特別企画
「うわー! こいつ動くぞ!!」、夢に見続けた“動くガンダム”を目の前で見た感動! 「ガンダムファクトリー」ディテールレポート
2020年12月4日 12:04
可動する各部、そのディテールに迫る!
ガンダムを格納する「ガンダム・ドック」は本当に整備に使われるように設計されていて、頭部やコクピットにアクセスするための可動デッキまで装備されています。そしてガンダム・ドックの隣には展望用デッキ(ドック・タワー)も備えられており、別料金にはなりますがそこからガンダムを間近に、しかもこれまでの立像では叶わなかった上からの眺めを体験することができます。
会場内、ガンダムに向かって右手にドック・タワーへ上がるエレベーターがあり、その前には待機場を表すマーキングも施されています。通路からガンダム・ドックを見上げるとまさにメンテナンス・タワーの様相となっています。トラス構造で張り巡らされた支柱がメカニカルなリアリティ……というか、リアルを増幅させています。背が高い方なら荷物預入用のコインロッカーの向こうにガンダムの脚を見ることができます。
さぁ!10年前には叶わなかった頭部付近へ進みましょう。ガンダムの後ろから徐々に横へ回って斜め前からですがから頭部を見ることができます。たくさんのモールドが施されて、ヒサシやチンガードが鋭くデザインされた頭部となっています。この深いモールドは2色の濃淡でスミ入れ塗装しているとのことで、とても深く感じられますね。全身にわたってモールディングされているのでじっくりと観察すると面白いですね。
ガンダム後部に広がるメンテナンス・デッキを見ると造船所のようにも見えますね。背景の横浜の港の風景にもバッチリ相性よく見えます。足元へ見下ろしてみますと、劇中でも度々描かれますがメカニックマンやパイロットたちはこんな視点で見ていたのかと思うと不思議な気持ちでもあり、その高さには驚かされます。今後映像作品を見返すとまた感覚が変わってくると思います。
いつもガンプラを作っている筆者は腰部のフロントアーマーの接続部が確認できて興奮してしまいました。アーマー上部が横軸で接続されていましたのでこれはフタのように上に開きそうですね。観覧者から一番近くなる部位は左肩になるわけですが、オリジナルのガンダムにはないこの肩口の丸いパーツの中は巨大なモーターです。この構造だと型は横にはあがらなさそうですね、腰アーマーと一緒に稼働状態のときに確認してみましょう。
興奮冷めやらぬ中、次は稼働中のガンダムに寄ってみましょう。上からの視点ではとんがったキツイ印象の頭部でしたが、下から見上げるとなんとも優しい顔つきに見えます。角度と遠近法のマジックってすごいな、と思いました。
筆者が感動したのは、40年前のオリジナル78ガンダムから付いている肘と膝の丸モールドの部分で関節が曲がっていたことです!後世のガンプラでは可動範囲拡大のために無視されることもあるんですが、このF00ガンダムはちゃんとそこで回転しています。デザインの勝利ですね。肘関節はさらに特殊で、円盤状の部分がロール軸に見えますが今回のモーションではロールしている様子はありませんでした。その下に下腕接続用の関節がありますがここがだいぶ細く見えます。
歩行のモーションでは腕と脚を上下させるだけでなく、上半身と頭部で視線も移動させていて人間の歩行モーションとそっくりですね。このガンダムファクトリー横浜でモーションと姿勢制御が実験できればいずれは単独で歩くこともできるのかもしれませんね、ここはそのビッグデータの採集も行なえるんじゃないでしょうか。
上半身のモーションでも一番大きな両腕上げのモーションを見てみましょう。肩の巨大なモーターによって上に90度ほど上がっているように見えますね。肩の前部のアーマーのみが腰部アーマー同様フタのように跳ね上がる構造になっていてその分だけ上げられるようです。
ガンプラファンにとっては指の表現がとても重要です。ガンプラでさえ成形技術の革新によって五指の全関節が動くようになってきましたので、実物大となるとそれが機械で動くのを期待してしまいます。結果はもちろんバッチリ動いています!しかもなめらかすぎて開いた口が閉まりません……発表に合ったような”イチバン”や”ピース・サイン”も作れそうですよね。
そのほか、気になった部分を見てみましょう。コクピット・ハッチの上部に丸いものを見つけました。最初はライトかと思ってたんですが、これは併設の「ガンダム・ラボ」内にある5G通信を使ったガンダムのコクピット視点を捉える360度カメラですね。ただこの映像、施設内でしか見れないんです。いつかストリーミングでライブカメラとして映像を提供していただけると家庭や移動中にも見ることができます。ぜひこのカメラからの映像はリアルタイム公開して欲しいです。
足を見てみましょう。本来ならもっと前後に長いデザインでなければならないはずですが、このサイズになっているのはF00ガンダムは地上には設置していないので軽量化もあると思いますし、人間との比較を行なって各部のバランスをデザインしているのでそれもあるかもしれません。デザイン的には前後3~4カ所で割れそうで地上との追従性が高そうです。
もしかしたらあまり人気の出なさそうな(失礼)向かって左側を見てみましょう。路面にはガンダムの足跡と滑走路がデザインされていて遊び心満載です。こちら側にはF00ガンダムのコクピットともいえる遠隔操作を行なう部屋が用意されています。システムエンジニアでもある筆者は実はこちらも興味津々ですがさすがに中には入れそうにありません……ザンネン。
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