レビュー
プラモデル「Figure-rise Standard Amplified カオス・ソルジャー」レビュー
鎧が放つ独特の質感を“偏光成形”で再現。独自アレンジで力強さを増した光と闇の混沌の超戦士
2024年1月25日 00:00
- 【Figure-rise Standard Amplified カオス・ソルジャー】
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 発売日:2024年1月26日(土)
- 価格:4,620円
- ジャンル:プラモデル
BANDAI SPIRITSより、2024年1月26日に発売されるプラモデル「Figure-rise Standard Amplified カオス・ソルジャー」。こちらは「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」に登場する光と闇の混沌の超戦士「カオス・ソルジャー」を、プラモデル化したアイテムだ。劇中では、カオスの儀式により降臨した伝説の最強戦士カオス・ソルジャーだが、その勇姿を圧倒的なディテール感で再現している。
同社がリリースしている「Figure-rise Standard Amplified」シリーズは、プラモデルを作りあげるというだけではなく、完成させた後も高い可動性で自由にポージングを取ることができるほか、付属品などのギミックを活用した様々な遊びが楽しめるところも魅力となっている。今回の「カオス・ソルジャー」もこれまでのシリーズの伝統を受け継いでおり、製品としての完成度の高さを感じさせるものとなっていた。
というわけで、こちらの記事では発売に先駆けて「Figure-rise Standard Amplified カオス・ソルジャー」のレビューをお届けする。
適度なパーツ点数で初心者でも作りやすいキット
プラモデルの場合、作りあげるのにどれぐらいの時間が掛かりそうかという目安になるのが、なんといってもパーツ点数の多さだ。大量のパーツがあれば、単純にその中から目的のものを見つけるだけでも時間が取られてしまうことがある。その点、今回の「Figure-rise Standard Amplified カオス・ソルジャー」は程よいボリュームになっており、普段あまりプラモデルを作ったことがないという人でも問題なく作りあげることができる。
ちなみに筆者の場合、プラモデル作り自体長い間空白期間があるため、どちらかというと初心者に近い。しかし、プラモデル自体は昭和の時代から作っていたことから、現在のキットの作りやすさには驚かされることが多いのだ。今回のキットにも多色成型のものも含まれているが、これをひとつ取っても技術の進化に感心させられた。
また、単純に色が異なっているというだけではなく、パーツによって素材感の違いが良く出ているところにも、最近のキットの進化ぶりを感じさせられた。たとえば今回は顔のパーツから切り離していったのだが、そのときパーツの素材に柔軟なものが使われていることがわかった。これらは現代では当たり前のことかもしれないが、昭和の時代からタイムスリップしてきた“プラモデルおじさん”にとっては驚きの連続である。
少しばかり前置きが長くなってしまったが、最初に作っていくのはカオス・ソルジャーの頭部だ。こちらは3つぐらいのパーツを組み合わせてひとつのパーツを作りあげていくような流れになっている。このときに気を付けたいのが、説明書に書かれている番号である。ついつい勢いで組み合わせていきたくなってしまいがちだが、説明書に書かれている順番通りに付けていないと後からは取り付けることができないということがあった。
なぜわざわざそんなことに触れるかというと、実際に筆者自身がやらかしてしまったからである。パーツによってはキッチリとハマりすぎて後から外すのはかなり大変になることもあるので、じっくりと説明書に書かれている手順を確認してから組み立てていくようにしよう。
人形は顔が命ともいわれるが、プラモデルでもやはりそれは同じだ。しかも、今回のカオス・ソルジャーはいきなり顔の部分ができあがっていくので、気分も盛り上がっていく。プラモデルにも、作り手のテンションが上がっていくような流れというものがあるように感じることがあるが、王道ではあるものの目立つところから作っていくと、その後のパーツ組み立てへの意欲もどんどん湧いてくる。
ゴージャスな装飾が施されたボディ
頭部が完成したら、次はボディ部分を作っていく。こちらも形状がかなり鋭利なスタイルになっているということもあり、最初はボディというよりも何か乗り物のようなものを作っているような気分だった。カオス・ソルジャーの特徴ともいえるが、紺色をベースにしながらも黄金に輝くパーツが組み合わせられており、どことなくエジプト文明の美術品を思い起こさせるところがある。
それぞれのパーツは、かなり精密に作られており、キッチリとハマっていくようになっている。胸部の赤いクリアパーツなど細かいパーツもいくつか含まれているので、組み立てているときに落としてなくしてしまわないように気を付けた方がいいだろう。
カオス・ソルジャーのボディ部分は、胸部と腹部に分かれている。最初に作ったのは胸部の方で、そちらに腹部のパーツを組みつけていく。こちらにも可動用のパーツが仕込まれており、胸部に捻りを加えるなどの動きが付けられることがわかる。
可動部分が多い両腕の組み立て
胴体が完成したら、続いて両腕を組み立てていく。脚も似ている部分があるが、左右対で組み立てていくため、片方作りあげた後は比較的もう片方を作っていくのは楽だ。この腕は上部から作っていくのだが、最初は草履のようなパーツを組み立てているように見えて、これから何ができあがっていくのかよくわかっていなかった。そこにどんどんパーツを追加していき形になっていくのは、本当に面白い。
上腕部分ができたら、肘から先も作っていく。装飾品のようなパーツもいくつかあるのだが、向きなどを間違えないようにしよう。肘や手首部分は少ないパーツで組み立てることができるため、それほど時間が掛からずに両腕を作ることができた。ふたつの腕ができたところで、ボディに両腕と頭部のパーツを組み合わせておこう。ステップはまだまだあるのだが、この時点で半分ぐらいできたような気分になってしまった。
全体の土台を支える脚腰部分を作りあげよう!
腕のときは上部から組み立てていくといった流れだったが、脚はその逆で足首の方から作っていく。ここでも注意が必要なのは、赤いクリアパーツをはめ込む前にシールを貼っておかなければいけないところだ。
すねや太ももなど組み立てた後、最初に作った足首のパーツを取り付けていく。右足部分が完成したら、同じように左足を組み立てていけばOKだ。両脚が完成したところで、腰部のパーツを作っていく。こちらは美しい装飾が施されたような作りになっているのだが、パーツの組み合わせだけで実現しているところは見事である。
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