ体験となった、東京マルイ「MS・Li-Po バッテリー」だったが、いずれも専用設計なので解りやすく、チェッカーで内部状態を逐一確認し、安心して充電とストレージモードを行なえた。
何より、充電から保管まで東京マルイ製品で完結しているという安心感は大きい。これまでリポバッテリーに興味はありつつも安全性への懸念から購入を見送ってきたユーザーにも幅広くお薦めできる安心なシステムだと感じた。
今後は対応する電動ガンも増えていくと予想され、2020年代は「MS・Li-Po バッテリー」が標準化時代になりそうだ。
実際に電動ガンプラス「P-90プラス」に「MS・Li-Po バッテリー」装着し撃ってみたが、セミオートは小気味よく連射でき、フルオートもキレが増した。明らかに別物の撃ち味だったので、電動ガンの潜在能力を解放した“真の姿”に触れた気がした。
また、サバイバルゲームで電動ガンを午後まで使っていると、これまでは残量が気になっていたが、「MS・Li-Po バッテリー」に変えてからは終了まで安定した電力で気にせず遊べる様になった。
そして次世代電動ガン「MP5 A5」では、ニッケル水素バッテリーを狭いハンドガード内に収めるのに若干苦労したが、一回りスリムな「MS・Li-Po バッテリー」であればスムースに収納出来るのも有り難いメリットだ。元々「MS・Li-Po バッテリー」の存在を前提に開発されたのがわかる。
何より、充電から保管まで東京マルイ製品で完結しているという安心感は大きい。これまでリポバッテリーに興味はありつつも安全性への懸念から購入を見送ってきたユーザーにも幅広くお薦めしたい。