インタビュー
トミカで街を学び、サンリオキャラで星や科学に興味を持つ、マクドナルドの「ハッピーセット」に込めた想い
2022年4月14日 00:00
最新作ハッピーセット「トミカ」、「サンリオキャラクターズ」に込めた知る楽しさ
「おもちゃをきっかけに子供の自発的な学びへ導く」という"フィロソフィー"と、IPならではのおもちゃというハッピーセットのコンセプトを活かした最新商品が、4月15日から販売となるハッピーセット「トミカ」、「サンリオキャラクターズ」となる。どちらも第1弾と、2弾に分かれており、4月15日から4月28日まで第1弾で各4種。4月29日から5月12日までが第2弾でシークレットを含む各5種が販売される。※数量限定のため早期完売の可能性あり。
「トミカ」のフィロソフィーは「図形と空間の認識」、「人や社会との関わり」といった要素を込めている。第1弾は「はしご付消防車」や「清掃車」など"働くくるま"がラインナップの中心になっており、それらが街でどんな役割を果たすか、車はどんな仕事をするのか、車に乗っている人たちはどういった人達かなど、おもちゃをきっかけに社会や仕事に興味を持ってもらえるようにしている。
例えば「分別ステーション&トヨタ ダイナ 清掃車」ではゴミ収集車と、分別ステーションのセットとなる。車の造型を見たり、転がして遊ぶだけでなく、働くくるまとしてゴミを集め、分別して処理をするという役割を知ることができる。どうしてそういった格好をしているのか、どういう働きをするのか、子供自身が興味を持ち、調べるきっかけになるようにしている。様々な役割を持った車と、そこで働く人達を提示することで、ごっこ遊びをしながら想像力を育てて欲しいという想いも込めているのだ。
一方、「サンリオキャラクターズ」のフィロソフィーは「言語」、「図形空間の認識」や、「自然科学」といったものだ。「リトルツインスターズ ほしのかんさつキット」は、サンリオの「キキとララ」のキャラクターをモチーフとした望遠鏡となる。付属の観察シートを使うことで、惑星や星座探しが楽しめる。このおもちゃをきっかけに、実際の星を観察する楽しさへと繋がって欲しいという想いを込めている。
ハッピーセット「トミカ」の「マクドナルド レストラン&いすゞ エルフ 車両運搬車」は実は現実には存在しない架空の車両。マクドナルドならではの車両としてラインナップに加えたという。トミカでは毎回マクドナルド関連の車両を入れているとのことだ。ラインナップに関してはトミカの人気車種を考えているとのこと。子供によって好みがあるし、変化していく価値観などにも対応できるように、幅広いラインナップを意識している。
今回のハッピーセット「トミカ」では4月29日からのラインナップのうち2つが「サーキット」とセットになったスポーツカーとなっている。「トヨタ GR86」と「日産 フェアレディZ」の2車種は最新のものである。ハッピーセット「トミカ」でどんな車種を展開するかは、タカラトミーのトミカ担当者とも話し合って決めているとのこと。
タカラトミーの「トミカ」は車メーカーにとってもプロモーションの一環となっているが、昨今ではハッピーセット「トミカ」でもその最新車種をアピールする流れができている。2021年はGT-Rの最新車種の発表とハッピーセット「トミカ」の販売も同時に行なわれた。
また、佐賀氏は注目して欲しい車種の1つとして「救急病院&日産 NV400 EV救急車」を挙げた。現代の子ども達にとって、SDGsといった環境への取り組みは身近であるが、教育用のテキストやおもちゃで環境問題を説明するより「EVって何だろう?」とおもちゃや車をきっかけに考えることができるのではないか? ハッピーセット「トミカ」を通じて、様々な社会の仕組みや取り組みに興味を持ってもらいたい。それが佐賀氏の考える「遊びと学びが繋がる瞬間」だという。
ハッピーセット「サンリオキャラクターズ」は、ハローキティのスタンプと洋服の着せ替えができるシールのセット「ハローキティ きせかえスタンプ」や、世界地図のシートに各地域の動物のシールを貼って遊ぶ「ポチャッコ 地図であそぼう」などがある。「これを使ってどんな遊びをしよう?」と問いかけのあるおもちゃとなっている。
サンリオの様々なキャラクターを起用し、かつ立体化しているところがセールスポイントの1つで、2Dで見慣れたキャラクター達が3Dでもかわいらしく表現できるか、というところが課題だったという。開発チームはハッピーセット「サンリオキャラクターズ」開発に当たり、どんなキャラクターで、どういった遊びを盛り込んでいくか、キャラクターの研究と議論を重ねたという。「サンリオ展」などのイベントに行き勉強もしたとのこと。
キャラクターの起用においては「クロミ ABCカード」の"クロミちゃん"は「マイメロディ」に登場する、最近注目を集めているキャラクターだ。キャラクターの起用に関しても話題になって欲しいという想いを込めている。
「マイメロディ 花をさかせよう」は、紙の花が折りたたまれてトレイに入っており、じょうろで水をかけると花びらが開くおもちゃ。紙でありながら乾かすことで何回も遊べるように工夫をした。花が咲くという植物への興味、紙のギミックの面白さにも関心を集められる子供の好奇心を刺激するアイテムとなっている。「子供の体験を通し、目の前のことがどうして起きているのか? 不思議な体験を自分で考えていくようなおもちゃになって欲しいです」と佐賀氏は語った。
今回の16商品(シークレットも加えると18商品)でも込められたアイディアは様々だ。改めてアイディアの多彩さには驚かされる。開発・企画スタッフは本当に様々なアイディアを持ち寄り、なおかつ議論や子供達の反応などで取捨選択した上で商品化している。複数のスタッフによるチームでアイディアを出しているとしてもネタ切れになりそうで、いらない心配をしてしまう。
「アイディアというところでは、おもちゃを遊ぶ子供は成長して行くことで興味が変わっていくので、長いスパンで固定されたお客様ではないとも言えます。それぞれの年齢層に向けたアイディアでも、受け取る子供が変わるので新鮮に感じてもらえるところがある。また、時代によって近いアイディアの企画でも、全く違う商品になる場合があります」。
ハッピーセットのおもちゃに関しては、「このおもちゃをきっかけに視点を広げて欲しい」と考えているとのこと。子供がずっと持ち歩く、そういうおもちゃになってくれるのが理想だ。子供がおもちゃを持ち歩くのは、何か心を掴むところ、好きなところ、また新しい体験や発見など、特別な想いががあったからだ。マクドナルドのハッピーセットは気軽に、様々なおもちゃが入手できるところも強みだ。「様々なおもちゃの中で子供の特別になって欲しい、そう思って開発している」と佐賀氏は語った。
次項ではIPとの関わり方など、総合的な企画・開発の姿勢や、印象に残っている過去のハッピーセットなどの話を聞いていこう。