レビュー

東京マルイ、「次世代電動ガン MP5A5」レビュー

シューティングレンジで実射! Mシステムの確実なセミ/バースト射撃と安定した命中精度!

 今回もお馴染み、千葉県白井市にあるサバイバルゲームフィールド「ホワイトベース」のシューティングレンジで「次世代電動ガン MP5A5」の実射を行なった。コロナ禍のおりにもかかわらず、快くお時間を割いて頂いた事に感謝したい。

ホワイトベースのシューティングレンジ。人型のターゲットの距離は、手前の真ん中が10m、左が15m、右奥が25m

 試射の前に、発射に必要な準備を行なう。電動ガンはまずバッテリーが必要だ。「次世代電動ガン MP5A5」は、今後発売予定の「リポバッテリー」と、従来の「ニッケル水素バッテリー」が両方使える。

「8.4V ニッケル水素1300mAh ミニSバッテリー エアソフトガン用ニッケル水素バッテリー」

 バッテリーを装着する際、注意すべき点は電源コード。本製品は「ニッケル水素」、「リポ」2種類のバッテリーに対応させる必要上、バッテリーコードが長くなっている。そのため、バッテリーとアウターバレルの間に挟まない様に取り付けるのにコツがいる。この点に関し、東京マルイは専用の解説動画も用意している。

【次世代電動ガン『MP5 A5』ーバッテリーセットのコツ】
まずハンドガード内側の突起に合わせてバッテリーをセットする
コードの長さに個体差があるとのこと。今回はインナーバレルの上をくぐらせて左右に振り分けた。とにかくバッテリーとバレルの間に挟まない様にする
慎重にハンドガードをセットする。電飾の知識があれば部分的に結束バンドで使うなど工夫してみよう

 バッテリーを取り付けたら、マガジン装填口から見えるインジケーターを確認する。LEDが赤く点灯している場合はバッテリーの電圧低下など何らかのトラブルが発生しているので、取説に従って対応しよう。

 また、次世代電動ガンならではの、BB弾が無くなった時に空撃ちさせないためのオートストップ機構も備わっている。バッテリーを繋いで2秒間以内に3回コッキングレバーを前後させる事で、オートストップ機構のオンオフが可能になる。

インジケーターLEDが赤く点滅している状態。バッテリーの充電が無くなるとこうなるので、マガジンを装填する前に確認しよう
青いLEDが点滅しているとオートストップオフの状態。いわゆる「空撃ちモード」だ

 続いてマガジンにBB弾を装弾する。付属のノーマル(スプリングによる強制給弾式)マガジンには72発のBB弾を装弾できる。今までM4系(82発)やAK系(90発)のノーマルバナナマガジンに比べて細長い「電動ガンスタンダードタイプ MP5」シリーズのノーマルマガジンは50発だったので、およそ5割増しの装弾数だ。筆者は個人的好みでマガジンチェンジを行なうノーマルマガジンを愛用しているので、嬉しい火力アップだ。

マガジンローダーの←部分までで36発を2回装弾で72発装弾できる
筆者は「スタンダードMP5A4」では火力不足を補う為、マガジンを2本束ねて使っていた

 72発をローダーで2回に分けて給弾する。「電動ガンスタンダードタイプ MP5」シリーズのノーマルマガジンは、後半はバネがきつくなり、ギチギチと押し込む感じがあった(このため筆者はいつも50発ではなく、45発程度の装弾に留めていた)。しかし、新しい次世代電動ガン用マガジンは72発がしっかり入る。こういったところにも技術の進歩を感じた。

 コッキングレバーを後退させた状態で、装弾したマガジンを装填、コッキングレバーを手の側面で叩いて解除する「HKスラップ」でマガジン装填完了だ。

次世代電動ガン用(下)は実銃に合わせて寸法的に若干太くなったがほぼ同じ大きさ。それで22発の増量をスムースに行っている、30年分の技術進歩と言えるだろう
コッキングハンドルを引いて固定した状態。「スタンダードMP5A4」(向かって左)では丸いモールドだった部分が、実は穴になっている事に初めて気付いた
コッキングハンドルを戻した状態
コッキングハンドルを戻して発射可能な状態を別角度から

 続いてセレクターを動かし、セイフティを解除する。このセレクターに関しても「スタンダードMP5」と大きく違いを感じた。「スタンダードMP5」はスイッチに連動して機構が切り替わる"ギア感"があったのだ。「次世代電動ガン MP5A5」はスムースに1発→3発→フルオートが選べる。一方で「スタンダードMP5」に慣れているとスムーズすぎるので、慣れるまでは目視でセレクターの位置を確認した方が良いかもしれない。

