特別企画

ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、戦車のプラモデルってどんなもん? 「1/35 ドイツIV号戦車G型 初期生産車」~まずは塗装しないで作ってみた~(後編)

完成! フィギュアを乗せれば、箱絵と同じシチュエーションに!

 完成したキットを、まずは車体から見ていきましょう。

【車体をじっくり】
全体を角度を変えながら。塗装をしなくても、陰影である程度ディテールがわかるので、これはこれでアリだなあと。車体上部のジェリカンをはじめとしたアクセサリもゴチャ感あっていいですし、履帯のたるみもバッチリ重さ感出ていますね!

 全体を一通り見たあとで、各部アップも見ていきましょう。各部を眺め回せば、これまた全体のボリューム感あるフォルムと違って細かい魅力的なポイントが見えてきます。

【ディテールをチェック!】
前面。機銃やハッチ、履帯などのディテールも楽しいのですが、土のうや布製のカバーなどの造形もみどころです
上の写真から少し視線を落として。ドイツ戦車はIV号のあとにさらに大きな戦車が登場して、そちらのほうが重量感がスゴいのですが、IV号戦車もこうしてみると力強いですね
車体上面のアクセサリ類。こうしたアクセサリをちょいちょいと付けていくのが、これまた楽しいですね。めんどくさい作業なのですが、笑顔でめんどくさいことができるのが、プラモデルのよいところではないでしょうか?
これはもうタマラン履帯周り。いやぁ、あのガイドが奏功して、ホントに自然な感じのたるみ感がぐっと来ますね。たるみは自分でも多少調整できるので「ここもうちょっと……」みたいにこだわりたいところ
ハッチの開口部。開口するため、ハッチの裏側にもディテールが入っています。また開口部から砲塔内部がちらりと見えたりして、よいですね。なお、組立説明書の「B」パターンである第12戦車師団所属車の場合は、ハッチは閉じる仕様になっています(まあ、開けるか開けないかは作る人に委ねられてはいるでしょうが)
予備のホイール。こちらは、ギミックというわけではないでしょうが……
スポッと外せます。

 そして、このキットの最終完成形をこれからお見せしましょう。彼らの登場です。そう、フィギュアを乗せれば、箱絵と同じシチュエーションとなるのです。このフィギュアがまた、造形が細かくて見どころたっぷり! 本体とともに、ぜひとも手にとっていただきたいポイントのひとつなのです。

【多彩な表情のフィギュア】
コンニチハ。操縦手のフィギュアです
先ほどもご紹介した車長のフィギュア。重心のとり方が自然で素晴らしいですね
砲手。この表情や腕の肉、そしてシャツのヨレ具合など、こちらも見どころ満載
歩兵。戦車の背に乗って移動しています

 さて、彼ら5人を乗せると、これまた一気に情感が湧いてきて、完成品が生き生きとしてきます! もはや模型というよりはひとつの景色といえるでしょう。ジオラマとまでは行きませんが、それでも躍動感のある姿になるというわけです。

【5人を乗せる】
フィギュアを乗せた状態。ナゾのポーズはこのためだったんですね~。なんと生き生きとしているのでしょう。

 この、フィギュアを乗せた状態で、各人をクローズアップしてみれば、これまた、なんとなーく、ですが、そこにドラマが生まれる気がしてきます。

【クローズアップ】
彼らは何を思って行軍しているのですかね。見る角度を変えれば、それだけでまた、ストーリーが生まれてきそうです。

こうして、タミヤの「1/35 ドイツIV号戦車G型 初期生産車」の製作が終わりました。その魅力については、あらかたこれまでの文章で述べてきてしまったので繰り返しになってしまいますが、ひとこと申し上げるならば、「やっぱりパーツを手にとって作るって楽しいですよね」ってことでしょうか。

 今回は特に、一つ一つのパーツが細かくて「うわーすごいなあ」などとそのディテールを楽しみながら作りました。とはいえその細かさは決して不必要に分割されたものではなくて、難易度としては……何に例えたらよいものやら。うーん、焼き魚の小骨をお箸で外せる程度の器用さがあれば大丈夫ではないかと思います。つまりは、ほとんどの人にとっては、まったく難しくないし、さらに言えばお箸だって慣れないと使えないわけですから、慣れればまったく問題ないレベルの難易度ということです。

 もちろんこれをさらにうまく作ろうとした場合は、話は別になってきますが、少なくとも、「色塗らなくてもいいからそのカタチを作って楽しみたい!」という方は、まったく恐れる必要はないでしょう。

 さらにいえば、ここまで完成した状態からだって、色を塗ることは可能です。塗りにくい箇所は接着をある程度剥がしてしまって、再度くっつけても、ウェザリングすればおそらく目立たないのは前回のシュトゥルムケーファーの記事をご覧いただければおわかりになると思います。ですので、「やっぱり色塗りたいからな~」と組み立てを躊躇するくらいなら、まずはじゃんじゃん作ってしまって、それから悩むというのも手ではないでしょうか? そのあたりは、自分のプラモデルですから、自由でしょう。

 というわけで、ともかく完成して大満足となりました。キャラクターキットとはまた別の魅力があるスケールキット、ぜひ一度、ニッパーを握ってみてください。

【完成品を色々な角度で】