レビュー

「Figure-rise Standard ウルトラマンブレーザー」レビュー

左右が大きく異なるブレーザーの手足

 ボディに比べると手足の組立はシンプルだ。パーツや関節設計はこれまでの技術の蓄積をしっかり感じさせられる。上腕部分でのロール、肩アーマーと肩の付け根を1パーツで構成し、肩の基部に通す構造などは機能と強度を持たせつつ、パーツ数を最小にするノウハウが活かされている。シンプルな設計ながら関節にしぶみも生まれていて、動かして楽しめる、耐久度も考えた設計となっている。

 そして面白いのが左右の手足のデザインの違いだ。右は銀色主体のシンプルなデザインだが、左腕は赤と青のラインが入った複雑なデザイン。左手の外装はインサート成型のAパーツを使っているので組み立ても簡単なところも感心させられた。

【腕部】
黒い基部に外装を取り付けていく。腕の構造はシンプルだ
左腕に情報が集中している。左右のデザインの違いがブレーザーの面白さだ

 足部分は膝部分ははめ込み式になっているが、膝裏パーツをあてがうことでしぶみを出しこちらも間接強度を上げている。足首は足裏パーツをしっかりはめ込むことで関節の自由度と強度の両立を実現している。ブレーザーは足を大きく開き、腰を落としたポーズを取ることも多い。足首の強度があるとしっかり自立するのだ。

【足部】
膝は2重関節で深く折り曲げることが可能
スネははめ込みだが、膝裏にパーツを付けることで関節にしぶみを加えている
こちらも左右でデザインが大きく異なる

 腰部分も左右の付け根が独立して可動、足の付け根をずらすことで足の自由度を確保している。逆に狭めればしっかりと股関節部分が隠れ、ウルトラマンらしい立ちポーズを可能にしてくれる。これまでのパーツを結合させることで完成だ。全身を見ていこう。

【腰部】
関節が仕込まれた腰部。股関節の付け根は左右独立して可動
【全身】
これまでのパーツを組み合わせる。ウルトラマンブレーザー、本体の完成だ

 「Figure-rise Standard ウルトラマンブレーザー」の大きな魅力が「チルソナイトソード」の付属だ。宇宙怪獣ガラモンを構成していた宇宙合金「チルソナイト」をブレーザーの力で変化させたこの武器を、プラモデルは偏光素材で表現、特にその刀身は独特の質感がある。アクセントである稲妻の模様はシールとなっている。

 また、ギミックとしてカラータイマーを赤に変化させることもできる。取り外し可能な胸パーツのクリアパーツを交換することで赤に変化したカラータイマーを表現することも可能だ。次章では様々なポーズをとらせていこう。

【チルソナイトソード】
黒い刀身が光を反射して輝く、独特の質感を持った武器だ
【カラータイマー】
基部を取りはずし、中心のクリアパーツを交換することでカラータイマーが赤になった状態にできる

ダイナミックなポーズでブレーザーのカッコ良さを追求

 ウルトラマンブレーザーは印象的なポーズが多い。戦闘前の祈りから、左手を前に、右手を手刀のように構える独特の構えのポーズ。「Figure-rise Standard ウルトラマンブレーザー」はこれらのポーズをきちんと再現できる。

 肩を引き出すことで胸の前に手を伸ばせる。手のひらを前に向け必殺技である光線を槍状の形にして投擲する「スパイラルバレード」を出現させるポーズも可能だ。チルソナイトソードを構えたポーズもぴしりと決まる。

【ポーズを取らせる】
戦いの前の祈りのポーズ
ブレーザーならではの構え
光の槍「スパイラルバレード」を出現させるポーズ
チルソナイトソードを構える
剣を振り下ろすポーズも可能

 「Figure-rise Standard ウルトラマンブレーザー」はブレーザーの複雑でカッコイイデザインを再現しプレイバリューも高い満足度の高いプラモデルだ。組み立てることでそのデザインをしっかりと堪能できるだろう。

 あれば嬉しかったな、と思ったのがスパイラルバレードのエフェクトパーツだ。偏光素材で作られるであろうスパイラルバレードは見応えがあったに違いない。とはいえチルソナイトソードも付属しているし劇中の再現の幅も広い。

 「ウルトラマンブレーザー」はストーリーはもちろん、ウルトラマンのアクションも個性的で面白い。声を上げて威嚇し、子供のように飛び上がり、リアクションも豊かでウルトラマンの動きそのものが楽しい。「Figure-rise Standard ウルトラマンブレーザー」はその表情豊かなブレーザーを再現できるプラモデルだ。ファンはもちろん、このプラモデルをきっかけに「ウルトラマンブレーザー」に興味を持って欲しい。