下から、セイフティオン→セミオート→3点バースト→フルオート。画像はセレクターを3点バーストに入れた状態

 発射準備が整ったところで、セレクターをセミオートの位置にして撃ってみる。作動音と共に、ガンッという反動がストック越しに伝わってくる。以前レポートした「ガスブローバックマシンガン AKM」や「次世代電動ガン URG-I ソップモッド ブロック3」より反動はいささかマイルドだが、それでも強烈な反動がストック越しに肩に伝わる。実銃の「MP5A5」は9mm口径の拳銃弾を使用するので、ライフルのAKMやURG-Ⅰに比べて反動が小さくなっている。その辺りも考えられたリアルな味付けがなされている様に感じた。

 また、筆者は今まで、電動ガンでのセミオート射撃はトリガー部などの電気系に負荷になる事を考えて個人的にはあまり行ってこなかった。その為、サバイバルゲームのセミオート戦で電動ガンを使う事も無かった。だが、FET(電子回路)による電子トリガーを備えた「次世代電動ガン MP5A5」では、その気遣いは一切無用だ。セミオートでガンガン連射できるのがとても楽しい。

ホップの調整はドラム式で、右側面のエジェクポートかマガジン装填口から行なえる。マガジンを装填している場合は、コッキングレバーを引いて、エジェクションポートを開け、→のドラムを回して行なう。レバーを前後させる「スタンダードMP5A4」に比べてズレにくいが、回す方向は覚えておこう

 セミオートで1発づつホップの掛かり具合を確認しながら試射し、程良い感じになったらターゲットを狙う。反動も強く、連射してのサイティングは難しかったが10m、15mでは小さな金属の的を簡単に捕らえられる。ヘッドショットが充分に可能な、次世代電動ガンらしい命中精度だ。

 続いてバーストショットを試す。今まで機械的な機構でバーストショットはあったが、電子制御で3発づつ確実に発射されるのは初の体験だ。筆者が「スタンダードMP5A4」を入手して20年になる。実銃でも軍用など3点バーストが省かれる場合もあり、納得しつつも、なにか物足りなさを感じていた。20年越しで、確実な3点バースト射撃を存分に味わえ、感動を覚えた。

 個人的には、「次世代電動ガン MP5A5」の白眉は電子トリガーによる完璧な3点バースト射撃だと思った。これだけでも、購入する価値があるなと感じた。

【東京マルイ「次世代電動ガン MP5A5」0.2g弾での試射】
30度超の暑さで、ゴーグルの中を汗が流れて視界が遮られる精密射撃には不向きな状態だったが、0.2g弾を用いての速射で的を的確に捉えている。25mを超えると、反動と相まって全弾命中とはいかないが、マンターゲットから外れる事はない
【東京マルイ「次世代電動ガン MP5A5」0.25g弾での3点バースト射撃】
より集弾性に優れた0.25g弾を使用しての3点バースト射撃

 実銃ではフルオート射撃で命中精度が低下する事へ対応する為に3点射バーストが誕生した。しかし機構が複雑になり高価になることや故障の原因となる為に近年は省かれる様になってきている。「次世代電動ガン MP5A5」の電子制御の3点バーストの確実性は改めてこの射撃の有用性を示してくれた。。

 最後に、MP5A5付属の「3LUGマズルアダプター」を使用してみた。このパーツはワンタッチでサプレッサーを取り付けられる優れ物で、かつ銃口とのブレが無く造られており、サプレッサーを使用した時に弾道を阻害する事がない。そこでアダプターに社外品のロングサプレッサーを取り付けてみた。

 これは「スタンダードMP5A4」に付けると、フロントが微妙にズレて当たってしまう事があるので使っていなかった物だ。しかし「次世代電動ガン MP5A5」の硬性の高さとマズルアダプターの精密さでセンターがしっかり出ているので、全く干渉せずに発射が可能になった。

 以前筆者は「スタンダードMP5A4」にこのサプレッサーをつけてみたが、長いサプレッサーは前が微妙に下がって弾が先のところで当たる事がある。そこで重さで弾道のブレが少なくなる0.28gのBB弾を使ってサプレッサーを使用しての射撃をしてみた。結果としてサプレッサーにぶつかることなくまっすぐ飛ぶのが確認できた。

「3LUGマズルアダプター」厚みの違うリングも2種類用意されている
「MP5A5」に3LUGマズルアダプターを介してロングサプレッサーを付けた状態
非常に長くなる
【東京マルイ「次世代電動ガン MP5A5」ロングサプレッサーを付けた射撃】
重い0.28g弾を使って試射してみたが、ぶれる事なく綺麗な弾道を描いている